1: 海江田三郎 ★ 投稿日:2015/12/20(日) 10:26:09.91 ID:CAP
http://jp.reuters.com/article/column-eijikinouchi-idJPKBN0U10U220151218
[東京 18日] – 2016年は消費増税を前に株は天井との見方が多いだろう。しかし、筆者は1億総活躍政策が軌道に乗り、新たな金融政策が講じられ、日本経済や日本株がイノベーションを夢見ることができる真の長期上昇過程に入る転換点だと考えている。16年末に日経平均株価は2万8000円をトライしてもおかしくないと計算している。
<名目GDP600兆円は夢ではない>
確かに、これまでのアベノミクスの主な目的は物価下落の阻止や需給ギャップの解消で、これらはほぼ達成された。現在の失業率は3.1%(10月)と生産能力向上の余地は少ない。よって、従来のアベノミクスは役割を終え、16年は旺盛な公共投資も効果的な金融緩和も行われず、企業業績の増益率が鈍化するとの見方を理解はできる。特に量的金融緩和に関しては現状の延長は限界を迎えつつある。
こうした前提で考えると、16年の株価の上昇は、春か最長でも参議院選挙(7月頃)までで、日経平均は最大2万3000円を上限とする短期的な上昇相場を想定することになろう。日経平均のチャート上のフシは1996年の2万2666円で、16年度の経常増益率の1桁後半を15年の高値に掛け合わせても2万3000円まで届かない。消費増税後の景気悪化への警戒から16年後半から調整が始まり、黒田東彦日銀総裁、安倍晋三自民党総裁の後任が決まる18年まで経済や相場は動かないとの見方になろう。しかし、それは1億総活躍政策の意味と実現性を見誤った見通しだと思う。16年に女性活躍の定着が見通せる可能性は高い。日本経済の供給能力や成長率は上昇が見込め、数年後には自動運転車やそれに先立つロボットの普及などイノベーションが花開く可能性は高い。中でも自動車について、17年央から強化される米カリフォルニア州の規制や、その後の世界中での厳しい規制を前に、16年にはプラグインハイブリッド車の販売が加速する見込みだ。単なるハイブリッド車と比べて電池の搭載量が桁違いに増えるので、電池の技術革新の進展が期待できる。
高性能電池の利用価値・波及効果は大きい。トヨタグループの創始者、豊田佐吉は、かつて画期的な電池開発に現在の価値で100億円もの懸賞金を掛けた程だ。現代の「佐吉電池」の開発は無人機ドローンやパワースーツなどを実用的な物にしよう。さらに、車の自動運転技術や人工知能が進む道筋は見えたが、これらはロボット・テクノロジーの中でも極めて高度。その開発の過程で多くのロボットが利用できるようになる。次の革命的な成長産業はロボット・テクノロジーだろう。そのカギとして電池に注目だ。
さて、こうしたイノベーションが花開くと同時に、人件費は抑えられ物価抑制圧力となる。
もう物価上昇や需給ギャップの縮小に狙いを絞ったこれまでの経済政策から、成長の天井を引き上げる政策に変わったのだ。20年頃の名目国内総生産(GDP)600兆円は夢ではない。まず、ポイントとなる大家族化政策は軌道に乗る可能性が高い。大家族化とは親子孫の3世代が、同居や近居をすることで、女性の社会での活躍と子育て・介護が両立する妙案だ。アンケート結果を見ると、6割程度の人々が親の世代との同居・近居が理想の家族形態と答えており、高齢者の老後資金の使途としても希望に沿う。
16年度後半から住宅取得のための贈与に3000万円まで非課税枠を広げるなど住み替えの政策は手厚い。老後の蓄えの多くを生前贈与することは、同時に老後の面倒も任せるということで、大家族化を促すことになろう。
相続税軽減メリットを得られるため、住宅は消費増税前の駆け込み購入の反動減への不安は少ない。筆者は住宅関連株に注目している。15年は結婚披露宴の単価が上昇し、芸能人の結婚のニュースが多かった。これらは日本全体の婚姻数の先行指標となることが多いので、うまく行けば16年は結婚ブームや、その先の出生率向上の可能性すらある。
<ドル円は来年末に135円到達も>(続きはサイトで)
