1: 海江田三郎 ★ 投稿日:2016/02/10(水) 12:17:45.78 ID:CAP
http://jp.reuters.com/article/europe-banks-stocks-idJPKCN0VJ03F
[ロンドン 9日 ロイター] – 欧州の大手銀行株に対する売りの動きは、2008年に金融危機が始まった時点よりも激しくなっている。年初来で欧州銀の時価総額は25%近く、金額にして2400億ドル超が失われた。そして直面しているのは、もつれ合ったさまざまなマクロ経済面の懸念が、8年間にわたるコスト削減やバランスシート健全化、リスク回避戦略の成果を台無しにしかねないという厳しい現実だ。
原油価格下落や中国経済の減速、世界的な金融市場の混乱などは、投資家を不安にさせている多くの要因のほんの一部にすぎない。
これとは別に、欧州銀行セクターは不良債権のために資本不足に陥っているのではないか、あるいはマイナス金利で純利ざやが圧迫されて、預金者に手数料を課さなければならなくなるのではないか、といった懸念もある。
銀行がこれら多くのハードルを乗り越える必要があるとすれば、株主へのリターンが上向くのははるか先の話に見受けられる。アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバルストラテジスト、ニール・ドウェイン氏は 「銀行セクターに買いのシグナルは存在しない」と話した。ドイツ銀行(DBKGn.DE)、ウニクレディト(CRDI.MI)、クレディ・スイス(CSGN.VX)の年初来の株価下落率は、いずれも08年初めから同年2月8日までの2倍に達した。 欧州上位15行のうち、年初来の株価下落率が8年前の同期間よりも小さいのは、ING(ING.AS)とノルデア銀行(NDA.ST)しかない。それでもINGの下落率は21%、ノルデアは15%だ。
<個別問題> ストックス欧州600銀行株指数.SX7Pの年初来の下落率は24%で、やはり8年前の17%より大きい。トムソン・ロイターのデータからは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で銀行債投資家の懸念が強まっている状況も分かる。
HSBC(HSBA.L)やドイツ銀、バークレイズ(BARC.L)、スタンダード・チャータード(STAN.L)のCDSプレミアムはいずれも10年ぶりの高水準に近づいてきた。
各銀行はそれぞれが幾つもの固有の問題を抱え、投資家の売りを促している。ドイツ銀は8日、債券利払いが維持できるかどうかが不安視されて、株価が何年ぶりもの安値に沈んだ。HSBCとスタンダード・チャータードは、減速を続ける中国経済向け貸出債権の大きさが主な株安要因だった。一方でバークレイズについては、自己資本のうち普通株等Tier1の増強が必要になるのではないかとの観測が浮上した。
<楽観論も>欧州銀行への投資家の不信感が強まっている中で、間の悪いことに大手米銀のさえない業績が発表された。それでも一部の投資家は、金融危機時よりも今の方が銀行株の先行きは明るいとみている。ロイヤル・ロンドン・アセットマネジメントのシニアファンドマネジャー、アンドレア・ウィリアムズ氏は「銀行の株主にとって今は心配すべき時期ではあるが、リーマン破綻がもたらした危機の際ほどひどい事態とは思わない。なぜなら欧州中央銀行(ECB)が追加緩和する態勢にあり、金融システムの緊張はまだ顕現化していないからだ」と指摘した。その上でウィリアムズ氏は、ECBとしては市場心理改善のために単なる利下げだけではなく、思い切った措置を講じる必要があるかもしれないと述べた。銀行のバランスシートに重くのしかかっている不良資産の一部を、ECBが買い取り始める可能性があるという。アビバの欧州株式責任者マーク・デンハム氏など他のファンドマネジャーは、銀行株をめぐる現在の混沌とした状況から少なくとも長期的に投資家が利益を得られる方法を探る手掛かりとして、大手行ではリストラの取り組みが加速するかどうか、中小行では積極的に再編に動くかどうかに注目している。
[ロンドン 9日 ロイター] – 欧州の大手銀行株に対する売りの動きは、2008年に金融危機が始まった時点よりも激しくなっている。年初来で欧州銀の時価総額は25%近く、金額にして2400億ドル超が失われた。そして直面しているのは、もつれ合ったさまざまなマクロ経済面の懸念が、8年間にわたるコスト削減やバランスシート健全化、リスク回避戦略の成果を台無しにしかねないという厳しい現実だ。
原油価格下落や中国経済の減速、世界的な金融市場の混乱などは、投資家を不安にさせている多くの要因のほんの一部にすぎない。
これとは別に、欧州銀行セクターは不良債権のために資本不足に陥っているのではないか、あるいはマイナス金利で純利ざやが圧迫されて、預金者に手数料を課さなければならなくなるのではないか、といった懸念もある。
銀行がこれら多くのハードルを乗り越える必要があるとすれば、株主へのリターンが上向くのははるか先の話に見受けられる。アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバルストラテジスト、ニール・ドウェイン氏は 「銀行セクターに買いのシグナルは存在しない」と話した。ドイツ銀行(DBKGn.DE)、ウニクレディト(CRDI.MI)、クレディ・スイス(CSGN.VX)の年初来の株価下落率は、いずれも08年初めから同年2月8日までの2倍に達した。 欧州上位15行のうち、年初来の株価下落率が8年前の同期間よりも小さいのは、ING(ING.AS)とノルデア銀行(NDA.ST)しかない。それでもINGの下落率は21%、ノルデアは15%だ。
<個別問題> ストックス欧州600銀行株指数.SX7Pの年初来の下落率は24%で、やはり8年前の17%より大きい。トムソン・ロイターのデータからは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で銀行債投資家の懸念が強まっている状況も分かる。
HSBC(HSBA.L)やドイツ銀、バークレイズ(BARC.L)、スタンダード・チャータード(STAN.L)のCDSプレミアムはいずれも10年ぶりの高水準に近づいてきた。
各銀行はそれぞれが幾つもの固有の問題を抱え、投資家の売りを促している。ドイツ銀は8日、債券利払いが維持できるかどうかが不安視されて、株価が何年ぶりもの安値に沈んだ。HSBCとスタンダード・チャータードは、減速を続ける中国経済向け貸出債権の大きさが主な株安要因だった。一方でバークレイズについては、自己資本のうち普通株等Tier1の増強が必要になるのではないかとの観測が浮上した。
<楽観論も>欧州銀行への投資家の不信感が強まっている中で、間の悪いことに大手米銀のさえない業績が発表された。それでも一部の投資家は、金融危機時よりも今の方が銀行株の先行きは明るいとみている。ロイヤル・ロンドン・アセットマネジメントのシニアファンドマネジャー、アンドレア・ウィリアムズ氏は「銀行の株主にとって今は心配すべき時期ではあるが、リーマン破綻がもたらした危機の際ほどひどい事態とは思わない。なぜなら欧州中央銀行(ECB)が追加緩和する態勢にあり、金融システムの緊張はまだ顕現化していないからだ」と指摘した。その上でウィリアムズ氏は、ECBとしては市場心理改善のために単なる利下げだけではなく、思い切った措置を講じる必要があるかもしれないと述べた。銀行のバランスシートに重くのしかかっている不良資産の一部を、ECBが買い取り始める可能性があるという。アビバの欧州株式責任者マーク・デンハム氏など他のファンドマネジャーは、銀行株をめぐる現在の混沌とした状況から少なくとも長期的に投資家が利益を得られる方法を探る手掛かりとして、大手行ではリストラの取り組みが加速するかどうか、中小行では積極的に再編に動くかどうかに注目している。