1: 田杉山脈 ★ 2019/01/29(火) 16:19:41.74 ID:CAP_USER
メガバンクに勤務していた35歳の女性は「もう35歳だからここで人生をリセットしたい」と宣言。退職して、MBA留学に旅立ちました。費用は約2000万円。1000万円は貯金ですが、残りは借金です。帰国後、思うような仕事には就けず、年収は700万円から500万円にダウン。いまや後悔の日々です。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは「彼女の行動を笑ってはいけない」と語ります――。
20代のときは貯金が1000万円あった ブランドものに興味がなく、駅ナカのショップで事足りる庶民派――メガバンクに勤務していた田所桃子さん(仮名)はそんな女性で、貯金もしっかりしている堅実で真面目な方。しかし彼女は35歳という年齢をきっかけに突如会社を辞めたうえ、1000万円もの借金を背負い込むことになってしまいました。真面目で有能なキャリアウーマンがハマった細道ならぬ迷い道。その道行きをお伝えしたいと思います。
小学校から大学までエスカレーターで進学した田所さんは、お父さんも銀行員だったことから自然と行員になることを目指して就活。見事第一希望だったメガバンクに就職します。入行後は大手銀行ならではの手厚い支援制度をフル活用し、FP技能検定や日商簿記など、さまざまな資格を取得していきました。
学生時代から優秀だったようで、勉強することは苦でもなく、「止めるのももったいなくて」と英語の勉強を続けた結果、TOEICでほぼ満点をたたき出すほどの語学力も身につけていました。そして30歳の時には「もっとスキルを磨きたい」と、職場で話せる人が少なかったフランス語を猛勉強。晴れてパリ支店に1年間赴任する大役をこなしたそうです。
未来を見据えて着実にキャリアを構築していった田所さんは、金銭面でも抜群の安定感を持っていました。財形貯蓄を使ってコツコツ貯める一方、投資信託でお金を育てるという理想的な両輪体制により、20代のうちから1000万円の貯金に成功。お金の賢者といえる財テクができていたのです。
そんな公私にわたってまったく問題なさそうな彼女が、なぜ私のもとにやって来たのか。彼女の言葉を借りれば、「35歳になってしまったから」でした。
「もう35歳だからここで人生をリセットしたい」 オフィスにやって来た時の彼女は熱病にでもうなされたかのように、「アメリカに行ってMBAを取らなきゃいけないんです」と繰り返していました。さらなるキャリアアップにもなるし、会社の公募制度で留学できるといいねと返したところ、なぜか「会社は辞めます」の一点張り。希望して入った一流銀行で活躍をし、その時の年収は700万円。しかも社内に留学制度もあったので、今すぐ退職する理由がまったくないのに、です。
ではなにかMBA取得後にやりたいことがあるのかと聞けば、「一生独身かもしれないから、とにかく手に職をつけたい。もう35歳だからここで人生をリセットしたい」と、鬼気迫る表情で語るのです。
結局、田所さんは2000万円近い留学資金を捻出するため、貯金にプラスして親から1000万円の借金をし、銀行も辞めてカリフォルニアへと旅立ってしまいました。FPとしては、貯金のほぼ全額をつぎ込んだ挙げ句、巨額の借金を作ってライフプランもないまま退職した彼女の選択を到底、後押しはできませんでしたが……。
普段は冷静沈着な行員の田所さんを不安に駆り立てもの、それは「35歳」という年齢でした。結婚していく同僚や産休・育休を取る後輩を尻目に、「キャリアばかりを積み重ね、35歳になっても未婚の自分」は職場で一体どう見えるのか――。そう思いつめた結果、「人生リセット留学」という結論になったようでした。
さらに話を聞けば、田所さんは35年間、一度も男性とお付き合いしたことがないということでした。かわいらしいお嬢さんだったので意外でしたが、さらにびっくりしたのが、実はキャリアを積みたいわけではなく、本当に一番したいのは結婚だった、ということです。
驚いた反面、こういった華々しい経歴のキャリア女性が、「実は専業主婦になりたかった」ということは少なくありません。本当は結婚したいだけだったのに、ひとりで生きていくことも考慮して身を守るためにスキルを磨いた結果、おのずとキャリアウーマンになってしまったというわけです。多彩なスキルや華々しいキャリア、高収入という生きるための防衛策が、婚活においては男性をビビらせる足かせとなることも多く、悪循環に陥りがちということでした。