木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。
[東京 18日] – 2016年は消費増税を前に株は天井との見方が多いだろう。しかし、筆者は1億総活躍政策が軌道に乗り、新たな金融政策が講じられ、日本経済や日本株がイノベーションを夢見ることができる真の長期上昇過程に入る転換点だと考えている。16年末に日経平均株価は2万8000円をトライしてもおかしくないと計算している。
<名目GDP600兆円は夢ではない>
確かに、これまでのアベノミクスの主な目的は物価下落の阻止や需給ギャップの解消で、これらはほぼ達成された。現在の失業率は3.1%(10月)と生産能力向上の余地は少ない。よって、従来のアベノミクスは役割を終え、16年は旺盛な公共投資も効果的な金融緩和も行われず、企業業績の増益率が鈍化するとの見方を理解はできる。特に量的金融緩和に関しては現状の延長は限界を迎えつつある。
こうした前提で考えると、16年の株価の上昇は、春か最長でも参議院選挙(7月頃)までで、日経平均は最大2万3000円を上限とする短期的な上昇相場を想定することになろう。日経平均のチャート上のフシは1996年の2万2666円で、16年度の経常増益率の1桁後半を15年の高値に掛け合わせても2万3000円まで届かない。消費増税後の景気悪化への警戒から16年後半から調整が始まり、黒田東彦日銀総裁、安倍晋三自民党総裁の後任が決まる18年まで経済や相場は動かないとの見方になろう。しかし、それは1億総活躍政策の意味と実現性を見誤った見通しだと思う。16年に女性活躍の定着が見通せる可能性は高い。日本経済の供給能力や成長率は上昇が見込め、数年後には自動運転車やそれに先立つロボットの普及などイノベーションが花開く可能性は高い。中でも自動車について、17年央から強化される米カリフォルニア州の規制や、その後の世界中での厳しい規制を前に、16年にはプラグインハイブリッド車の販売が加速する見込みだ。単なるハイブリッド車と比べて電池の搭載量が桁違いに増えるので、電池の技術革新の進展が期待できる。
高性能電池の利用価値・波及効果は大きい。トヨタグループの創始者、豊田佐吉は、かつて画期的な電池開発に現在の価値で100億円もの懸賞金を掛けた程だ。現代の「佐吉電池」の開発は無人機ドローンやパワースーツなどを実用的な物にしよう。さらに、車の自動運転技術や人工知能が進む道筋は見えたが、これらはロボット・テクノロジーの中でも極めて高度。その開発の過程で多くのロボットが利用できるようになる。次の革命的な成長産業はロボット・テクノロジーだろう。そのカギとして電池に注目だ。
さて、こうしたイノベーションが花開くと同時に、人件費は抑えられ物価抑制圧力となる。
もう物価上昇や需給ギャップの縮小に狙いを絞ったこれまでの経済政策から、成長の天井を引き上げる政策に変わったのだ。20年頃の名目国内総生産(GDP)600兆円は夢ではない。まず、ポイントとなる大家族化政策は軌道に乗る可能性が高い。大家族化とは親子孫の3世代が、同居や近居をすることで、女性の社会での活躍と子育て・介護が両立する妙案だ。アンケート結果を見ると、6割程度の人々が親の世代との同居・近居が理想の家族形態と答えており、高齢者の老後資金の使途としても希望に沿う。
16年度後半から住宅取得のための贈与に3000万円まで非課税枠を広げるなど住み替えの政策は手厚い。老後の蓄えの多くを生前贈与することは、同時に老後の面倒も任せるということで、大家族化を促すことになろう。
相続税軽減メリットを得られるため、住宅は消費増税前の駆け込み購入の反動減への不安は少ない。筆者は住宅関連株に注目している。15年は結婚披露宴の単価が上昇し、芸能人の結婚のニュースが多かった。これらは日本全体の婚姻数の先行指標となることが多いので、うまく行けば16年は結婚ブームや、その先の出生率向上の可能性すらある。
<ドル円は来年末に135円到達も>(続きはサイトで)
木野内栄治氏は、大和証券投資戦略部のチーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト。