最近の為替市場の動きは米景気の好調な先行きを反映したドル高であり、
米経済や金融政策の方向を考えたときには自然な動きだと指摘した。
日銀の金融政策については、インフレ期待がある中での追加緩和はコストがメリットを
上回る可能性があり、2年で2%の物価上昇率が達成できなくても追加緩和の必要はないと指摘した。
篠原副専務理事は足元の為替の動きについて「ドル高だ。アメリカの景気の先行きが良く、
他の先進国と比べると回復度合いがいい。そういう経済の動き、金融政策の方向性を考えたときに当然、ドルが高くなっていくのは自然な動きだ」との見方を示した。
また、円安の日本経済に与える影響については、良いか悪いか判断は難しいとし、
「為替の経済への影響のパターンが変化している」と指摘。円安による物価上昇と
日銀の金融政策の関係については「コストプッシュはあまり意味がない。これで2%を達成しようとすると
毎年円安にならないといけない。それ自体は悪いインフレの世界だ」との認識を示した。
さらにインフレ期待が1%から1.5%くらいある中で日銀が追加緩和する必要性を正当化するのは難しいとし、
インフレ期待がある中での追加緩和はコストがメリットを上回る可能性があるとの見解を示した。
2%の物価安定目標については、インフレが2%に達するのは2017年か2018年だとの見通しを示し、
2年で目標を達成できなくても追加緩和の必要はなく、市場が失望しないように日銀がコミュニケーションをしっかりやっていくことが大事だと述べた。
来年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについては、予定通り進めるべきだとし、
経済の状況によっては、増税の影響を緩和するための追加財政刺激策もオプションになるとした。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HY06E20141009
最近のドル高は自然な動き、追加緩和必要ない=IMF副専務理事