喪黒福造「これから先、投資家として生活していくというのはどうです!?」 元銀行員「じゃあ、喪黒さん……」
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:34:40.035 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
村上銀蔵(37) 元銀行員
【相場道】
ホーッホッホッホ……。」
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
村上銀蔵(37) 元銀行員
【相場道】
ホーッホッホッホ……。」
2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:35:56.168 ID:Cgfz1AY1D
夜。あるレストラン。
スーツを着た二人の男女がテーブルで食事をしている。
女性の顔の表情は笑顔だが、男性の顔の表情はどこか浮かない。
テロップ「村上銀蔵(37) 菱沼GFJ銀行 元銀行員」
村上「あの……。俺、どうしても君に言いたいことがあるんだ……」
テロップ「吉村明美 客室添乗員」
明美「何?もったいぶってないで、さっさと言ったらどう?」
村上「実は俺……。この間、菱沼GFJ銀行を……!リストラされたんだ……!!」
明美「えっ……!?」
村上「本当だよ……!!今の俺は無職なんだ……!!でも、頑張って次の就職先を見つけるつもりだ……!!」
「だから……、俺が銀行マンじゃなくなったとしても……、君は俺のことを今まで通り愛してくれるかい!?」
村上の話を聞いているうちに、明美の表情がみるみる曇っていく。
スーツを着た二人の男女がテーブルで食事をしている。
女性の顔の表情は笑顔だが、男性の顔の表情はどこか浮かない。
テロップ「村上銀蔵(37) 菱沼GFJ銀行 元銀行員」
村上「あの……。俺、どうしても君に言いたいことがあるんだ……」
テロップ「吉村明美 客室添乗員」
明美「何?もったいぶってないで、さっさと言ったらどう?」
村上「実は俺……。この間、菱沼GFJ銀行を……!リストラされたんだ……!!」
明美「えっ……!?」
村上「本当だよ……!!今の俺は無職なんだ……!!でも、頑張って次の就職先を見つけるつもりだ……!!」
「だから……、俺が銀行マンじゃなくなったとしても……、君は俺のことを今まで通り愛してくれるかい!?」
村上の話を聞いているうちに、明美の表情がみるみる曇っていく。
4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:37:23.221 ID:Cgfz1AY1D
明美「そうなんだ……。私が好きだったのは銀行員の村上さんであって、無職の村上さんではないから!」
村上「えっ!?それじゃあ……!!」
明美「私、あなたと別れることに決めた!!婚約の話もなしよ!!今までありがとう……!!」
明美は村上に向かってぶっきらぼうに言い放ち、席を立ち去る。
村上「ま……、待ってくれ!!吉村さん!!」
村上の大声で、他の各テーブルに座っている人たちがいっせいに彼を見つめる。
明美が去り、テーブルに一人いる村上は意気消沈した様子になる。
駅。プラットホームで電車を待つ人々の列。
列から離れた村上はただ一人、プラットホームの前の方に立っている。
村上の肩の上に手が置かれる。村上が振り向くと、そこには得体のしれない男――喪黒福造がいる。
喪黒「そんな所に立っていたら危ないですよ……」
村上「あなたは……」
村上「えっ!?それじゃあ……!!」
明美「私、あなたと別れることに決めた!!婚約の話もなしよ!!今までありがとう……!!」
明美は村上に向かってぶっきらぼうに言い放ち、席を立ち去る。
村上「ま……、待ってくれ!!吉村さん!!」
村上の大声で、他の各テーブルに座っている人たちがいっせいに彼を見つめる。
明美が去り、テーブルに一人いる村上は意気消沈した様子になる。
駅。プラットホームで電車を待つ人々の列。
列から離れた村上はただ一人、プラットホームの前の方に立っている。
村上の肩の上に手が置かれる。村上が振り向くと、そこには得体のしれない男――喪黒福造がいる。
喪黒「そんな所に立っていたら危ないですよ……」
村上「あなたは……」
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:38:46.789 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「まさか、あなた……。電車に飛び込んで死のうとでも考えていたんですか……!?」
村上「う、うう……!!」
喪黒「なるほど……。否定しないのですか……。どうやら、あなたは嘘がつけないお方のようですね」
「ですが……、そのせいであなたは生き辛い思いをしているでしょうな……。違いますか!?」
村上「あああ……!!」
