1: ノチラ ★ 2018/05/16(水) 20:17:10.97 ID:CAP_USER
本当に国民の負担なのか
「国の借金」の増加ピッチが鈍ってきた。
財務省が発表した2018年3月末の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」は、1087兆円と過去最高を更新したものの、増加率は1.52%と、前年度の2.11%に比べて「鈍化」した。
2010年3月末以降は、3~4%台の増加が続いていたが、2016年はわずかながら減少するなど、この3年間の伸び率は低くなっている。
アベノミクスによる企業収益の好転が、税収の増加に結びついており、それが借金の増加ピッチを鈍らせている。2017年3月末から1年間での増加額は16兆円あまりだった。
国債金利が低く抑えられていることも借金があまり増えなくなった要因だ。
大手メディアはこの発表を受けて「国の借金1087兆円、過去最大更新」と書いた。各紙がそろって「国民ひとり当たり859万円の借金を抱えていることになる」と書くのは、3カ月に1度このデータを財務省が発表した際の「決まり事」のようになっている。
GDP(国内総生産)対比では200%と、先進諸国に比べて高い水準にあり、多くのエコノミストが財政破綻してもおかしくないと警鐘を鳴らし続けている。
もっともGDP対比で示しても一般の国民にはぴんと来ないこともあってか、人口で割ってひとり当たりの国の借金額を示そうとしているのだろう。
各紙そろって「国民ひとり当たり」の数値を書くのは、それが説得力を持つと考えているからか。おそらく、財務省のクラブ詰めの記者が財務官僚に示唆されて書いているか、前年のスクラップブックを引き写して記事を書いているかのどちらかだろう。
だが、「国の借金は国民の借金だ」というのは本当だろうか。
もちろん、国には徴税権があるから、借金を回収するために増税すれば、国民が負担することになる。だが、国の借金返済を理由に増税することが本当にできるのか。
名古屋市長の河村たかし氏がかつて、「国の借金は国民の財産だ」と言い放った事がある。国の借金である国債は国民が持てば資産だというわけだ。
河村氏一流のレトリックだが、ギリシャのような国際価格の暴落(利回り上昇)が起きないのは、日本国債の大半は国内の金融機関や国民が保有しているからだ、という主張もある。
増税のための理由付け?
1000兆円という借金にしても、資産が600兆円以上あるので、差し引きのネットにすれば決して多い金額ではない、という見方もある。だが、いずれにせよ、毎年毎年の国家予算が赤字で、借金が増え続けていく事が健全であるはずはない。
ところが、政府は、本気で借金を減らそうとしている気配はない。国の借金を問題視する財務省にしても、借金を減らすことを目標にしていない。
1000兆円を超える借金で問題だと大騒ぎするのは、「増税を国民に納得させる理由」にみえる。借金財政を立て直すには増税は不可避だ、と国民を説得するためで、むしろ借金が増えていくことを歓迎しているようにすらみえる。借金が過去最大を更新した責任をとって辞めた財務次官も財務大臣もいないのだ。
財務省は予算も作るが、2018年度の一般会計予算は97兆7128億円。6年連続で過去最大を更新している。膨らみ続ける社会保障費の伸び率を抑制するのがせいぜいで、予算を削減しようという動きにならない。
借金返済などを除いた基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化もできていない。そんな赤字予算を国会議員は賛成して通しているのだ。
もちろん、政府予算を圧縮すれば、景気にマイナスの影響を与えるという理屈も分かる。長く続いた大幅な公共事業の削減が、地方経済を疲弊させた面はある。
だが、景気にあまり影響のない歳出をカットし、より効果のある分野に振り向ける歳出先の見直しを行えば、もっと有効な予算の使い方ができるに違いない。ところが、今は、景気回復で税収が増えているものを歳出の拡大に振り向けている。
本気で借金圧縮を考えていない
一般の家庭が借金を抱えた場合、どうやって借金返済をしようと考えるか。支出を減らして収入のうちの借金返済を増やすのが第一だが、それでも借金が減らなければ持っている財産を処分して、借金返済に回すだろう。
ところが、日本政府はそうした努力はほとんどしていない。政府系機関の民営化と株式売却もなかなか進まない。本気で借金を返すのなら、日本郵政の株式はさっさと売り、政府系金融機関も株式上場して民有化を進めるべきだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55684
