他人の金数十億ドルと自分の何百、何千万ドルを運用するストレスは極めて大きい。
米国のさまざまな当局による調査はもちろん、あれやこれやの不安で壊れそうになったこともある。
そこで私は弁護士の忠告を受け入れ、しばらく休養することにした。しかしありがたいことに、私の人生のそういう時期は終わり、
私は数カ月ぶりにブルームバーグにログインした。
すると、ウォール街の非常に有能なトレーダーで普通の人が理解できないほど困難な人生を送っているのが私1人ではないことが分かった。
(中略)
熟年バンカーは自殺、ジュニアバンカーらは週90時間の労働に耐えられず新興企業に転職、ヘッジファンド運用者らは
株式市場が危険過ぎるので株を売って現金を保有していると公言している。
だからストレスを減らすための超越瞑想の話がウォール街の興味を引いたのも驚くには当たらないのだろう。
ヘッジファンド業界の著名人の何人かは実際に超越瞑想をしているらしい。
ヘッジファンド運用者のデービッド・フォード氏は新興市場の一斉売りの際にうまく乗り切れたのはマントラ(真言)のおかげだと
ブルームバーグ・パースーツ誌に語っている。
(中略)
しかし金融業界で誰もが瞑想して直感を磨いているなら、瞑想によって有利になるのは難しい。
平静を保つ戦略で有利になるには、ストレスから自由になるための他人より優れた方法を持っていなければならない。
◆過去の自分を克服
そこで皆が知っている以外の秘密の方法を幾つか教えよう。私を含め最高のヘッジファンド運用者だけが使っている術だ。
★肥満児を見つけてその上に座ることで、過去の自分を克服する★
「肥満児の上に座るなどといういじめは高校生がすることだと思うだろうが」と、あるヘッジファンドのトレーダーは言う。
非常に優れた運用者の多くがそうであるように、このトレーダーも子供のころは肥満に悩んでいた。
肥満児がわめくのをやめるまでその上に座っていると、「過去の自分の上に座って抑え込むことができると分かる。
そうすると自分がさっきまで行っていた他人の金の運用についての心配が収まる」のだという。
しかし、この行為の本質が警察官には理解されず、難しいだろうと思う人のために、別の方法を教えよう。
◆不幸な人を見つけよ
★自分より不運な人を見つけ、自分の慰めにする★
フランス国債を大量に空売りしたある真面目なヘッジファンド運用者は、この取引をめぐる不安に耐えられなくなった時は
近所の病院のがん病棟に入院させてもらうのだという。自分はがんではないが、がん患者に囲まれることで自分の立場を
深く考えるようになるといい、そうすると「なぜだか分からないが、自分と自分がした取引について、心穏やかになる」と
この運用者は説明している。
続く