1:Hi everyone! ★ 2014/08/06(水) 02:30:16.35 ID:???.net
ソース(現代ビジネス、町田徹「ニュースの深層」)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40040
写真=消費増税で日本の景気は先行き不透明
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/7/5/600/img_75976fbf3671e9f2af77f2014bcde58658379.jpg
今年4?6月期分のGDP(実質国内総生産)速報値(第1次)の発表が来週(8月13日)に迫る段階になって、民間エコノミストがようやく
消費増税不況の深刻さを認め始めた。
■リーマンショック以来の大幅な景気後退も
日本経済新聞がこのほど10人のエコノミストを対象に調べたところ、4?6月の速報値が年率換算で7.1%のマイナスと、世界経済が
リーマンショックに揺れた2008年10?12月期(マイナス12.6%)、2009年1?3月期(マイナス15%)以来の大幅な減速になるとの推計を
示したという。
だが、多くの人にとって大切なのは、出た結果の後講釈よりも、先行きの見通しだ。これまで大き過ぎた駆け込み需要の反動に伴う
落ち込みの深刻さを頑なに認めて来なかった政府とエコノミストの多くは、7?9月期以降の先行きに関して、「個人消費の回復をテコに、
経済は立ち直る」との見方に拘泥している。
しかし、人手不足の割に下がらない失業率、企業から設備投資意欲を奪いかねないにもかかわらず今夏も放置されたエネルギー
安定供給への不安、相次ぐのが確実な電気料金の引き上げ、減速の兆しが出てきた企業業績、そして国民不在の法人税改革と、
下振れを招きかねないリスクは山積みなのである。
先週(7月31日付)の朝刊によると、日経が調査対象にした10人は、シティグループ証券、BNPパリバ証券、日本総合研究所、第一生命
経済研究所などのシンクタンク10社に所属するエコノミストたち。
このうち4?6月期の落ち込みが最も大きいと推計したのは、大和総研の熊谷亮丸氏のマイナス9.3%。これにUBS証券の青木大樹氏
(マイナス8.2%)、野村証券の木下智夫氏(マイナス7.1%)が続く。
逆に、最も落ち込みが小さいとしたのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮崎浩氏のマイナス6.0%。次いで、日本経済研究
センターの竹内淳氏(マイナス6.2%)、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏(マイナス6.5%)らが落ち込みを比較的軽微とした格好だ。
この4?6月期のGDPについて、内閣府は来週(8月13日)に第1次速報値を、9月8日に第2次速報値をそれぞれ公表する予定。
仮に10人のエコノミストが予測したような大幅なマイナスとなれば、4半期ベースでは2012年7?9月期以来7期ぶりにマイナス成長への
転落となる。さらに、マイナス幅は、東日本大震災の直撃を受けた2011年1?3月期(マイナス6.9%)を上回り、リーマンショック以来の
大幅な景気後退になりかねない。
■経産省も「実態とかけ離れた推計」を修正
本コラムで何度も指摘してきたが、これまでの流れをおさらいすると、日本経済は東日本大震災後の自律回復期に入っていたうえ、
消費増税に伴う駆け込み需要の発生が早くから予測されていた。
それにもかかわらず、安倍政権は発足以来、異次元の金融緩和や予算のバラマキによって、駆け込み需要を増幅させる施策を
取ってきた。アベノミクスの成功を演出するためだ。この経済運営が、増税前の駆け込み需要の山を予想外に高くする原動力となった。
そして、今年4月。税率を5%から8%に引き上げる第1弾の消費増税に踏み切った。
しかし、誰が考えてもわかる通り、山が高ければ、その後に続く谷は深くなるものだ。ところが、安倍政権の経済閣僚たちは、「予想外
の駆け込み需要と、予想を下回る落ち込み」などと強弁し、その悪影響に頑なに目を瞑ってきた。
(>>2以降に続きます)
※全文閲覧可能と確認済。8/6 2:26
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40040
写真=消費増税で日本の景気は先行き不透明
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/7/5/600/img_75976fbf3671e9f2af77f2014bcde58658379.jpg
今年4?6月期分のGDP(実質国内総生産)速報値(第1次)の発表が来週(8月13日)に迫る段階になって、民間エコノミストがようやく
消費増税不況の深刻さを認め始めた。
■リーマンショック以来の大幅な景気後退も
日本経済新聞がこのほど10人のエコノミストを対象に調べたところ、4?6月の速報値が年率換算で7.1%のマイナスと、世界経済が
リーマンショックに揺れた2008年10?12月期(マイナス12.6%)、2009年1?3月期(マイナス15%)以来の大幅な減速になるとの推計を
示したという。
