1: XM 評判・口コミ – FX・投資・マネーまとめ速報 2016/09/06(火) 17:25:01.36 ID:CAP_USER9
<G20>課税逃れ対策 アップル追徴命令巡り米欧対立
アップルへの追徴課税を巡る対立の構図
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毎日新聞 9月2日(金)21時17分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160902-00000114-mai-bus_all
4日に開幕する主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、「パナマ文書」をきっかけに関心が高まる国際的な課税逃れ対策の強化も議題となる。だが、欧州連合(EU)がアイルランド政府に米アップルへの追徴課税を命じたことを巡り、米欧が対立。関係国の足並みの乱れが露呈しており、国際協調に影響する可能性もある。
「税務当局のトップとして、米国の税収に手を出す企てを懸念している」。ルー米財務長官は8月31日の講演で、EUの執行機関、欧州委員会がアイルランド政府に対し、アップルに最大130億ユーロ(約1兆5000億円)を追徴課税するよう命じたことを批判した。欧州委は、アップルが法人税率の低いアイルランドの子会社を通じ課税逃れをしていると指摘した。アイルランドはEU司法裁判所に不服を申し立てる構えだ。
アップルが追徴課税を受けると、その分の納税額が控除されて米国での納税額は減少しかねない。そのため、米政府は「米国の納税者からEUに税収を移転させることになる」(アーネスト米大統領報道官)と懸念。また、アマゾンなど他の米国企業も調査を受けているとされ、米企業が狙い撃ちにされていると反発している。
米の反発に対し、EU側は「欧州企業だろうが外国企業だろうが同じだ」(ベステアー欧州委員)と反論。多国籍企業の課税逃れに対する世論の不満を背景に、強気の構えを崩していない。
一方、アップルのクック最高経営責任者(CEO)は、アイルランド紙のインタビューで「アップルは標的にされた。政治的なものを強く感じる」と指摘。「米国で課税されるべき税収を欧州に移そうという欲望によるものだ」と、当事者にもかかわらず米欧間の対立をあおるかのような姿勢を見せている。
G20では、「パナマ文書」で国際的な課税逃れへの批判が高まったのをきっかけに、今年春以降、財務相・中央銀行総裁会議などで対策強化を議論してきた。今回の首脳会議では、富裕層らの銀行口座の情報交換に後ろ向きな租税回避地(タックスヘイブン)をブラックリストに載せる基準など、強化策が報告される見込みだ。だが、アップルを巡る米欧の対立は、各国の利害調整の難しさを改めて浮き彫りにした。ルール作りで一致しても、その運用で各国の利害が対立すれば対策は骨抜きになる可能性もある。【井出晋平、ワシントン清水憲司、ロンドン坂井隆之】
◇キーワード・課税逃れ対策
税率の低い租税回避地(タックスヘイブン)などを利用して納税額を抑える多国籍企業や富裕層に対し、課税を強化する対策。2008年のリーマン・ショックによる税収減をきっかけに、各国が対策強化に乗り出した。経済協力開発機構(OECD)が中心となり、15年に多国籍企業の課税逃れを防ぐためのルール「BEPS(税源浸食と利益移転)」を策定。参加国・地域は、今年末までに100カ国・地域に拡大する見込み。17年からは、富裕層らの課税逃れを防ぐため各国・地域間で非居住者の銀行口座情報を自動的に交換する仕組みの運用も開始する。ただ、各国によるルールの乱用や企業のコスト増などの懸念も指摘されている。