村上は地べたに座り込み、泣き崩れる。プラットホームにいる人々は、村上と喪黒を見つめる。
喪黒「よろしかったら、私が相談に乗りましょうか!?あなたのために……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
BAR「魔の巣」。喪黒と村上が席に腰掛けている。
喪黒「ほう……、村上さんは菱沼GFJ銀行の行員なのですか。なかなかのエリートですなぁ……」
村上「……正確には、菱沼GFJ銀行の『元』行員……。銀行員『だった』と言った方がいいでしょうね」
喪黒「つまり、あなたは何かの事情があって銀行をお辞めになったのですか?」
村上「リストラされたんですよ」
村上「う、うう……!!」
喪黒「なるほど……。否定しないのですか……。どうやら、あなたは嘘がつけないお方のようですね」
「ですが……、そのせいであなたは生き辛い思いをしているでしょうな……。違いますか!?」
村上「あああ……!!」
村上は地べたに座り込み、泣き崩れる。プラットホームにいる人々は、村上と喪黒を見つめる。
喪黒「よろしかったら、私が相談に乗りましょうか!?あなたのために……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
BAR「魔の巣」。喪黒と村上が席に腰掛けている。
喪黒「ほう……、村上さんは菱沼GFJ銀行の行員なのですか。なかなかのエリートですなぁ……」
村上「……正確には、菱沼GFJ銀行の『元』行員……。銀行員『だった』と言った方がいいでしょうね」
喪黒「つまり、あなたは何かの事情があって銀行をお辞めになったのですか?」
村上「リストラされたんですよ」
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:40:36.460 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「大銀行によるリストラですか!?日経平均が好調で、メガバンクの業績も安定しているのになぜ……」
村上「実はですね……。最近、メガバンクではAIの導入による業務削減が進められているんです」
「私が勤めていた菱沼GFJ銀行も例外ではありませんでした……」
喪黒「つまり、最近流行りのAI導入によるリストラというわけですか」
村上「そうです。でも、私が首を切られたのはそれだけではありません」
喪黒「……と言うと!?」
村上「私が無能だったから……。銀行員に向いていなかったから……。それに尽きます」
喪黒「まあまあ……。あまり自分を責めるべきではありませんよ」
村上「ほら……、喪黒さんが駅で私におっしゃっていましたよね?私は嘘がつけない人間だと……」
「その性格が銀行員の仕事に向いていなかったんですよ」
喪黒「銀行員は堅実な職業だから、誠実な性格のお人の方が向いているでしょうに……」
村上「それは、建前の話ですよ」
「実際は……。良心の呵責を捨てて、嘘を重ねることによって銀行員の仕事は成り立っているんです」
「お人よしの顧客の前で美辞麗句を並べて、ハイリスク・ハイリターンの金融商品を売りつける……」
「それが現実の銀行員の仕事なんです」
村上「実はですね……。最近、メガバンクではAIの導入による業務削減が進められているんです」
「私が勤めていた菱沼GFJ銀行も例外ではありませんでした……」
喪黒「つまり、最近流行りのAI導入によるリストラというわけですか」
村上「そうです。でも、私が首を切られたのはそれだけではありません」
喪黒「……と言うと!?」
村上「私が無能だったから……。銀行員に向いていなかったから……。それに尽きます」
喪黒「まあまあ……。あまり自分を責めるべきではありませんよ」
村上「ほら……、喪黒さんが駅で私におっしゃっていましたよね?私は嘘がつけない人間だと……」
「その性格が銀行員の仕事に向いていなかったんですよ」
喪黒「銀行員は堅実な職業だから、誠実な性格のお人の方が向いているでしょうに……」
村上「それは、建前の話ですよ」
「実際は……。良心の呵責を捨てて、嘘を重ねることによって銀行員の仕事は成り立っているんです」
「お人よしの顧客の前で美辞麗句を並べて、ハイリスク・ハイリターンの金融商品を売りつける……」
「それが現実の銀行員の仕事なんです」
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7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:42:23.061 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「でも、村上さんは嘘がつけないお方ですからねぇ……」
村上「はい。人を疑うことを知らない主婦や老人を騙して、危なっかしい金融商品を売るなんて……」
「お客様に申し訳ないという気持ちで胸がいっぱいになりますよ!!」