だが、多くの人にとって大切なのは、出た結果の後講釈よりも、先行きの見通しだ。これまで大き過ぎた駆け込み需要の反動に伴う
落ち込みの深刻さを頑なに認めて来なかった政府とエコノミストの多くは、7?9月期以降の先行きに関して、「個人消費の回復をテコに、
経済は立ち直る」との見方に拘泥している。
しかし、人手不足の割に下がらない失業率、企業から設備投資意欲を奪いかねないにもかかわらず今夏も放置されたエネルギー
安定供給への不安、相次ぐのが確実な電気料金の引き上げ、減速の兆しが出てきた企業業績、そして国民不在の法人税改革と、
下振れを招きかねないリスクは山積みなのである。
先週(7月31日付)の朝刊によると、日経が調査対象にした10人は、シティグループ証券、BNPパリバ証券、日本総合研究所、第一生命
経済研究所などのシンクタンク10社に所属するエコノミストたち。
このうち4?6月期の落ち込みが最も大きいと推計したのは、大和総研の熊谷亮丸氏のマイナス9.3%。これにUBS証券の青木大樹氏
(マイナス8.2%)、野村証券の木下智夫氏(マイナス7.1%)が続く。
逆に、最も落ち込みが小さいとしたのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮崎浩氏のマイナス6.0%。次いで、日本経済研究
センターの竹内淳氏(マイナス6.2%)、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏(マイナス6.5%)らが落ち込みを比較的軽微とした格好だ。
この4?6月期のGDPについて、内閣府は来週(8月13日)に第1次速報値を、9月8日に第2次速報値をそれぞれ公表する予定。
仮に10人のエコノミストが予測したような大幅なマイナスとなれば、4半期ベースでは2012年7?9月期以来7期ぶりにマイナス成長への
転落となる。さらに、マイナス幅は、東日本大震災の直撃を受けた2011年1?3月期(マイナス6.9%)を上回り、リーマンショック以来の
大幅な景気後退になりかねない。
■経産省も「実態とかけ離れた推計」を修正
本コラムで何度も指摘してきたが、これまでの流れをおさらいすると、日本経済は東日本大震災後の自律回復期に入っていたうえ、
消費増税に伴う駆け込み需要の発生が早くから予測されていた。
それにもかかわらず、安倍政権は発足以来、異次元の金融緩和や予算のバラマキによって、駆け込み需要を増幅させる施策を
取ってきた。アベノミクスの成功を演出するためだ。この経済運営が、増税前の駆け込み需要の山を予想外に高くする原動力となった。
そして、今年4月。税率を5%から8%に引き上げる第1弾の消費増税に踏み切った。
しかし、誰が考えてもわかる通り、山が高ければ、その後に続く谷は深くなるものだ。ところが、安倍政権の経済閣僚たちは、「予想外
の駆け込み需要と、予想を下回る落ち込み」などと強弁し、その悪影響に頑なに目を瞑ってきた。
(>>2以降に続きます)
※全文閲覧可能と確認済。8/6 2:26
2:Hi everyone! ★ 2014/08/06(水) 02:30:35.30 ID:???.net
(>>1の続き)
今回、有力エコノミストたちは、公表を目前に控えて、ようやく4?6月期の反動の大きさを直視し始めた。きっかけは後述するが、
経済産業省が7月30日の鉱工業生産指数(6月分)の公表に際し、生産の基調判断を「弱含み」に下方修正したことだったらしい。
あまりに実態とかけ離れた推計をそのままにしていたのでは、専門家としての信頼を失いかねないとの判断が働いたのかもしれない。
しかし、「早期の経済回復」というシナリオそのものは放棄していない。前述の10人の推計をみても、7?9月期には年率4.4%の
高いプラス成長に転じて、2014年度の通年では前年比0.7%のプラス成長を維持できるとしているのだ。
■政府が頼る「数字のマジック」
一方、政府はもっと強気だ。7月22日の経済財政諮問会議で、2014年度の通年のGDPの見通しを昨年末のそれより0.2%引き下げた
だけで、最終的には1.2%の成長を達成できると主張している。
その根拠は、「緩やかに回復する」という個人消費だ。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(6月分速報値)で基本給が前年同月比で
0.3%増えたことなどが、そうした楽観論を支えているという。しかし、この統計でも、物価上昇分を差し引いた実質ベースでみると前年
同月比でマイナス3.8%だ。可処分所得はむしろ減ったと言わざるを得ない状況なのだ。
こうした中で、消費者の多くは増税前に前倒しで自動車や耐久消費財を中心に将来の消費を済ませており、落ち込む景気を個人消費
が下支えするというシナリオはあまりにも非現実的だろう。人手不足と言われながら、これまで就業を諦めていた人たちが就職活動を
始めた途端に、6月の完全失業率は前月比0.2ポイント悪化し、3.7%を記録した。
個人消費に過大な期待をするのは、リスクが大き過ぎる。
これはあくまでも推測だが、政府の本音は、「山高ければ、谷深し」と4?6月期に大きな落ち込みをみせた景気のサイクルが、今度は
「谷深ければ、山高し」とばかりに7?9月期の成長率が高く見えることを期待しているのではないだろうか。
確かに、GDP統計に、そうした数字のマジックが存在することは否定できない。だが、マジックはあくまでもマジックだ。それによって、
実態経済が改善するわけではないし、苦しいくらしが楽になるわけでもないことを肝に銘じるべきだろう。
■製造業&金融機関に懸念が広がる
そうした中で、最も気掛かりなのが、夏と冬の需要のピークのたびに企業経営者のアタマを悩ませている、電力の安定供給の問題だ。
実は、運転を停止している原子力発電所に代わってフル稼働している全国の火力発電所の2割は、運転開始から40年を経た老朽化
設備だ。そして、老朽化設備の故障は、今後、確実に増え続ける。
言い換えれば、不意の大規模停電のリスクが大きくなる一方なのだ。企業経営者にとって、工場などの製造拠点はもちろん、小売業
の店舗展開も大きなリスクを伴う状況になっており、一般企業が設備投資に二の足を踏む事態が懸念されている。
加えて、電気料金の上昇懸念も高まる一方だ。
化石燃料の調達コストの高騰に伴い、全国に10社ある電力会社のうち4社が4?6月期の決算で最終赤字に陥ったことが背景にある。
3期連続の経常赤字となった北海道電力が先週(7月31日)、2年連続で値上げの申請に踏み切ったのに続き、関西電力なども追随の
構えを見せている。
東日本大震災後、企業の電気代は平均で2割前後増えており、節電努力で補える水準ではないといった悲鳴も聞こえてくる。電気料金
の高騰は、法人活動の制約要因となるだけでなく、個人のくらしの足かせとしても、関心を払わざるを得ない深刻な問題だ。
(さらに続きます)
今回、有力エコノミストたちは、公表を目前に控えて、ようやく4?6月期の反動の大きさを直視し始めた。きっかけは後述するが、
経済産業省が7月30日の鉱工業生産指数(6月分)の公表に際し、生産の基調判断を「弱含み」に下方修正したことだったらしい。
あまりに実態とかけ離れた推計をそのままにしていたのでは、専門家としての信頼を失いかねないとの判断が働いたのかもしれない。
しかし、「早期の経済回復」というシナリオそのものは放棄していない。前述の10人の推計をみても、7?9月期には年率4.4%の
高いプラス成長に転じて、2014年度の通年では前年比0.7%のプラス成長を維持できるとしているのだ。
■政府が頼る「数字のマジック」
一方、政府はもっと強気だ。7月22日の経済財政諮問会議で、2014年度の通年のGDPの見通しを昨年末のそれより0.2%引き下げた
だけで、最終的には1.2%の成長を達成できると主張している。
その根拠は、「緩やかに回復する」という個人消費だ。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(6月分速報値)で基本給が前年同月比で
0.3%増えたことなどが、そうした楽観論を支えているという。しかし、この統計でも、物価上昇分を差し引いた実質ベースでみると前年
同月比でマイナス3.8%だ。可処分所得はむしろ減ったと言わざるを得ない状況なのだ。
こうした中で、消費者の多くは増税前に前倒しで自動車や耐久消費財を中心に将来の消費を済ませており、落ち込む景気を個人消費
が下支えするというシナリオはあまりにも非現実的だろう。人手不足と言われながら、これまで就業を諦めていた人たちが就職活動を
始めた途端に、6月の完全失業率は前月比0.2ポイント悪化し、3.7%を記録した。
個人消費に過大な期待をするのは、リスクが大き過ぎる。
これはあくまでも推測だが、政府の本音は、「山高ければ、谷深し」と4?6月期に大きな落ち込みをみせた景気のサイクルが、今度は
「谷深ければ、山高し」とばかりに7?9月期の成長率が高く見えることを期待しているのではないだろうか。
確かに、GDP統計に、そうした数字のマジックが存在することは否定できない。だが、マジックはあくまでもマジックだ。それによって、
実態経済が改善するわけではないし、苦しいくらしが楽になるわけでもないことを肝に銘じるべきだろう。
■製造業&金融機関に懸念が広がる
そうした中で、最も気掛かりなのが、夏と冬の需要のピークのたびに企業経営者のアタマを悩ませている、電力の安定供給の問題だ。
実は、運転を停止している原子力発電所に代わってフル稼働している全国の火力発電所の2割は、運転開始から40年を経た老朽化
設備だ。そして、老朽化設備の故障は、今後、確実に増え続ける。
言い換えれば、不意の大規模停電のリスクが大きくなる一方なのだ。企業経営者にとって、工場などの製造拠点はもちろん、小売業
の店舗展開も大きなリスクを伴う状況になっており、一般企業が設備投資に二の足を踏む事態が懸念されている。
加えて、電気料金の上昇懸念も高まる一方だ。
化石燃料の調達コストの高騰に伴い、全国に10社ある電力会社のうち4社が4?6月期の決算で最終赤字に陥ったことが背景にある。
3期連続の経常赤字となった北海道電力が先週(7月31日)、2年連続で値上げの申請に踏み切ったのに続き、関西電力なども追随の
構えを見せている。
東日本大震災後、企業の電気代は平均で2割前後増えており、節電努力で補える水準ではないといった悲鳴も聞こえてくる。電気料金
の高騰は、法人活動の制約要因となるだけでなく、個人のくらしの足かせとしても、関心を払わざるを得ない深刻な問題だ。
(さらに続きます)