1: 田杉山脈 ★ 2020/08/04(火) 21:00:34.49 ID:CAP_USER
日本から出る予定がなければ、「円資産があるから海外資産は不要」だと考える方は少なくありません。今回は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社・グローバル資産形成研究所所長の加藤航介氏が、諸外国と比較しながら、「生活の基盤と金融資産の投資先を分ける」必要性について解説します。
今までのマインド・セット:生活の基盤と、金融資産の投資先を一致させる
新しいマインド・セット:生活の基盤と、金融資産の投資先を分ける
海外投資について、「私は一生、日本に住み続けるので外貨預金や海外への投資は必要ない」という声をよく聞きます。
私は世界3ヵ国に住み、約30ヵ国で仕事をしてきましたが、日本は、治安、おもてなし、健康・長寿、文化、インフラなどの点で、世界に比較して大変素晴らしい国です。
世界の多くの国では他国への移住を望む方が多くいますが(たとえば、私の友人の韓国人、インド人、中国人などはアメリカやカナダに移住しました)、日本では自国で一生生活の基盤を築きたいと思っている方が多いのではないかと感じます。
「自分の生活の基盤と金融資産の保有・投資先を一致させる」という考えは、とてもシンプルでわかりやすいといえます。その考えで人生を過ごしている代表的な人々は、アメリカ人です。アメリカ人の多くは生涯を自国で暮らし、アメリカ株とアメリカ国債という自国の金融資産への投資のみで人生を送ることが一般的です。
近年、急成長してきた”FAANG”*1といわれる巨大IT企業は全てアメリカの上場企業であり、アメリカのみならず、世界中で利益を得ています。アメリカ国債や米ドルは、世界最強の軍事力に守られた世界でもっとも安全な資産だといえます。
*1…Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Googleの頭文字を取った造語
かつてのヨーロッパ貴族や昭和の日本を振り返る さて、アメリカと正反対の考えをもっているのが、ヨーロッパの富裕層です。かつてのヨーロッパ貴族は、一族の資産や子供の教育を自国外へ分散させる知恵をもっていました。ロスチャイルド家が、一族の五人の息子をフランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリに別々に送り出した話などが有名でしょう。
これらは、自国が戦争に負けるなどの万が一の時に、財産を失ってしまうリスクへ備えるための、資産家たちの知恵でした。「たまごを一つの殻に入れるな」という分散投資の発想です。
そして、現代でもヨーロッパの人々や、自国の経済や政治が不安定な新興国の人々は、かつてのヨーロッパ貴族の知恵を参考にしているように見えます。
ヨーロッパでは、すでに地域通貨の「ユーロ」が生活通貨になっており、普通に銀行預金をするだけで、複数国へ外国預金をしている環境となっています。また、特にインフレ率が高く、自国通貨資産の価値が下落しやすい新興国では、米ドルやユーロなどの世界の主要通貨で資産形成を組み立てるのが一般的です。これらはアメリカ人の考えとは正反対であり、彼らは、自分の生活の基盤がある場所と、金融資産の投資先を同じにしないのです。
2つの考え方は、それぞれ一理あるように思えますが、どちらが正しいのでしょうか?