喪黒「あなたのお気持ち、よーく分かりますよ……。正直者で実に何より……」
「ですが……、その性格のおかげで世渡りに不自由な思いをしてきたでしょうなぁ……」
村上「ええ……。仕事の面だけではありません……。恋愛でも、その性格が災いしました」
「私には、婚約を前提に付き合っている彼女がいましたけど……」
「今日、私は彼女に今の自分が置かれている立場を正直に話したんです」
「『この間、菱沼GFJ銀行をリストラされたんだ』……と」
喪黒「当然、あなたは彼女にフラれたでしょうなぁ……」
村上「言うまでもありませんよ」
「嘘がつけない性格のおかげで世渡りができず、その結果、仕事も彼女も失った……」
「まさに悲惨のどん底以外の何ものでもありません!!」
喪黒「なるほど……。今の村上さんの境遇は実に気の毒なようですなぁ……」
「だからこそ、私があなたを立ち直らせるために何かアドバイスができればいいのですがねぇ……」
村上「立ち直ることができれば、それに越したことはありませんよ……」
「でも……、失ったものが大きすぎて……」
村上「はい。人を疑うことを知らない主婦や老人を騙して、危なっかしい金融商品を売るなんて……」
「お客様に申し訳ないという気持ちで胸がいっぱいになりますよ!!」
喪黒「あなたのお気持ち、よーく分かりますよ……。正直者で実に何より……」
「ですが……、その性格のおかげで世渡りに不自由な思いをしてきたでしょうなぁ……」
村上「ええ……。仕事の面だけではありません……。恋愛でも、その性格が災いしました」
「私には、婚約を前提に付き合っている彼女がいましたけど……」
「今日、私は彼女に今の自分が置かれている立場を正直に話したんです」
「『この間、菱沼GFJ銀行をリストラされたんだ』……と」
喪黒「当然、あなたは彼女にフラれたでしょうなぁ……」
村上「言うまでもありませんよ」
「嘘がつけない性格のおかげで世渡りができず、その結果、仕事も彼女も失った……」
「まさに悲惨のどん底以外の何ものでもありません!!」
喪黒「なるほど……。今の村上さんの境遇は実に気の毒なようですなぁ……」
「だからこそ、私があなたを立ち直らせるために何かアドバイスができればいいのですがねぇ……」
村上「立ち直ることができれば、それに越したことはありませんよ……」
「でも……、失ったものが大きすぎて……」
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:44:47.880 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「新しい仕事を見つけ、新しい人生の目標と興味を見つける……」
「そうすることで……。あなたは立ち直ることができるかもしれませんが……」
村上「それができれば苦労しませんよ!!」
喪黒「ならば……、これから先、投資家として生活していくというのはどうです!?」
「元銀行員のあなたなら、ある程度、経済に関する知識はあるでしょうし……」
「それに、財テクは知的な趣味でもあるから、いったん興味を持つと深入りしやすいものです」
村上「じゃあ、喪黒さん……。私は投資家になるべきとでも……」
喪黒「そうです。自分の得意な分野を仕事とし、自分の趣味を生活に生かす……」
「そうすることにより……、仕事と彼女を失ったあなたは立ち直ることができるはずです!!」
村上「ですがね……。マネーゲームってのは、一歩間違えれば自分の身を滅ぼすことにもなりかねませんよ……」
喪黒「大丈夫です!あなたならきっとうまくいきます!そのために、いいものがありますから……」
喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上に置かれたのは、両側にひもの付いた銅銭だ。
銅銭には「永楽通宝」の文字が書かれている。
村上「これは……!?」
喪黒「永楽通宝の眼帯ですよ。この永楽銭は本物です」
「そうすることで……。あなたは立ち直ることができるかもしれませんが……」
村上「それができれば苦労しませんよ!!」
喪黒「ならば……、これから先、投資家として生活していくというのはどうです!?」
「元銀行員のあなたなら、ある程度、経済に関する知識はあるでしょうし……」
「それに、財テクは知的な趣味でもあるから、いったん興味を持つと深入りしやすいものです」
村上「じゃあ、喪黒さん……。私は投資家になるべきとでも……」
喪黒「そうです。自分の得意な分野を仕事とし、自分の趣味を生活に生かす……」
「そうすることにより……、仕事と彼女を失ったあなたは立ち直ることができるはずです!!」
村上「ですがね……。マネーゲームってのは、一歩間違えれば自分の身を滅ぼすことにもなりかねませんよ……」
喪黒「大丈夫です!あなたならきっとうまくいきます!そのために、いいものがありますから……」
喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上に置かれたのは、両側にひもの付いた銅銭だ。
