1: 海江田三郎 ★ 投稿日:2015/12/26(土) 10:30:58.30 ID:CAP
http://jp.reuters.com/article/view-ryoji-musha-idJPKBN0U719620151225
[東京 25日] – 米国が金融政策の正常化に向かい、中国が景気減速感を強める中、2016年の成長エンジン不在が懸念されるが、武者リサーチの武者陵司代表は、米国主導の世界経済回復シナリオは健在だと指摘する。ドル円は130円手前、日経平均株価は年前半に2万2000円から2万5000円に届くと見る。
同氏の見解は以下の通り。<米景気拡大継続を示唆する5つの好材料>2016年の世界経済は、ナンバーワンのポジティブ(米国経済)と、ナンバーツーのネガティブ(中国経済)のバランスによってどうなるかが決まる。私の予想では、ポジティブがネガティブに勝り、世界経済全体としては着実な成長を実現し、世界的な株高も継続、リスクテイクが引き続き報われる年になる。巷(ちまた)では米連邦準備理事会(FRB)の利上げに伴う米国景気の失速が懸念されているが、そのような心配は無用だ。米景気拡大に期待を持てる理由は5つある。まず原油価格下落だ。米国の化石燃料の年間輸入額は対国内総生産(GDP)比で約2%。シェールガス・オイルなど自前のエネルギー生産が多いとはいえ、経済にはプラスに働く。ちなみに、原油価格動向が実体経済に影響を与えるまでには、ざっと18カ月のタイムラグがあるといわれる。マイナスの影響はすでに見えたが、プラスの影響はまだ見えてない。16年はプラス面が顕現化してくるだろう。 第2は、消費の堅調さだ。失業率も5%まで低下し、賃金上昇にもようやく弾みがつき始めている。家計消費は年率3%のペースで増加している。また、消費の中身はモノよりサービスであり、労働市場でもサービス主体の雇用創造が起きている。これは、米景気回復のドル高耐性が強いことを意味する。第3に、米国の住宅市場にかなり大きな期待を持てることだ。これまで住宅建設が著しく抑制されていた影響で、住宅需給が好転している。持ち家比率が大きく下がった反動で、今後はいよいよ借金をして住宅を取得するという動きが本格化してくるだろう。第4に、これまで景気の重石となっていた財政部門が景気を押し上げる役回りに代わることだ。リーマンショック後、GDP比で10%超まで高まった財政赤字(基礎的財政収支赤字)が今では2%前後まで低下している。もはや財政削減は不要であり、むしろ財政支出による需要拡大、例えばインフラ整備が政策課題として浮上してくるだろう。
実際、地方での財政支出は増加し始めている。減り続けていた公的部門の雇用も増加傾向にある。財政の景気に対する寄与が大幅なマイナスからプラスへ大きく転換するのは明らかだ。次期米大統領選の民主党有力候補であるヒラリー・クリントン氏も、老朽化したインフラの整備を選挙アジェンダとして取り上げている。
第5に、信用循環だ。米景気は、ひとえに信用の拡大・収縮の循環である。過去50年を振り返れば、おおむね10年サイクルだ。そして1970年代以降、信用のボトムは必ず「1」の年に訪れている。71年、81年、91年、2001年、11年だ。つまり、信用循環から見ても、今回の景気はまだ若い。家計、企業部門はむしろこれから債務を増やしてリスクをとる場面に入る。これまでは借金を返したり、バランスシートを整理したり、信用による需要創造の面では後ろ向きの時代だったが、今後は前向きになって勢いを増す局面だ。こうなると、懸念されるのがFRBの利上げペースだが、インフレもまだ緩やかなので、16年半ば頃までは様子見になるのではないか。利上げは16年末にかけて、あるとしても、あと2回だろう。よって、実質金利が上昇し、景気を冷え込ませるような事態にはまだ至らないと思う。
<ドル円は130円、日本株は2万5000円まで上昇余地> では、こうした前提に立つと、16年の為替、株価はどうなるのか。私はまずドル円については、130円台手前までのドル高・円安はあると思う。最大の理由は米国経済の強さだが、加えて日銀のさらなる緩和も期待できるからだ。