その答えは「自国の経済環境と、時代によって正解は異なる」と考えます。過去の日本の例で考えてみましょう。
昭和の日本経済は世界と比べより高い成長を遂げ、株や土地の価格も大きく上昇しました。また為替も、1米ドル360円から200円、100円と強くなりました。その結果、日本人の給料や円資産は、世界基準(米ドルなど)で飛躍的に上昇することになりました。
かつての日本人の豊かさは、海外旅行、ドイツ車やフランス製革製品の購入などに現れていたと思います。このような時代において、生活基盤と金融資産の投資先を揃えるのは大正解の選択だったといえます。
一方、平成の時代では、日本と世界の経済成長率は逆転し、日本人の給料の伸び率が世界に大きく見劣りする30年が続きました。為替は平成の始まりと終わりで1米ドル100円前半と、ほぼ横ばいの水準にとどまったものの、日本人の世界基準で見た豊かさは少しずつ低下したことになります。
また、この期間の日本資産の利回りも、海外と比較して大きく見劣りしました。たとえば、平成時代の日本株式(TOPIX)がほぼ横ばいのなか、同期間の世界株式指数(MSCI World Index)は世界経済の堅調な成長を背景に大きく上昇しています。 以下ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/da026161a878dae59fcfcb15960fd88f983fe861
今までのマインド・セット:生活の基盤と、金融資産の投資先を一致させる
新しいマインド・セット:生活の基盤と、金融資産の投資先を分ける
海外投資について、「私は一生、日本に住み続けるので外貨預金や海外への投資は必要ない」という声をよく聞きます。
私は世界3ヵ国に住み、約30ヵ国で仕事をしてきましたが、日本は、治安、おもてなし、健康・長寿、文化、インフラなどの点で、世界に比較して大変素晴らしい国です。
世界の多くの国では他国への移住を望む方が多くいますが(たとえば、私の友人の韓国人、インド人、中国人などはアメリカやカナダに移住しました)、日本では自国で一生生活の基盤を築きたいと思っている方が多いのではないかと感じます。
「自分の生活の基盤と金融資産の保有・投資先を一致させる」という考えは、とてもシンプルでわかりやすいといえます。その考えで人生を過ごしている代表的な人々は、アメリカ人です。アメリカ人の多くは生涯を自国で暮らし、アメリカ株とアメリカ国債という自国の金融資産への投資のみで人生を送ることが一般的です。
近年、急成長してきた”FAANG”*1といわれる巨大IT企業は全てアメリカの上場企業であり、アメリカのみならず、世界中で利益を得ています。アメリカ国債や米ドルは、世界最強の軍事力に守られた世界でもっとも安全な資産だといえます。
*1…Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Googleの頭文字を取った造語
かつてのヨーロッパ貴族や昭和の日本を振り返る さて、アメリカと正反対の考えをもっているのが、ヨーロッパの富裕層です。かつてのヨーロッパ貴族は、一族の資産や子供の教育を自国外へ分散させる知恵をもっていました。ロスチャイルド家が、一族の五人の息子をフランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリに別々に送り出した話などが有名でしょう。
これらは、自国が戦争に負けるなどの万が一の時に、財産を失ってしまうリスクへ備えるための、資産家たちの知恵でした。「たまごを一つの殻に入れるな」という分散投資の発想です。
そして、現代でもヨーロッパの人々や、自国の経済や政治が不安定な新興国の人々は、かつてのヨーロッパ貴族の知恵を参考にしているように見えます。
ヨーロッパでは、すでに地域通貨の「ユーロ」が生活通貨になっており、普通に銀行預金をするだけで、複数国へ外国預金をしている環境となっています。また、特にインフレ率が高く、自国通貨資産の価値が下落しやすい新興国では、米ドルやユーロなどの世界の主要通貨で資産形成を組み立てるのが一般的です。これらはアメリカ人の考えとは正反対であり、彼らは、自分の生活の基盤がある場所と、金融資産の投資先を同じにしないのです。
2つの考え方は、それぞれ一理あるように思えますが、どちらが正しいのでしょうか?
その答えは「自国の経済環境と、時代によって正解は異なる」と考えます。過去の日本の例で考えてみましょう。
昭和の日本経済は世界と比べより高い成長を遂げ、株や土地の価格も大きく上昇しました。また為替も、1米ドル360円から200円、100円と強くなりました。その結果、日本人の給料や円資産は、世界基準(米ドルなど)で飛躍的に上昇することになりました。
かつての日本人の豊かさは、海外旅行、ドイツ車やフランス製革製品の購入などに現れていたと思います。このような時代において、生活基盤と金融資産の投資先を揃えるのは大正解の選択だったといえます。
一方、平成の時代では、日本と世界の経済成長率は逆転し、日本人の給料の伸び率が世界に大きく見劣りする30年が続きました。為替は平成の始まりと終わりで1米ドル100円前半と、ほぼ横ばいの水準にとどまったものの、日本人の世界基準で見た豊かさは少しずつ低下したことになります。
また、この期間の日本資産の利回りも、海外と比較して大きく見劣りしました。たとえば、平成時代の日本株式(TOPIX)がほぼ横ばいのなか、同期間の世界株式指数(MSCI World Index)は世界経済の堅調な成長を背景に大きく上昇しています。 以下ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/da026161a878dae59fcfcb15960fd88f983fe861