1:海江田三郎 ★ 2015/07/26(日) 10:13:08.74 ID:???.net
http://toyokeizai.net/articles/-/78308?page=2
今回、つまり第2のワナの方が悪質かもしれない。筆者が前回予想したように、米国株の本格的な下落が始まりつつあるわけだが、NYダウはすでに5月19日(火)の高値から下落基調に入っているものの、これまでは特に急落と言えるような局面が少なかった。
加えてナスダック総合指数が、全体相場に逆行し、7月20日(月)に史上最高値を更新した。このため、堅調そうな株価のうわべの動きに目を奪われて、専門家ですら誤った強気を唱え、ブルトラップにはまったようだ。このように2回目のワナは、投資家の危機感が高まらないまま、静かにじわじわと株価が滑り落ち、はっと気が付けば買い手は損失に追い込まれている、という危険な形になっている。
今週は世界の株価が一段と下落する流れの中にあるしかし当コラムの読者の方は、筆者が前回、「大揺れ船旅の次の寄港地は、ニューヨークではないか」「先週で株価調整は終わりだ、と確信するのは危険だ」と、米国発の株価調整およびそれにつれた国内株価の下落について警告を発していたので、日経平均が2万円超の水準では、買いを控えていただいている方も少なくないのではないかと思う。読者の方の投資の一助となったのであれば、これほどうれしいことはない。
何度も当コラムで述べているが、筆者が米国株価のさらなる下落を見込んでいるのは、決して米国経済が悪化するからではない。米国の主要銘柄で構成されるS&P500の直近PER(株価収益率)は17.8倍(先週ベース)と、近年のレンジである12~18倍(平均はほぼ15倍)を踏まえるとほぼ上限であり、高い。高PERが許されたのは、緩和気味の金融政策があったからで、今年内の実施が確実視される利上げが、 米国の金融相場に終止符を打つ可能性がある。それは利上げになってから騒がれるというより、事前に織り込みに行くと予想され、足元の米国株価の地すべり現象は、その始まりだとしてもおかしくはない。
ここで重要なのは、これから本格的に来る米国株価の大幅下落は、高PERが適正な位置に修正されるためであって、米景気が下方に屈曲したわけではない、ということだ。筆者は日米ともに、(9月利上げの可能性を織り込む)8月にかけて株価が15%程度下落すると予想している。だが、そうした株価調整が済んでしまえば、日米等の経済状況には大きな悪材料がないだけに、その後の株価は再度底入れ上昇に転じると見込む。
日本国内の景気についてもう少し詳しくみると、特に変調は見当たらない。ただ、内需、特に国内の個人消費が、ベースアップやボーナス増、消費者心理の改善などに沿って、じわじわと回復している一方、円安にもかかわらず輸出数量が伸び悩んでいる。
外需より内需株、大型株より小型株が相対的に優位
このため株式の物色においては、引き続き外需企業よりも内需企業(小売、食品、サービス、日用品など)が優位となろう今週は4~6月期四半期決算の発表が佳境となるが、全般的には内需優位(外需劣位)が、企業収益面でも確認されると考える。ちなみに、ギリシャ問題は内外市場の材料として影を潜めたが、中国経済・株価の行方は予断を許さず、加えて米国株価の下落がさらに進むと見込んでいる。つまり、悪材料は海外からやってくることを意味するこうした環境下では、国内経済ではなく海外経済について不安が広がりやすく、その点でも輸出関連企業の株は買いにくいだろう。また海外株式市場の本格調整が進めば、グローバルに株式運用を行なう海外短期筋が、日本の投資環境が特に悪いわけではなくても、世界的な市場波乱を受けてリスクを避けるため、日本株の利食い売りを進める恐れがある。短期筋は主に大型株で運用するため、大型株の株価下落が懸念される。一方、こうしたマクロ的な市場波乱とは距離を置いて、独自に利益成長を遂げる小型企業については、海外長期筋が、企業実態に基づいて、丹念に拾い買いを進めている。このため、小型優位、大型劣位、という図式も継続するだろう。
このようにすべての日本株が一律に売り込まれるわけではなく、輸出株より内需株が、大型株より小型株が、相対的に値持ちがよいだろう。とは言っても、米国発の市場波乱が大きくなれば、日本株が無風で済むわけではなく、相場全般として下落は避けられないだろう。中期的な流れとしては、8月に日経平均の安値1万7000円台との見通しを、今のところ堅持する。今週(7月27日~31日)の日経平均の見通しとしては、そうした下落基調のなかにある週だと位置付け、1万9800~2万0500円のレンジを予想する。