[東京 25日] – 米国が金融政策の正常化に向かい、中国が景気減速感を強める中、2016年の成長エンジン不在が懸念されるが、武者リサーチの武者陵司代表は、米国主導の世界経済回復シナリオは健在だと指摘する。ドル円は130円手前、日経平均株価は年前半に2万2000円から2万5000円に届くと見る。
同氏の見解は以下の通り。<米景気拡大継続を示唆する5つの好材料>2016年の世界経済は、ナンバーワンのポジティブ(米国経済)と、ナンバーツーのネガティブ(中国経済)のバランスによってどうなるかが決まる。私の予想では、ポジティブがネガティブに勝り、世界経済全体としては着実な成長を実現し、世界的な株高も継続、リスクテイクが引き続き報われる年になる。巷(ちまた)では米連邦準備理事会(FRB)の利上げに伴う米国景気の失速が懸念されているが、そのような心配は無用だ。米景気拡大に期待を持てる理由は5つある。まず原油価格下落だ。米国の化石燃料の年間輸入額は対国内総生産(GDP)比で約2%。シェールガス・オイルなど自前のエネルギー生産が多いとはいえ、経済にはプラスに働く。ちなみに、原油価格動向が実体経済に影響を与えるまでには、ざっと18カ月のタイムラグがあるといわれる。マイナスの影響はすでに見えたが、プラスの影響はまだ見えてない。16年はプラス面が顕現化してくるだろう。 第2は、消費の堅調さだ。失業率も5%まで低下し、賃金上昇にもようやく弾みがつき始めている。家計消費は年率3%のペースで増加している。また、消費の中身はモノよりサービスであり、労働市場でもサービス主体の雇用創造が起きている。これは、米景気回復のドル高耐性が強いことを意味する。第3に、米国の住宅市場にかなり大きな期待を持てることだ。これまで住宅建設が著しく抑制されていた影響で、住宅需給が好転している。持ち家比率が大きく下がった反動で、今後はいよいよ借金をして住宅を取得するという動きが本格化してくるだろう。第4に、これまで景気の重石となっていた財政部門が景気を押し上げる役回りに代わることだ。リーマンショック後、GDP比で10%超まで高まった財政赤字(基礎的財政収支赤字)が今では2%前後まで低下している。もはや財政削減は不要であり、むしろ財政支出による需要拡大、例えばインフラ整備が政策課題として浮上してくるだろう。
実際、地方での財政支出は増加し始めている。減り続けていた公的部門の雇用も増加傾向にある。財政の景気に対する寄与が大幅なマイナスからプラスへ大きく転換するのは明らかだ。次期米大統領選の民主党有力候補であるヒラリー・クリントン氏も、老朽化したインフラの整備を選挙アジェンダとして取り上げている。
第5に、信用循環だ。米景気は、ひとえに信用の拡大・収縮の循環である。過去50年を振り返れば、おおむね10年サイクルだ。そして1970年代以降、信用のボトムは必ず「1」の年に訪れている。71年、81年、91年、2001年、11年だ。つまり、信用循環から見ても、今回の景気はまだ若い。家計、企業部門はむしろこれから債務を増やしてリスクをとる場面に入る。これまでは借金を返したり、バランスシートを整理したり、信用による需要創造の面では後ろ向きの時代だったが、今後は前向きになって勢いを増す局面だ。こうなると、懸念されるのがFRBの利上げペースだが、インフレもまだ緩やかなので、16年半ば頃までは様子見になるのではないか。利上げは16年末にかけて、あるとしても、あと2回だろう。よって、実質金利が上昇し、景気を冷え込ませるような事態にはまだ至らないと思う。
<ドル円は130円、日本株は2万5000円まで上昇余地> では、こうした前提に立つと、16年の為替、株価はどうなるのか。私はまずドル円については、130円台手前までのドル高・円安はあると思う。最大の理由は米国経済の強さだが、加えて日銀のさらなる緩和も期待できるからだ。