1: へっぽこ立て子@エリオット ★ 2019/09/05(木) 13:30:32.35 ID:CAP_USER
【ロンドン=篠崎健太】英議会下院は4日、欧州連合(EU)からの離脱延期を政府に求める法案を賛成多数で可決した。ジョンソン首相は「どんな状況でも10月31日に離脱する」と反発し、国民の信を問う総選挙を提案したが、法案成立を優先したい野党の大半が解散動議に棄権し、必要な賛成を得られなかった。10月末の「合意なき離脱」の回避に向け前進したものの、英政局の混迷は当面続きそうだ。
【関連記事】英首相、「10月末離脱」へなお強硬 解散再提案も(有料記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49432820V00C19A9000000/
離脱延期法案は賛成327、反対299で可決された。10月19日までに新たな離脱案が英議会で承認されなければ、10月末から2020年1月末への離脱延期をEUに申請するよう、政府に義務づける内容だ。最大野党・労働党がとりまとめ、審議入りを支持して3日に与党・保守党を除名されたハモンド前財務相ら約20人も賛成した。
野党側は法案を上院でも速やかに通し、9日の週の議会閉会までに成立させることを目指している。女王が承認して発効すれば、何としても10月末にEUを離脱すると訴えてきたジョンソン氏が「合意なき離脱」に突き進む道は狭まる。与党は大量除名によって下院の過半数を大きく割り込んでおり、政権基盤の弱体化は避けられない。
ジョンソン氏は可決直後の演説で、離脱延期法案を「EUに主導権を渡すものだ」と批判した。EU首脳会議の直前の10月15日に総選挙をすると提案し「引き続き私が首相なら、より良い離脱案に基づき10月31日にEUを離脱する」と訴えた。保守党の支持率は足元まで上昇傾向にあり、EU離脱に対する支持を選挙で取り付け、10月末の離脱実現を狙った。
下院は5年の任期固定制で、任期満了前に総選挙を行うには全議員(定数650)の3分の2以上の賛成が必要となる。もともと野党は政権打倒へ総選挙に前向きだが、いま解散となれば離脱延期法案の成立が揺らぎかねない。労働党など大半はジョンソン氏の提案に乗らず、解散動議の採決結果は賛成298、反対56で条件を満たさなかった。
労働党のコービン党首は解散動議の討論で「離脱延期法を通してから総選挙に賛同する」と述べた。目先は合意なき離脱の回避を優先した形だが、10月末の合意なき離脱の回避が固まり次第、解散に応じる可能性がある。
ジョンソン氏は10月末の離脱をなお模索する構えで、政権と議会の攻防は続きそうだ。アイルランドとの国境問題に関する「安全策(バックストップ)」を離脱案から削除するよう、EUに求めていく方針だ。EU側は再交渉に応じない構えで一貫し、協議は難航が避けられない。離脱問題が大きく前進するのは、いずれ行われる総選挙後の公算が大きくなった。
2019/9/5 3:50 (2019/9/5 7:07更新) 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49432220V00C19A9000000/