今回、つまり第2のワナの方が悪質かもしれない。筆者が前回予想したように、米国株の本格的な下落が始まりつつあるわけだが、NYダウはすでに5月19日(火)の高値から下落基調に入っているものの、これまでは特に急落と言えるような局面が少なかった。
加えてナスダック総合指数が、全体相場に逆行し、7月20日(月)に史上最高値を更新した。このため、堅調そうな株価のうわべの動きに目を奪われて、専門家ですら誤った強気を唱え、ブルトラップにはまったようだ。このように2回目のワナは、投資家の危機感が高まらないまま、静かにじわじわと株価が滑り落ち、はっと気が付けば買い手は損失に追い込まれている、という危険な形になっている。
今週は世界の株価が一段と下落する流れの中にあるしかし当コラムの読者の方は、筆者が前回、「大揺れ船旅の次の寄港地は、ニューヨークではないか」「先週で株価調整は終わりだ、と確信するのは危険だ」と、米国発の株価調整およびそれにつれた国内株価の下落について警告を発していたので、日経平均が2万円超の水準では、買いを控えていただいている方も少なくないのではないかと思う。読者の方の投資の一助となったのであれば、これほどうれしいことはない。
何度も当コラムで述べているが、筆者が米国株価のさらなる下落を見込んでいるのは、決して米国経済が悪化するからではない。米国の主要銘柄で構成されるS&P500の直近PER(株価収益率)は17.8倍(先週ベース)と、近年のレンジである12~18倍(平均はほぼ15倍)を踏まえるとほぼ上限であり、高い。高PERが許されたのは、緩和気味の金融政策があったからで、今年内の実施が確実視される利上げが、 米国の金融相場に終止符を打つ可能性がある。それは利上げになってから騒がれるというより、事前に織り込みに行くと予想され、足元の米国株価の地すべり現象は、その始まりだとしてもおかしくはない。
ここで重要なのは、これから本格的に来る米国株価の大幅下落は、高PERが適正な位置に修正されるためであって、米景気が下方に屈曲したわけではない、ということだ。筆者は日米ともに、(9月利上げの可能性を織り込む)8月にかけて株価が15%程度下落すると予想している。だが、そうした株価調整が済んでしまえば、日米等の経済状況には大きな悪材料がないだけに、その後の株価は再度底入れ上昇に転じると見込む。
日本国内の景気についてもう少し詳しくみると、特に変調は見当たらない。ただ、内需、特に国内の個人消費が、ベースアップやボーナス増、消費者心理の改善などに沿って、じわじわと回復している一方、円安にもかかわらず輸出数量が伸び悩んでいる。
外需より内需株、大型株より小型株が相対的に優位
このため株式の物色においては、引き続き外需企業よりも内需企業(小売、食品、サービス、日用品など)が優位となろう今週は4~6月期四半期決算の発表が佳境となるが、全般的には内需優位(外需劣位)が、企業収益面でも確認されると考える。ちなみに、ギリシャ問題は内外市場の材料として影を潜めたが、中国経済・株価の行方は予断を許さず、加えて米国株価の下落がさらに進むと見込んでいる。つまり、悪材料は海外からやってくることを意味するこうした環境下では、国内経済ではなく海外経済について不安が広がりやすく、その点でも輸出関連企業の株は買いにくいだろう。また海外株式市場の本格調整が進めば、グローバルに株式運用を行なう海外短期筋が、日本の投資環境が特に悪いわけではなくても、世界的な市場波乱を受けてリスクを避けるため、日本株の利食い売りを進める恐れがある。短期筋は主に大型株で運用するため、大型株の株価下落が懸念される。一方、こうしたマクロ的な市場波乱とは距離を置いて、独自に利益成長を遂げる小型企業については、海外長期筋が、企業実態に基づいて、丹念に拾い買いを進めている。このため、小型優位、大型劣位、という図式も継続するだろう。
このようにすべての日本株が一律に売り込まれるわけではなく、輸出株より内需株が、大型株より小型株が、相対的に値持ちがよいだろう。とは言っても、米国発の市場波乱が大きくなれば、日本株が無風で済むわけではなく、相場全般として下落は避けられないだろう。中期的な流れとしては、8月に日経平均の安値1万7000円台との見通しを、今のところ堅持する。今週(7月27日~31日)の日経平均の見通しとしては、そうした下落基調のなかにある週だと位置付け、1万9800~2万0500円のレンジを予想する。