1: 田杉山脈 ★ 2019/10/13(日) 09:46:01.33 ID:CAP_USER
定住先を持たない旅人のような暮らし 企業のテレワーク導入などが進み、自宅や街中のカフェなど、気分で転々と場所を変えながら仕事をするビジネスパーソンが増えている現代。スマートフォンとノートパソコンさえあれば、どこにいても仕事ができる――。
そうした働き方が特別ではなくなったため、一度くらいは、ふと「定住先を持たず旅をしながら働く」なんて夢のような日々を想像したことがある人も少なくないかもしれない。
とはいえ、毎日の宿泊先を探すのは大変そうだし、コストがいくらかかるかもわからない。そもそも住民票などの問題も含め、やはり「定住先がない」という不安は、日本社会で暮らすには思いのほか大きいものだ。
しかしここ数年、実際に「アドレスホッパー」という定住しない生き方を選ぶ人たちが増えている。アドレスホッパーとはその名の通り、アドレス(住所)をホッピング(跳びはねる)するように転々と移動しながら暮らす人のこと。
若者を中心にこの新しいライフスタイルが支持を広めるなか、最近では定額制で全国各地の拠点に住めるサブスクリプション型の住宅サービスも登場。新たな“住まいの形”として大きな注目を集めているのだ。
月額4万円で全国のリノベ物件に住み放題 たとえば、2019年4月からサービスがスタートした「ADDress」は、年会費48万円で全国各地にある物件に住めるという「多拠点住み放題」のサービス。
運営元である株式会社アドレスの佐別当隆志(さべっとう たかし)社長は、「サービス名の『ADDress』は住所をどんどんADD(追加)していくという意味。1つの居場所から開放されて、誰もが複数の住所を持てる社会を目指してサービスを立ち上げました」と説明する。
北は北海道から南は宮崎まで、古民家などを快適な空間にリノベーションした物件には、アメニティはもちろん個室や無線インターネット環境も完備されている。掛かる費用を毎月の家賃に換算すると4万円(!)。
利用者には嬉しい低価格が実現できるのは、日本各地にある空き家やバブル時代の遺産ともいえる空き別荘などを、同社が上手に活用しているからだ。
空き家問題の解決や地方活性にも繋がるサービス
野村総合研究所の試算によると、既存住宅の除却や住宅用途以外への有効活用が進まなければ、2033年の総住宅数は約7,156万戸へと増大。空き家数は現在の約846万戸から約1,955万戸に、空き家率は27.3%まで上昇する見込みという。
「地域の少子高齢化が加速しているなか、シェアリングサービスによって地域を活性化していくとともに、空き家問題の解決にもつなげていきたい」
代表の佐別当氏がそう語る通り、地方の遊休住宅資産をユーザーとつなげる「ADDress」のようなサービスは、確かに日本で進行する過疎化や空き家問題を解決する一手にもなりそうだ。
「環境の変化」はアイデアを生む そもそもマイホームを持たない人の場合、たとえばライフステージなどに応じて住まいを変えるのは当たり前のこと。近年の日本では都市部と田舎の2拠点でのデュアルライフを楽しむなど、新たなライフスタイルを選ぶ人も徐々に増えている。
また、環境の変化は新たな出会いやアイデアを生む。会社と家の往復をするだけの生活からは出てこないような、新たな着想を得る機会を増やすことができるだろう。ITの発達により社会変化のスピードが速まり、創造的な発想力を持つことの重要性がますます増している現代において、こうした「変化」を追求するライフスタイルを送る若者が増えていることは自然な流れだとすらいえる。
定住先を持たず、旅をするように移動しながら働き、暮らす――。近い将来の日本では、そんなアドレスホッパーという生き方が、ビジネスパーソンにも当たり前のスタイルになっているのかもしれない。
https://www.nomura.co.jp/el_borde/view/0029/