銅銭には「永楽通宝」の文字が書かれている。
村上「これは……!?」
喪黒「永楽通宝の眼帯ですよ。この永楽銭は本物です」
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:46:48.992 ID:Cgfz1AY1D
村上「永楽通宝……。明王朝のころ永楽帝によって鋳造された銅銭……」
「日明貿易や倭寇によって輸入され……、長い間、日本の通商や年貢の取り立てで使われていたあの……」
喪黒「そうです」
村上「なるほど……。投資家になる私への、お守り代わりというわけですか」
喪黒「それだけではありません……。この眼帯には特殊な効果があります」
村上「どういうことなんです!?」
喪黒「これを使用すれば、あなたは生活に困らない程度のお金に恵まれるようになります」
「それにこの眼帯には、誰よりも勘が鋭くなる効果もあるのです」
村上「その話、本当ですか……!?」 村上は半信半疑な様子で笑みを浮かべる。
喪黒「本当ですよ。これは私からあなたへのプレゼントです」
村上「面白いことをおっしゃりますね……。じゃあ、騙されたと思って……」
喪黒「いやぁ、どうも……」
翌日。東京競馬場。観客席には競馬ファンたちが大勢集まっている。観客の中には村上銀蔵の姿もある。
喪黒から貰った永楽通宝の眼帯を顔につけた村上。彼の右目は眼帯で隠されている。
村上の右手には競馬の出走表が握られている。
「日明貿易や倭寇によって輸入され……、長い間、日本の通商や年貢の取り立てで使われていたあの……」
喪黒「そうです」
村上「なるほど……。投資家になる私への、お守り代わりというわけですか」
喪黒「それだけではありません……。この眼帯には特殊な効果があります」
村上「どういうことなんです!?」
喪黒「これを使用すれば、あなたは生活に困らない程度のお金に恵まれるようになります」
「それにこの眼帯には、誰よりも勘が鋭くなる効果もあるのです」
村上「その話、本当ですか……!?」 村上は半信半疑な様子で笑みを浮かべる。
喪黒「本当ですよ。これは私からあなたへのプレゼントです」
村上「面白いことをおっしゃりますね……。じゃあ、騙されたと思って……」
喪黒「いやぁ、どうも……」
翌日。東京競馬場。観客席には競馬ファンたちが大勢集まっている。観客の中には村上銀蔵の姿もある。
喪黒から貰った永楽通宝の眼帯を顔につけた村上。彼の右目は眼帯で隠されている。
村上の右手には競馬の出走表が握られている。
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:49:10.446 ID:Cgfz1AY1D
村上(俺は競馬の知識が全くない初心者……)
(だが……。今回のレースでどの馬が勝つのか、なぜか分かるような気がする……)
競馬のレースが始まる。食い入るような表情で、競走馬たちを見つめる村上。
実況「1着はビッグバンファントム!!2着はワンドエース!!これは大穴です……!!」
観客たち「ちくしょぉおお!!よりによってテイオウオペラオーが3着かよ……!!」
「すげえ番狂わせだ……!!このレース当てた奴、儲けただろうな……!!」
村上(あ……、当たった……!!こんなことが……!!)
競馬場を後にする村上。彼はいつの間にか、顔から永楽通宝の眼帯を外している。
村上の頭の中に、前日の喪黒の声が思い浮かぶ。
(喪黒「これを使用すれば、あなたは生活に困らない程度のお金に恵まれるようになります」
「それにこの眼帯には、誰よりも勘が鋭くなる効果もあるのです」)
村上(あの眼帯の効果は……、本物だったのか……!!)
立ち止り、決意する村上。
村上(眼帯の効果が本物ならば……、やるべきことは一つ……!!)
(競馬で手に入れた金は、投資をやるための元手にしよう……!!俺は投資家になるんだ!!)
(だが……。今回のレースでどの馬が勝つのか、なぜか分かるような気がする……)
競馬のレースが始まる。食い入るような表情で、競走馬たちを見つめる村上。
実況「1着はビッグバンファントム!!2着はワンドエース!!これは大穴です……!!」
観客たち「ちくしょぉおお!!よりによってテイオウオペラオーが3着かよ……!!」
「すげえ番狂わせだ……!!このレース当てた奴、儲けただろうな……!!」
村上(あ……、当たった……!!こんなことが……!!)
競馬場を後にする村上。彼はいつの間にか、顔から永楽通宝の眼帯を外している。
村上の頭の中に、前日の喪黒の声が思い浮かぶ。
(喪黒「これを使用すれば、あなたは生活に困らない程度のお金に恵まれるようになります」
「それにこの眼帯には、誰よりも勘が鋭くなる効果もあるのです」)
村上(あの眼帯の効果は……、本物だったのか……!!)
立ち止り、決意する村上。
村上(眼帯の効果が本物ならば……、やるべきことは一つ……!!)
(競馬で手に入れた金は、投資をやるための元手にしよう……!!俺は投資家になるんだ!!)
