1: トウシバ犬(茸) [EU] 2019/10/18(金) 11:07:26.25 ID:oJCDaxrB0● BE:479913954-2BP(2931)
武蔵小杉をあざ笑う人々に映る深刻な社会分断
今回とりわけ世相を最もよく表していたのは、人気エリアとして知られる武蔵小杉における大規模な浸水被害と、それをソーシャルメディア上やネット掲示板などであざ笑う風潮だ。
SNSで「武蔵小杉ざまあ」との投稿が
JRや東急線などが走る神奈川県川崎市の武蔵小杉駅の東側は、再開発によってタワーマンションや大型商業施設が立ち並び、比較的裕福な子育てファミリー世帯が多い。
浸水被害によるタワマンの停電や断水が盛んに報道されるようになると、Twitterなどのソーシャルメディアでは、「流行りにのって武蔵小杉に住み始めた子連れ家族ざまあです」「武蔵小杉のタワマン買った人ざまあが見れたからよかった」などの投稿が相次いだ。
また15日朝の通勤ラッシュの時間帯には、武蔵小杉駅の電源設備が浸水により故障したことから、エスカレーターやエレベーターなどが使用不能となり、数百メートルに及ぶ長蛇の列ができた。このような事態の悪化をも揶揄(やゆ)する者が少なくなかった。
なぜここまで特定の地域の被災者を叩くのか。
ノンフィクション作家のレベッカ・ソルニットは、地震などの自然災害で犠牲者が生じるなど、非常事態に直面した社会では、人々の善意が呼び覚まされ、相互扶助的な共同体が出現すると述べた。
略
武蔵小杉について「セレブの町気どりで調子に乗ってるから天罰が下った」と評している書き込みが典型だ。これはある種の「終末観」と「長者没落譚」(富裕者の転落話)を都合よくブレンドしたものだと思われ、「二極化する日本社会」を〝正常な秩序〟に回復する「天の采配」を期待しているとも取れるのである。
民俗学者の宮田登は、「三代続く長者なし」という諺の背後にある「原初的要因として火難・水難が指摘されている」という(『終末観の民俗学』ちくま学芸文庫)。「社会の分断」がこれらの思考に絡め取られるのはまずいだろう。
ここで絶対に忘れてはならないのは、ソルニットが述べているように、どのような災害が振りかかろうとも、結局は日常生活が取り戻されるということである。
そして、日常生活こそが本来わたしたちが共同性を紡がなければならない機会であり、それがなければ災害時の危機管理もおぼつかない。
https://toyokeizai.net/articles/amp/309170?page=4
今回とりわけ世相を最もよく表していたのは、人気エリアとして知られる武蔵小杉における大規模な浸水被害と、それをソーシャルメディア上やネット掲示板などであざ笑う風潮だ。
SNSで「武蔵小杉ざまあ」との投稿が
JRや東急線などが走る神奈川県川崎市の武蔵小杉駅の東側は、再開発によってタワーマンションや大型商業施設が立ち並び、比較的裕福な子育てファミリー世帯が多い。
浸水被害によるタワマンの停電や断水が盛んに報道されるようになると、Twitterなどのソーシャルメディアでは、「流行りにのって武蔵小杉に住み始めた子連れ家族ざまあです」「武蔵小杉のタワマン買った人ざまあが見れたからよかった」などの投稿が相次いだ。
また15日朝の通勤ラッシュの時間帯には、武蔵小杉駅の電源設備が浸水により故障したことから、エスカレーターやエレベーターなどが使用不能となり、数百メートルに及ぶ長蛇の列ができた。このような事態の悪化をも揶揄(やゆ)する者が少なくなかった。
なぜここまで特定の地域の被災者を叩くのか。
ノンフィクション作家のレベッカ・ソルニットは、地震などの自然災害で犠牲者が生じるなど、非常事態に直面した社会では、人々の善意が呼び覚まされ、相互扶助的な共同体が出現すると述べた。
略
武蔵小杉について「セレブの町気どりで調子に乗ってるから天罰が下った」と評している書き込みが典型だ。これはある種の「終末観」と「長者没落譚」(富裕者の転落話)を都合よくブレンドしたものだと思われ、「二極化する日本社会」を〝正常な秩序〟に回復する「天の采配」を期待しているとも取れるのである。
民俗学者の宮田登は、「三代続く長者なし」という諺の背後にある「原初的要因として火難・水難が指摘されている」という(『終末観の民俗学』ちくま学芸文庫)。「社会の分断」がこれらの思考に絡め取られるのはまずいだろう。
ここで絶対に忘れてはならないのは、ソルニットが述べているように、どのような災害が振りかかろうとも、結局は日常生活が取り戻されるということである。
そして、日常生活こそが本来わたしたちが共同性を紡がなければならない機会であり、それがなければ災害時の危機管理もおぼつかない。
https://toyokeizai.net/articles/amp/309170?page=4