
■下流老人にならないための戦略 どうすれば私たちは「下流老人」にならずに済むのだろうか? 未来に向けてどんな対策をとれば、下流にならなくて済むのだろうか? 英語を学ぶこと? 中国語を学ぶこと? 資格を取ること? 公務員に転職すること? 最も大切なことは、「現状把握をする」ことだ。未来に向けて戦略を立てるにあたって、まずは自分がどんな状況なのかを理解しなければならない。 現実から目を背けてはならないのだ。 「自分は今は中流だけど、将来が不安だ」 多くの人がこう思っているはずだ。つまり、自分は今のところ中流であり、普通の階級の人間であると。
ハッキリ言おう。あなたは中流ではない。すでに下流に落ちている。今すぐ甘い自己認識を改めたほうがいい。そうしなければ、このままずっと「下流」のままだからだ。
■「お前はもう下流に落ちている」 ショックかもしれないが、あなたはこう呼ばれる存在なのだ。 「下流若者」 「下流中年」 これが多くの日本人の現実だ。
『偽装中流 中間層からこぼれ落ちる人たち』(須田慎一郎著、KKベストセラーズ刊)の著者である須田慎一郎氏は、 もはや日本から「中流」の人間はいなくなってしまったと語る。
===(以下、P67より引用) 前述のように、2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際、低所得者世帯向けとして2400万人が給付金の対象になった。 これなどは国民の6人に1人が、消費増税に耐えられない貧困層であると国に認定されたようなものである。 つまり、今、われわれの目に強く入ってくるイメージは、一握りの「上流」とその他大勢の「下流」でしかない === 国民の6人に1人が「下流」である。この指摘はわれわれの現状の厳しさを明らかにしたものだ。さらには、住民税すら払えない下流層が5人に1人という恐ろしいデータもある。
かつて日本は繁栄していた。その理由は、大量の「中流」が一生懸命に働いたからだ。日本を盛り上げていたのは、多くの中流だった。 しかし、今や中流は姿を消し、「少数の上流と大量の下流」という状態となってしまった。 どうすれば私たちは生き延びることができるのか?繰り返しになるが、まずは「現状把握」をしっかりと行うべきだ 。ひとごとだと思っていた下流老人が、未来のあなたであるのだと受け止めることから全ては始まる。厳しい戦いになるだろうが、 現状から目をそらしてはいけない。良薬口に苦し、である。
(新刊JP編集部)