1: 海江田三郎 ★ 2016/07/06(水) 09:25:46.41 ID:CAP_USER
http://jp.reuters.com/article/fx-eu-idJPKCN0ZL04C
[東京 5日 ロイター] – 英国民投票後の「荒れ相場」に、日本の個人投資家「ミセスワタナベ」も翻弄された。ポンド買い/円売りポジションを膨らませていたため、FX(証拠金取引)で強制ロスカットが急増。ドル/円JPY=EBSの急落にもつながった。ただ、逆張り意欲が衰えたわけではなく、ドルが再び100円を割り込むような場面では、ドル買いに動くとの見方もある。
<ポンドロングは16.5倍> 英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票は、マーケットだけでなく、事前の世論調査やブックメーカー(賭け屋)も残留予想が大勢だった。ミセスワタナベのポンド買いは、得意の「逆張り」ではなく「順張り」だったと言えるかもしれない。しかし、離脱と残留のどっちに転ぶか分からない英国民投票をめぐる大きな不透明リスクを前にして、そのポンド買いの積み上げぶりは異彩を放っていた。その意味では、得意の「逆張り」と評することもできる。東京金融取引所のFX「くりっく365」。個人投資家のポンド/円のポジションは、英国民投票が実施された6月23日の直前、売り建て1万3851枚に対し、買い建ては22万8768枚。その比率は16.5倍に達していた。比率に差はあっても、買い建てが売り建てを上回るFX会社は複数あった。しかし、日本時間6月24日正午前、多数の予想に反して離脱派勝利の報が相次ぐと、ポンド/円GBPJPY=Rは急落。その日の高値160円から、133円まで約27円(約16.7%)下落し、2008年のリーマン・ショック時の約20円を超える下落となった。
<リーマン上回る強制ロスカット> FXでは、取引通貨が一定程度以上急落し、証拠金が必要額を下回った場合、レバレッジの大きさに応じて証拠金の不足分の入金もしくは反対売買によるポジションの決済を迫る「強制ロスカット」が発生。投資家に大きな損失が発生する可能性が出てくる。今回、一部のミセスワタナベは、ポンド/円の買い建てを積み上げていたこともあって、FX会社によっては強制ロスカットが急増。「その数はリーマン・ショック時を上回り、昨夏の中国経済減速への懸念に端を発する『チャイナ・ショック』と並ぶほどに膨らんだ」(FX会社)という。クロス円は対円での流動性が低いことから、ドルを介して取引されることが多い。ポンド/円であれば、強制ロスカットは「ポンド売り・ドル買い」と「ドル売り・円買い」の組み合わせとなり、ドル/円相場にも影響を及ぼす。ポンド/円が140円を割り込んだ局面では、個人の強制ロスカットを介してドル/円に波及。ドル100円割れの「ダメを押した」(別のFX会社)とみられている。ドル/円はストップロスなども巻き込み、一時99.00円まで急落した。
<超短期売買の個人、大惨事免れた向きも>
「スキャルパー」と呼ばれる、超短期売買を行う個人投資家の一部は、ポンド/円が24日早朝、残留優勢を伝える世論調査で157円付近から160円付近まで上昇した局面で早々に利益確定売りをしたり、その後に形勢不利と見て早々に損切りするなどして「大惨事」を免れたようだ。事前に証拠金を積み増したり、ポジションを調整する投資家もいたという。一方、中長期投資がメーンのミセスワタナベは、今回の乱高下相場で大きく体力を消耗したとみられている。主要通貨ペアの売り・買いを合わせた総建て玉はおしなべて縮小。「記録的な波乱相場を経て、さすがに個人投資家も疲弊した」(別のFX会社)という。
<ドル100円接近なら再び逆張りか>
ただ、ミセスワタナベが完全に打ちのめされ、逆張り意欲が完全に消えたわけではないようだ。強制ロスカットが生じても、FX会社によっては証拠金以上の損失が出る「未収金」の発生件数は、過去の相場急変動の際に比べて少数にとどまったという。英投票から週が明けた27日以降、ポンド/円やドル/円の買いポジションが、じわりと膨らんだFX会社もある。相場が持ち直した足元では、戻り待ちの売りでポジションを縮める動きがある一方、打診買いの注文も観測されている。
外為どっとコム総研の調査部長・神田卓也氏は、ドルが99円まで下落した後、ほぼ瞬間的に急反発したことを日本の投資家は目の当たりにし、ドル/円の目先の底堅さを確認したと指摘。「ドル/円が再び100円に接近するようなら、個人投資家はポジションが軽くなった分、買い意欲をまた強めるのではないか」と話している。