2020-10-12
【不動産ミステリー】変な家
事故物件ではない。怪奇現象も起きない。しかし、なにかがおかしい。違和感のある間取りの謎をたどった先に…。
雨穴
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これは、ある家の間取りである。
あなたはこの家の異常さがわかるだろうか。
おそらく、一見しただけではごくありふれた民家に見えるだろう。
しかし、注意深くすみずみまで見ると、家中そこかしこに奇妙な違和感が存在することに気づく。
その違和感が重なり、やがて一つの事実に結びつく。
それはあまりに恐ろしく、決して信じたくない事実である。
1.知人からの連絡
九月某日、知人のYさんから
「相談したいことがある」という連絡が来た。
Yさんとは数年前に仕事で知り合い、今では年に数回食事をする関係になった。
Yさんには近々、第一子が生まれる。
そこで彼は人生初の一軒家を買う決心をした。仕事が軌道に乗ってきたこともあり「家を買うなら今だ」と思ったらしい。
彼は毎晩遅くまで不動産情報を読み漁り、ついに都内に理想的な物件を見つけた。
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静かな住宅街に建つ二階建て。
駅から近いわりに近隣に自然が多く、中古ではあるが築年数は浅い。
内見に行ったところ、開放的で明るい内装に夫婦ともども好感を持ったという。
ただひとつ、間取りに不可解な点があった。
それがこれだ。
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一階、台所とリビングのあいだに謎の空間がある。
ドアないため、中には入れない。
不動産屋に聞いてもよくわからないという。
住む上で不都合はないが、なんとなく気味が悪いので私に相談しようと思ったらしい。
Yさんによると「ウェブライターってそういうの詳しいでしょ?」とのことだ。
ウェブライターをなんだと思ってるのか。
しかし、偶然にも私の知り合いにKさんという設計士がいる。
私も「謎の空間」というオカルトチックな話に少し興味を持ったので、Kさんに相談してみることにした。
2.Kさんの推理
Kさんには前もって間取り図のデータを送り、電話で話を聞くことにした。
以下、Kさんとの会話を記載する。
雨穴:Kさん、お久しぶりです。お時間とっていただいてありがとうございます。
Kさん:いえいえ、雨穴さん。ところで送ってもらった間取り図のことですが…
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雨穴:はい。一階に謎の空間があるんですが、これについて何かわかりますか?
Kさん:うーん…一つ言えるのは、これが意図的に作られたものだということですね。
雨穴:意図的に…ですか?
Kさん:この空間は本来必要のない二枚の壁によって作られているんです。
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Kさん:台所に接した二枚の壁。これがなければ「謎の空間」は生まれないし、台所も広くなります。
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Kさん:台所を圧迫してまでわざわざここに壁を作ったということは、この空間が必要だったということです。
雨穴:なるほど。なぜ作ったんでしょうか?
Kさん:もしかして、最初はここを収納スペースかなにかにする予定だったんじゃないですかね?
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Kさん:たとえばリビング側に扉を作ればクローゼットとして使えるし、台所側に作れば食器棚になる。
だけど途中で気が変わったか、費用が足りなくなったかで扉を取り付ける前に断念した。
雨穴:そうか。その時にはすでに工事が進んでいて間取りを変更することができず「無の空間」が残された、と。
Kさん:そう考えるのが自然ですね。
雨穴:なるほど!じゃあオカルト的な話ではないんですね。
Kさん:そうですね。ただ……
===== 後略 =====
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