12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:51:44.143 ID:Cgfz1AY1D
野島証券。顔に眼帯をつけた村上は、窓口の女性と話をしている。
女性「では、村上様……。羽島建設の株を購入なさるということで、よろしいのですね!?」
村上「ああ……!!」
村上が住むアパート。部屋の中で、彼はパソコンに向かい合っている。
パソコンの画面にはFXのチャートが映っており、各国の為替の動きが示されている。
例の如く、村上の顔には永楽通宝の眼帯がはめられている。
ある街の図書館。図書館の中で、村上は分厚い哲学書を手にする。
本の表紙には『推測と反駁 カール・ポパー』と書かれている。
村上(伝説の投資家ジョージ・ソロスが、師とあがめている科学哲学者カール・ポパー……)
(ソロスにならって、俺もポパーからじっくり学んでみるか……)
図書館内で、ポパーの哲学書を読み込む村上。村上の顔つきは自信とやる気に見ている。
彼の表情は、リストラと失恋で意気消沈していたころとは全く別人のようだ。
女性「では、村上様……。羽島建設の株を購入なさるということで、よろしいのですね!?」
村上「ああ……!!」
村上が住むアパート。部屋の中で、彼はパソコンに向かい合っている。
パソコンの画面にはFXのチャートが映っており、各国の為替の動きが示されている。
例の如く、村上の顔には永楽通宝の眼帯がはめられている。
ある街の図書館。図書館の中で、村上は分厚い哲学書を手にする。
本の表紙には『推測と反駁 カール・ポパー』と書かれている。
村上(伝説の投資家ジョージ・ソロスが、師とあがめている科学哲学者カール・ポパー……)
(ソロスにならって、俺もポパーからじっくり学んでみるか……)
図書館内で、ポパーの哲学書を読み込む村上。村上の顔つきは自信とやる気に見ている。
彼の表情は、リストラと失恋で意気消沈していたころとは全く別人のようだ。
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:53:52.242 ID:Cgfz1AY1D
BAR「魔の巣」。喪黒と村上が席に腰掛けている。
喪黒「どうです、村上さん?あなた、投資家としてうまくいっているでしょう?」
村上「ええ、まあ……。儲けることもあれば、損をすることもあるけど……」
「トータルの取引では利益を得ていますし、生活に困ることはありません」
喪黒「よかったですなぁ、村上さん」
村上「喪黒さんからいただいた眼帯の効果は……、本物でした。ありがとうございます」
喪黒「村上さんにこうやって感謝されて、誠に恐縮です……」
「あなたのような誠実なお方が、幸せな人生を送ることができれば何よりですよ」
村上「まあ……。一人でコツコツと投資生活を行っていますから……」
「銀行員の時のように、仕事で顧客に嘘をつかなければならないという辛さはありません」
「自分の心の声や直感を信じ、自分に正直に生きることができる。今の生活は本当に充実しています」
喪黒「村上さん……。あなたの今の生き方が続くのならば、何も心配はいりません」
「自分や他人に嘘をつかず、正直な生き方をしていればこの眼帯はいい効果を発揮します」
「ですが……、自分や他人に嘘をついたり、不実な生き方をしていれば負の効果をもたらしますよ」
村上「そうですか……」
喪黒「約束してください。自分や他人に嘘をつくような生き方をしてはいけませんよ」
村上「わ、分かりました。喪黒さん……」
喪黒「どうです、村上さん?あなた、投資家としてうまくいっているでしょう?」
村上「ええ、まあ……。儲けることもあれば、損をすることもあるけど……」
「トータルの取引では利益を得ていますし、生活に困ることはありません」
喪黒「よかったですなぁ、村上さん」
村上「喪黒さんからいただいた眼帯の効果は……、本物でした。ありがとうございます」
喪黒「村上さんにこうやって感謝されて、誠に恐縮です……」
「あなたのような誠実なお方が、幸せな人生を送ることができれば何よりですよ」
村上「まあ……。一人でコツコツと投資生活を行っていますから……」
「銀行員の時のように、仕事で顧客に嘘をつかなければならないという辛さはありません」
「自分の心の声や直感を信じ、自分に正直に生きることができる。今の生活は本当に充実しています」
喪黒「村上さん……。あなたの今の生き方が続くのならば、何も心配はいりません」
「自分や他人に嘘をつかず、正直な生き方をしていればこの眼帯はいい効果を発揮します」
「ですが……、自分や他人に嘘をついたり、不実な生き方をしていれば負の効果をもたらしますよ」
村上「そうですか……」
喪黒「約束してください。自分や他人に嘘をつくような生き方をしてはいけませんよ」
村上「わ、分かりました。喪黒さん……」
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:56:17.823 ID:Cgfz1AY1D
アパート。部屋の中で、パソコンのチャート画面に向かい合う村上。
村上の顔には永楽通宝の眼帯が装着されている。
村上(よし……!!為替の動きは俺の読み通りだ……!!)
(おかげで、俺は唸るような大金を手にすることができる!!銀行員の時以上のな……!!)
証券会社。例の眼帯をつけた村上が、窓口の女性と話をする。
女性「では、村上様……。武井製薬の株を購入なさるということで、よろしいのですね!?」
村上「そうです……!!」
数日後の朝。喫茶店で経済新聞を読む村上。
彼がいる机の上には、朝食セットとコーヒーが置かれている。
村上が読んでいる経済新聞の見出しにはこうある。
新聞「武井製薬、がん治療の新薬開発」
村上(やった……!!これで、俺が持っていた株は間違いなく値上がりするぞ……!!)
村上の顔には永楽通宝の眼帯が装着されている。
村上(よし……!!為替の動きは俺の読み通りだ……!!)
(おかげで、俺は唸るような大金を手にすることができる!!銀行員の時以上のな……!!)
証券会社。例の眼帯をつけた村上が、窓口の女性と話をする。
女性「では、村上様……。武井製薬の株を購入なさるということで、よろしいのですね!?」
村上「そうです……!!」
数日後の朝。喫茶店で経済新聞を読む村上。
彼がいる机の上には、朝食セットとコーヒーが置かれている。
村上が読んでいる経済新聞の見出しにはこうある。
新聞「武井製薬、がん治療の新薬開発」
村上(やった……!!これで、俺が持っていた株は間違いなく値上がりするぞ……!!)
