「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」(ナシーム・ニコラス・タレブ著) 実際 運も実力の内なん?
何故ならば厳密な確率論から導き出される結論は人間の脳味噌が生来的に持つ特徴と相反するからである
著者が生きる世界は金融市場
そこはランダムが支配する世界だ
アナリストはもっともらしく日々の株価の動きを解説してみせるが、そんなものは単なるノイズにすぎない
人間はナンセンスでランダムなノイズに対して何らかの意味を見出そうとする性質が有る
例えば二者択一の選択を10回連続で正解し続けたトレーダーを我々は「優秀」と見る
むしろ、何かしら理由を付けてでも彼の中に優秀性を見出そうとする
そして彼の自伝が出版され、生い立ちから、学歴、職歴、趣味、人生に対する哲学までが万人に称賛される
もちろん周囲は、成功者に対して「結果的には起こらなかった、しかし、確実に存在したリスク」に関する話題を持ちかけたりしない
しかし、彼に対する正当な評価は「すごく運の良い奴」である
トレーダーが1000人居れば確率的に1人は上記のような幸運に恵まれる
決して1000人に1人の優秀な頭脳を持つ俊英ではない
しかし、その幸運な1人が次の二者択一に正解する確率はもちろん50%である
本人も周囲もそのことには気づかないだろうが・・・
我々はしばしば帰納的誤謬を犯す
全キャリアの中の99%の期間で利益を出し続けた「優秀な」トレーダーがわずか1回の大波に飲まれ姿を消す
潜在的に確実に存在するリスクを「過去のトレンドから見てほぼありえない」と切り捨てた「優秀な」トレーダーがブラックスワンの餌食となる
業界用語でこれを「blow up=吹き飛ぶ」と言うらしい
7年掛けて上り詰めたヒーローは僅か7日の恐慌で吹き飛んでしまう
「こんなことはこれまで無かった!」と叫びながら
(続く1/2)
むしろ「それまでたまたま吹き飛ばなかった運の良い奴」だったのだ
しかし、本人はそのことを認めない
かつての成功と言う甘美な体験に縛られ、自分のポジションを結婚してしまったトレーダーは、最終的にはその愛妻とともに心中する羽目になる
人間の脳は損失を出すことに耐えられない
少額でも、毎日高い確率で利益を出していると安堵するし、上司からの評価も上がる
「少額ながら毎日確実に利益を出す」ことのその裏でどれだけ莫大なリスクを背負っているかには目を瞑って・・・
著者はそのような「毎日100円儲けつつ、ある日突然1億円失う」トレーダーの逆を張って名声を上げて来た
私たちの脳は非合理的で、いい加減で、拙速に結論を出し、間違いを犯す
頭ではそれが分かっていても、情緒に流されるのが人間の愚かさであり、美しさである
全てを最適化すると、人間としての充足感は減退する
ブラックスワンが狙う獲物は、そんな頭(現実、確率、論理、理性)と心(直感、バイアス、情緒)が生み出すギャップである
(おわり 2/2)
それは違うけどな
実力も運も両方だよ
投資の方針や実行力という実力的な所も半分くらいあり
そこに運がもう半分くらいの要素としてあるという事で
頭の良さそうな人でもバイアスに騙される
これはもう人間の性だね
人間の脳って本当に不合理
所詮はギャンブル
偶然と考えるか必然と考えるかで人生は変わる
偶然論者は勝利や敗北から学習しない、なぜなら勝ったり負けた原因は自分のせいじゃなく運のせいだから、だから進歩がない
必然論者は勝利や敗北から学習する、勝ったり負けた原因は必然と考え何かの答えを出すから前進する、だから自力がつく
これが俺とお前らの差
あくまで「過去の推移」だからね
偶然や運が神だから
必然論者は突き詰めると神を発見する
残りの半分はたまたままだ吹き飛んでないだけ
次の二者択一で正解する確率は50%じゃ無いけどな
そーゆー勘違いでギャンブラーは胴元を儲けさせるのよ
ドラマの煽りみたいな表現だな
統計的には今この瞬間に起きても全く不思議じゃないってことになる
最近読んだのはナシーム・ニコラス・タレブの一連の著作
「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」
「ブラック・スワン」
例えば、株やFXで大成功している投資家のパーソナリティを分析してみると、
次のような共通点が見つかる
・楽観的で
・冒険心に冨み
・リスクを恐れず
・自分の欲望に対して肯定的である
それでは、これが投資で成功する秘訣なのだろうか?
今度は株やFXで大失敗して無一文になった人々のパーソナリティを分析してみると、
次のような共通点が見つかる
・楽観的で
・冒険心に冨み
・リスクを恐れず
・自分の欲望に対して肯定的である
なんと、成功者と失敗者のパーソナリティはほぼ完全に同一であり
知的レベルや学歴においても決定的な差異はない
社会的に正反対に見える二つのグループは実は「バクチに全財産を張るタイプ」というまったく同一のパーソナリティであり
二者を分けるものは「運」でしかない
にもかかわらず、人は成功者の方法論が科学的に正しいと思い込み(なぜなら「今」成功しているのだから!)
それに次々と理論的な裏付けを貼り付けていく
かつて福本伸行が「カイジ」において「イチローや野茂は単にその成績から人間性までも神格化されている」と喝破したが
この本はいわば本家金融トレーダーが「ウォール街の中心で偶然を叫ぶ」という最大のタブーに触れた本
サブプライムショックの前のバブル時代に書かれたため、著者に対するアメリカ人の冷笑的な反応も
今となっては恐ろしい限りである
でもジグザグについては一定の法則があるように見えるけど
実は巨大な資本が雑魚がいっぱい食いついてきたところで「はい逆~」ってやると
雑魚は死んじゃうシステムなんだよ
はい逆~に気づけるやつだけ生き残るそういうギャンブルだと思う
毎回毎回気づけるやつはいないんだけどね
運の良い人の正解率は80%悪いと答えた人の正解率20%と言う問題がある
種はその問題紙のすみに答えが書いてありそれに気付くか気付かないかの違いである
統計学では自分の運が良いと言う人は自分の運が悪いと答えた人より注意力観察力が高いという結果になった