「国の借金」の増加ピッチが鈍ってきた。
財務省が発表した2018年3月末の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」は、1087兆円と過去最高を更新したものの、増加率は1.52%と、前年度の2.11%に比べて「鈍化」した。
2010年3月末以降は、3~4%台の増加が続いていたが、2016年はわずかながら減少するなど、この3年間の伸び率は低くなっている。
アベノミクスによる企業収益の好転が、税収の増加に結びついており、それが借金の増加ピッチを鈍らせている。2017年3月末から1年間での増加額は16兆円あまりだった。
国債金利が低く抑えられていることも借金があまり増えなくなった要因だ。
大手メディアはこの発表を受けて「国の借金1087兆円、過去最大更新」と書いた。各紙がそろって「国民ひとり当たり859万円の借金を抱えていることになる」と書くのは、3カ月に1度このデータを財務省が発表した際の「決まり事」のようになっている。
GDP(国内総生産)対比では200%と、先進諸国に比べて高い水準にあり、多くのエコノミストが財政破綻してもおかしくないと警鐘を鳴らし続けている。
もっともGDP対比で示しても一般の国民にはぴんと来ないこともあってか、人口で割ってひとり当たりの国の借金額を示そうとしているのだろう。
各紙そろって「国民ひとり当たり」の数値を書くのは、それが説得力を持つと考えているからか。おそらく、財務省のクラブ詰めの記者が財務官僚に示唆されて書いているか、前年のスクラップブックを引き写して記事を書いているかのどちらかだろう。
だが、「国の借金は国民の借金だ」というのは本当だろうか。
もちろん、国には徴税権があるから、借金を回収するために増税すれば、国民が負担することになる。だが、国の借金返済を理由に増税することが本当にできるのか。
名古屋市長の河村たかし氏がかつて、「国の借金は国民の財産だ」と言い放った事がある。国の借金である国債は国民が持てば資産だというわけだ。
河村氏一流のレトリックだが、ギリシャのような国際価格の暴落(利回り上昇)が起きないのは、日本国債の大半は国内の金融機関や国民が保有しているからだ、という主張もある。
増税のための理由付け?
1000兆円という借金にしても、資産が600兆円以上あるので、差し引きのネットにすれば決して多い金額ではない、という見方もある。だが、いずれにせよ、毎年毎年の国家予算が赤字で、借金が増え続けていく事が健全であるはずはない。
ところが、政府は、本気で借金を減らそうとしている気配はない。国の借金を問題視する財務省にしても、借金を減らすことを目標にしていない。
1000兆円を超える借金で問題だと大騒ぎするのは、「増税を国民に納得させる理由」にみえる。借金財政を立て直すには増税は不可避だ、と国民を説得するためで、むしろ借金が増えていくことを歓迎しているようにすらみえる。借金が過去最大を更新した責任をとって辞めた財務次官も財務大臣もいないのだ。
財務省は予算も作るが、2018年度の一般会計予算は97兆7128億円。6年連続で過去最大を更新している。膨らみ続ける社会保障費の伸び率を抑制するのがせいぜいで、予算を削減しようという動きにならない。
借金返済などを除いた基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化もできていない。そんな赤字予算を国会議員は賛成して通しているのだ。
もちろん、政府予算を圧縮すれば、景気にマイナスの影響を与えるという理屈も分かる。長く続いた大幅な公共事業の削減が、地方経済を疲弊させた面はある。
だが、景気にあまり影響のない歳出をカットし、より効果のある分野に振り向ける歳出先の見直しを行えば、もっと有効な予算の使い方ができるに違いない。ところが、今は、景気回復で税収が増えているものを歳出の拡大に振り向けている。
本気で借金圧縮を考えていない
一般の家庭が借金を抱えた場合、どうやって借金返済をしようと考えるか。支出を減らして収入のうちの借金返済を増やすのが第一だが、それでも借金が減らなければ持っている財産を処分して、借金返済に回すだろう。
ところが、日本政府はそうした努力はほとんどしていない。政府系機関の民営化と株式売却もなかなか進まない。本気で借金を返すのなら、日本郵政の株式はさっさと売り、政府系金融機関も株式上場して民有化を進めるべきだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55684