「ハイスペックだけどやりたいことは曖昧」で就職難 https://president.jp/articles/-/27291
20代のときは貯金が1000万円あった ブランドものに興味がなく、駅ナカのショップで事足りる庶民派――メガバンクに勤務していた田所桃子さん(仮名)はそんな女性で、貯金もしっかりしている堅実で真面目な方。しかし彼女は35歳という年齢をきっかけに突如会社を辞めたうえ、1000万円もの借金を背負い込むことになってしまいました。真面目で有能なキャリアウーマンがハマった細道ならぬ迷い道。その道行きをお伝えしたいと思います。
小学校から大学までエスカレーターで進学した田所さんは、お父さんも銀行員だったことから自然と行員になることを目指して就活。見事第一希望だったメガバンクに就職します。入行後は大手銀行ならではの手厚い支援制度をフル活用し、FP技能検定や日商簿記など、さまざまな資格を取得していきました。
学生時代から優秀だったようで、勉強することは苦でもなく、「止めるのももったいなくて」と英語の勉強を続けた結果、TOEICでほぼ満点をたたき出すほどの語学力も身につけていました。そして30歳の時には「もっとスキルを磨きたい」と、職場で話せる人が少なかったフランス語を猛勉強。晴れてパリ支店に1年間赴任する大役をこなしたそうです。
未来を見据えて着実にキャリアを構築していった田所さんは、金銭面でも抜群の安定感を持っていました。財形貯蓄を使ってコツコツ貯める一方、投資信託でお金を育てるという理想的な両輪体制により、20代のうちから1000万円の貯金に成功。お金の賢者といえる財テクができていたのです。
そんな公私にわたってまったく問題なさそうな彼女が、なぜ私のもとにやって来たのか。彼女の言葉を借りれば、「35歳になってしまったから」でした。
「もう35歳だからここで人生をリセットしたい」 オフィスにやって来た時の彼女は熱病にでもうなされたかのように、「アメリカに行ってMBAを取らなきゃいけないんです」と繰り返していました。さらなるキャリアアップにもなるし、会社の公募制度で留学できるといいねと返したところ、なぜか「会社は辞めます」の一点張り。希望して入った一流銀行で活躍をし、その時の年収は700万円。しかも社内に留学制度もあったので、今すぐ退職する理由がまったくないのに、です。
ではなにかMBA取得後にやりたいことがあるのかと聞けば、「一生独身かもしれないから、とにかく手に職をつけたい。もう35歳だからここで人生をリセットしたい」と、鬼気迫る表情で語るのです。
結局、田所さんは2000万円近い留学資金を捻出するため、貯金にプラスして親から1000万円の借金をし、銀行も辞めてカリフォルニアへと旅立ってしまいました。FPとしては、貯金のほぼ全額をつぎ込んだ挙げ句、巨額の借金を作ってライフプランもないまま退職した彼女の選択を到底、後押しはできませんでしたが……。
普段は冷静沈着な行員の田所さんを不安に駆り立てもの、それは「35歳」という年齢でした。結婚していく同僚や産休・育休を取る後輩を尻目に、「キャリアばかりを積み重ね、35歳になっても未婚の自分」は職場で一体どう見えるのか――。そう思いつめた結果、「人生リセット留学」という結論になったようでした。
さらに話を聞けば、田所さんは35年間、一度も男性とお付き合いしたことがないということでした。かわいらしいお嬢さんだったので意外でしたが、さらにびっくりしたのが、実はキャリアを積みたいわけではなく、本当に一番したいのは結婚だった、ということです。
驚いた反面、こういった華々しい経歴のキャリア女性が、「実は専業主婦になりたかった」ということは少なくありません。本当は結婚したいだけだったのに、ひとりで生きていくことも考慮して身を守るためにスキルを磨いた結果、おのずとキャリアウーマンになってしまったというわけです。多彩なスキルや華々しいキャリア、高収入という生きるための防衛策が、婚活においては男性をビビらせる足かせとなることも多く、悪循環に陥りがちということでした。
「ハイスペックだけどやりたいことは曖昧」で就職難 https://president.jp/articles/-/27291