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 19:58:21.803 ID:Cgfz1AY1D
東京、ビジネス街。高層ビルの上の階に、あるオフィスがある。
事務所の中では、女性秘書を従えた村上が机に向かっている。
村上が身につけているスーツ、腕時計、革靴は以前とは比べ物にならないほど立派なものだ。
そして、村上の顔には当然ながら永楽通宝の眼帯が装着されている。
デスクの上の受話器を取り、電話をしている村上。
村上の通話相手をしているのは、小金持ちの家の主婦のようだ。
主婦「今月の配当、無事受け取ることができました。ありがとうございます」
村上「どういたしまして」
主婦「さすがは村上さん……。新進気鋭のディーラーと呼ばれているだけのことはありますね」
ある会社。社長室で、村上は社長と会話している。
社長「村上さん、実はうちの会社の資金の運用を頼みたいのですが……」
村上「ええ、喜んで……」
事務所の中では、女性秘書を従えた村上が机に向かっている。
村上が身につけているスーツ、腕時計、革靴は以前とは比べ物にならないほど立派なものだ。
そして、村上の顔には当然ながら永楽通宝の眼帯が装着されている。
デスクの上の受話器を取り、電話をしている村上。
村上の通話相手をしているのは、小金持ちの家の主婦のようだ。
主婦「今月の配当、無事受け取ることができました。ありがとうございます」
村上「どういたしまして」
主婦「さすがは村上さん……。新進気鋭のディーラーと呼ばれているだけのことはありますね」
ある会社。社長室で、村上は社長と会話している。
社長「村上さん、実はうちの会社の資金の運用を頼みたいのですが……」
村上「ええ、喜んで……」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:00:28.750 ID:Cgfz1AY1D
事務所を開き、個人向けの投資顧問となった村上。彼は仕事で着実に成果を上げていく。
裕福そうな老人と握手をする村上。事務所で、机の上にある複数のパソコンの画面を見つめる村上。
金持ち向けのパーティーに参加する村上。永楽通宝の眼帯をつけた村上の表情は自信に充ち溢れている。
しかし、ある日の夜。高級マンション。ここはプロのディーラーとなった村上が住んでいる場所だ。
風呂から上がった彼は、ガウンを身にまとっている。右手にリモコンを持ち、液晶テレビをつける村上。
テレビ「ニュースをお伝えします」
「大手鉄鋼メーカーの兵庫製鋼が、長期に渡りデータを改ざんしていたことが明らかとなりました」
淡々とニュースを伝えるアナウンサーとは対照的に、村上の表情はみるみる蒼白なものとなっていく。
村上「何てことだ……!!日本国内のありとあらゆる企業が、兵庫製鋼に仕事を受注しているんだぞ……!!」
「このニュースが本当なら……、明日の株式市場は大荒れ……!!日経平均の大幅下落は確実……!!」
「だが、それだけじゃない……!!俺が保有している株式の大半も打撃を受ける……!!」
1週間後。事務所内で会話をする村上と女性秘書。村上の顔には眼帯がついている。
秘書「兵庫製鋼のデータ改ざんによる、今回の投資の損失は思った以上に深刻です……!!」
「このままでは、顧客への配当金の支払いが滞るのは確実ですよ!!」
村上「分かっているさ!!だがな……、俺は投資では今までトータルで勝ってきたんだ!!」
「だから、今回の危機も絶対乗り切ってやるさ!!」
裕福そうな老人と握手をする村上。事務所で、机の上にある複数のパソコンの画面を見つめる村上。
金持ち向けのパーティーに参加する村上。永楽通宝の眼帯をつけた村上の表情は自信に充ち溢れている。
しかし、ある日の夜。高級マンション。ここはプロのディーラーとなった村上が住んでいる場所だ。
風呂から上がった彼は、ガウンを身にまとっている。右手にリモコンを持ち、液晶テレビをつける村上。
テレビ「ニュースをお伝えします」
「大手鉄鋼メーカーの兵庫製鋼が、長期に渡りデータを改ざんしていたことが明らかとなりました」
淡々とニュースを伝えるアナウンサーとは対照的に、村上の表情はみるみる蒼白なものとなっていく。
村上「何てことだ……!!日本国内のありとあらゆる企業が、兵庫製鋼に仕事を受注しているんだぞ……!!」
「このニュースが本当なら……、明日の株式市場は大荒れ……!!日経平均の大幅下落は確実……!!」
「だが、それだけじゃない……!!俺が保有している株式の大半も打撃を受ける……!!」
1週間後。事務所内で会話をする村上と女性秘書。村上の顔には眼帯がついている。
秘書「兵庫製鋼のデータ改ざんによる、今回の投資の損失は思った以上に深刻です……!!」
「このままでは、顧客への配当金の支払いが滞るのは確実ですよ!!」
村上「分かっているさ!!だがな……、俺は投資では今までトータルで勝ってきたんだ!!」
「だから、今回の危機も絶対乗り切ってやるさ!!」
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:03:36.392 ID:Cgfz1AY1D
ある会社に出向く村上。彼は会社社長と面会する。
村上「宮沢社長……。よろしかったら……、私に資金を預けてみませんか!?」
事務所。一人で机に向かう村上。彼の顔には例の眼帯が装着されている。
村上(相変わらず、今の俺は火の車……。新規の顧客を獲得し……、その金で前の顧客の配当金を払うことができた)
(だが……、資金運用で損失を取り戻すことができるかどうかは微妙だ……)
(いや、取り戻して見せる!!国内市場で損をしても、FXで利益を出せば損失は取り返せるからな……)
事務所のインターホンが鳴る。村上の事務所を訪れたのは喪黒福造だ。
村上「久しぶりですね、喪黒さん。こうやって事務所を持つことができたのも、あなたのおかげ……」
喪黒「ねぇ、村上さん。個人投資家としてささやかな利益に満足する生活を続けていれば、よかったでしょうに……」
「プロのディーラーだと、ハイリスク・ハイリターンで下手をすれば大損しかねませんよ……」
村上「私にも欲があります!!投資で儲けまくり、知識も豊富になったからこそ、プロのディーラーになれたんですよ!!」
喪黒「確かにあの眼帯は……。生活に困らない程度のお金に恵まれる効果がありますし、勘が鋭くなる効果もあります」
「ですがね……。マネーゲームで連戦連勝して負け知らずになる効果があるわけではありませんよ」
村上「でも、私はプロのディーラーとして勝ってきたし、今も儲けていますから……!!」
喪黒「村上銀蔵さん……。どうやらあなた、私との約束を破ったようですね!」
村上「なっ……!?」
村上「宮沢社長……。よろしかったら……、私に資金を預けてみませんか!?」
事務所。一人で机に向かう村上。彼の顔には例の眼帯が装着されている。
村上(相変わらず、今の俺は火の車……。新規の顧客を獲得し……、その金で前の顧客の配当金を払うことができた)
(だが……、資金運用で損失を取り戻すことができるかどうかは微妙だ……)
(いや、取り戻して見せる!!国内市場で損をしても、FXで利益を出せば損失は取り返せるからな……)
事務所のインターホンが鳴る。村上の事務所を訪れたのは喪黒福造だ。
村上「久しぶりですね、喪黒さん。こうやって事務所を持つことができたのも、あなたのおかげ……」
喪黒「ねぇ、村上さん。個人投資家としてささやかな利益に満足する生活を続けていれば、よかったでしょうに……」
「プロのディーラーだと、ハイリスク・ハイリターンで下手をすれば大損しかねませんよ……」
村上「私にも欲があります!!投資で儲けまくり、知識も豊富になったからこそ、プロのディーラーになれたんですよ!!」
喪黒「確かにあの眼帯は……。生活に困らない程度のお金に恵まれる効果がありますし、勘が鋭くなる効果もあります」
「ですがね……。マネーゲームで連戦連勝して負け知らずになる効果があるわけではありませんよ」
村上「でも、私はプロのディーラーとして勝ってきたし、今も儲けていますから……!!」
喪黒「村上銀蔵さん……。どうやらあなた、私との約束を破ったようですね!」
村上「なっ……!?」
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:07:00.591 ID:Cgfz1AY1D
喪黒「私は忠告したはずです。自分や他人に嘘をつくような生き方をしてはいけない……と」
「ですが……、今のあなたはどうです!?顧客に対し、確実に儲けることができると言っておきながら……」
「株式投資で大損をしてしまい、配当金を払うことさえ危うくなっているでしょう!!」
村上「仕方ないでしょう!!まさか、兵庫製鋼がデータを改ざんしているなんて夢にも思いませんよ!!」
喪黒「それだけではありません。今のあなたは、配当金を払うあてがないまま新規の顧客を獲得しようとしましたね!!」
村上「あ……、後で資金運用で利益を上げれば乗り切れますから……!!何とかなりますって!!」
喪黒「そうですか……。あくまでも自分の嘘をこのまま貫き通すおつもりですか……」
「約束を破った以上……、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒は村上に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーーン!!!」
村上「ギャアアアアアアアアアアアア!!!」
喪黒のドーンを受けるとともに、村上が顔に装着していた永楽通宝の眼帯が真っ二つに割れる。
喪黒のドーンを受け、呆けた表情で一人いる村上。あわただしく事務所に入ってくる女性秘書。
秘書「た、大変です……!!米中の貿易摩擦の影響で……、ニューヨークの株式市場が……!!」
「ですが……、今のあなたはどうです!?顧客に対し、確実に儲けることができると言っておきながら……」
「株式投資で大損をしてしまい、配当金を払うことさえ危うくなっているでしょう!!」
村上「仕方ないでしょう!!まさか、兵庫製鋼がデータを改ざんしているなんて夢にも思いませんよ!!」
喪黒「それだけではありません。今のあなたは、配当金を払うあてがないまま新規の顧客を獲得しようとしましたね!!」
村上「あ……、後で資金運用で利益を上げれば乗り切れますから……!!何とかなりますって!!」
喪黒「そうですか……。あくまでも自分の嘘をこのまま貫き通すおつもりですか……」
「約束を破った以上……、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒は村上に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーーン!!!」
村上「ギャアアアアアアアアアアアア!!!」
喪黒のドーンを受けるとともに、村上が顔に装着していた永楽通宝の眼帯が真っ二つに割れる。
喪黒のドーンを受け、呆けた表情で一人いる村上。あわただしく事務所に入ってくる女性秘書。
秘書「た、大変です……!!米中の貿易摩擦の影響で……、ニューヨークの株式市場が……!!」
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/08/03(金) 20:11:06.362 ID:Cgfz1AY1D
パソコンのモニターを見る村上と女性秘書。FXのチャート画面のグラフは大幅に値を下げている。
村上「お……、おしまいだ!!事務所の運用資金も……、俺の全財産も……、何もかもがカラッケツになってしまった!!」
頭を抱え込む村上と、深刻そうな表情で彼を見つめる女性秘書。
男たちの声「よぉ、村上さん!?たいそう困っているようだなぁ!?」
いつの間にか事務所の中に入ってきた複数の男たち。彼らは村上と女性秘書の周辺を取り囲む。
男たちは高そうなスーツを着ているが、ガラが悪そうな顔つきをしている。どう見ても、彼らはカタギの人間ではない。
ヤクザA「なぁ村上さん……。確かあんた……、うちの組の資金も運用していたんだよなぁ……」
ヤクザB「村上さん……。ちょっと組の事務所まで一緒に来て貰おうか……。なぁに……、いろいろ話が聞きたいからよぉ!!」
ヤクザたちに取り囲まれ、驚愕と恐怖のあまり絶望の表情になる村上と女性秘書。
ビジネス街にいる喪黒。ビル群には村上の事務所が入った高層ビルも見える。
喪黒「私たちは市場経済のもとで暮らしていますし、株式市場なくして市場経済は成り立たないものです」
「人間という生き物に何かしら欲がある以上、金が金を生む投資の世界に魅力を感じるのは当然でしょう」
「しかしながら、マネーゲームの世界はハイリスク・ハイリターンであり、一歩間違えれば破滅もあり得ます」
「欲望と熱狂にどっぷり溺れこむと、自分や周りが見えなくなって暴走してしまう……、それが人間の性です」
「結局のところ……。誠実で身の丈に合った人生こそが、人間に一番向いている生き方なのもしれませんねぇ」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
村上「お……、おしまいだ!!事務所の運用資金も……、俺の全財産も……、何もかもがカラッケツになってしまった!!」
頭を抱え込む村上と、深刻そうな表情で彼を見つめる女性秘書。
男たちの声「よぉ、村上さん!?たいそう困っているようだなぁ!?」
いつの間にか事務所の中に入ってきた複数の男たち。彼らは村上と女性秘書の周辺を取り囲む。
男たちは高そうなスーツを着ているが、ガラが悪そうな顔つきをしている。どう見ても、彼らはカタギの人間ではない。
ヤクザA「なぁ村上さん……。確かあんた……、うちの組の資金も運用していたんだよなぁ……」
ヤクザB「村上さん……。ちょっと組の事務所まで一緒に来て貰おうか……。なぁに……、いろいろ話が聞きたいからよぉ!!」
ヤクザたちに取り囲まれ、驚愕と恐怖のあまり絶望の表情になる村上と女性秘書。
ビジネス街にいる喪黒。ビル群には村上の事務所が入った高層ビルも見える。
喪黒「私たちは市場経済のもとで暮らしていますし、株式市場なくして市場経済は成り立たないものです」
「人間という生き物に何かしら欲がある以上、金が金を生む投資の世界に魅力を感じるのは当然でしょう」
「しかしながら、マネーゲームの世界はハイリスク・ハイリターンであり、一歩間違えれば破滅もあり得ます」
「欲望と熱狂にどっぷり溺れこむと、自分や周りが見えなくなって暴走してしまう……、それが人間の性です」
「結局のところ……。誠実で身の丈に合った人生こそが、人間に一番向いている生き方なのもしれませんねぇ」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
引用元: https://www.logsoku.com/r/2ch.sc/news4vip/1533292480/