1: KingFisherは魚じゃないよ ★ 2020/01/08(水) 09:03:59.95 ID:mP6DqpVy9
日本の金融業界がこれまでにない変化に直面している。 銀行は前代未聞のリストラを開始しており、証券業界のガリバーだった野村證券も抜本的なビジネスモデルの転換を迫られている。 唯一、好調だったネット証券も競争の激化から売買手数料の無料化に踏み切ろうとしている。 ヤフーとLINEの経営統合によって、ITを駆使した新しい金融サービスが登場するのも時間の問題だ。
2020年は昭和の時代から続いてきた金融業界の秩序が完全崩壊する元年となるだろう。
銀行はスマホ決済で完全に出遅れた
三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとするメガバンク各行は、量的緩和策による低金利で収益力が著しく低下しており、従来の常識では考えられなかった規模のリストラ計画を発表している。 2020年からは現場での人員整理がさらに激しくなると予想されている。 こうした中、銀行における唯一の「攻め」の材料だったのが、各行が開発に力を入れてきた仮想通貨(もしくはデジタル通貨)である。 (中略) 今回、三菱UFJ銀行はリクルート組むことで、銀行の最大の弱点である加盟店の開拓を進める方針と思われるが、 PayPayとLINE Payを擁するヤフーとLINEの経営統合が決まった今、泥臭い営業に弱い銀行が高いシェアを獲得できる可能性は低いだろう。 木で鼻をくくったようなリリースが出てきた背景には、唯一の攻めの分野ですら、すでに他の業界に圧倒されつつある銀行業界の苦境があると考えるのが自然だ。 このままいくと、銀行はひたすらリストラによる規模の縮小と、新規参入組への防戦に追われる可能性が高い。
ガリバー野村が直面した課題
従来の歯車が逆回転しているのは証券業界も同じである。 野村ホールディングスは昨年、国内店舗を大幅に削減し、リテール事業をスリム化する方針を固めた。 全国に156カ所ある野村證券の店舗について統廃合を行い、約2割を削減するという。 店舗のスリム化と同時に営業担当者の配置転換も実施する。 証券業界はあらゆる業界の中で、もっとも体育会的とされるが、野村證券のカルチャーはその中でも突出している。 野村の圧倒的な業績と半ば強引な営業手法は、社員に過酷なノルマを課し、業績未達を絶対に許さない苛烈な社風から生まれてきたといっても過言ではない。 (中略) 駅前の目立つところにあった野村證券の店舗は、近い将来、その多くが姿を消しているかもしれない。
ネット証券は手数料無料化の「体力勝負」へ
一方、証券業界で唯一、好調な業績を維持してきたのがネット証券だったが、この業界にも大きな逆風が吹き始めた。 ネット証券は手数料の安さを武器に、リアルな証券会社から顧客を奪う形で口座を増やしてきたが、そのビジネスモデルが限界を見せ始めている。 昨年10月、ネット証券業界最大手のSBI証券が、今後3年ですべての手数料を無料にする方針を打ち出したことで業界には衝撃が走った。 (中略) これまでネット証券は、短期間に何度も売買を繰り返す積極的な投資家がもたらす手数料を主な収益源としてきた。 だが近年は、AI(人工知能)を使った超高速取引などが導入され、個人投資家が短期売買でプロの投資家に勝つことが難しくなっており、引退を決断する個人投資家も増えている。 しかも日本の場合、経済の貧困化から資金に余裕のない人が多くなり、投資家層は拡大していない。 各社はキャンペーンで口座数を増やしてはいるが、収益には貢献していないというのが現実だ。
(中略)複数のネット証券会社が顧客獲得合戦を繰り広げるという光景は消滅し、最終的には1~2社に集約されてしまう可能性すらあるだろう。 ヤフーやLINEとの経営統合によって、両社はAIを駆使した金融サービスの提供を目論んでいる。 新しい時代における金融サービスの勝者は、膨大な数の顧客から資産を預かり、そこから得られるごくわずかな手数料を積み上げることで巨額の収益を形成する可能性が高い。 昭和の時代から続いてきた従来型金融機関のビジネスモデルは、いよいよ完全終焉することになるだろう。
(全文) https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69656
2020年は昭和の時代から続いてきた金融業界の秩序が完全崩壊する元年となるだろう。
銀行はスマホ決済で完全に出遅れた
三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとするメガバンク各行は、量的緩和策による低金利で収益力が著しく低下しており、従来の常識では考えられなかった規模のリストラ計画を発表している。 2020年からは現場での人員整理がさらに激しくなると予想されている。 こうした中、銀行における唯一の「攻め」の材料だったのが、各行が開発に力を入れてきた仮想通貨(もしくはデジタル通貨)である。 (中略) 今回、三菱UFJ銀行はリクルート組むことで、銀行の最大の弱点である加盟店の開拓を進める方針と思われるが、 PayPayとLINE Payを擁するヤフーとLINEの経営統合が決まった今、泥臭い営業に弱い銀行が高いシェアを獲得できる可能性は低いだろう。 木で鼻をくくったようなリリースが出てきた背景には、唯一の攻めの分野ですら、すでに他の業界に圧倒されつつある銀行業界の苦境があると考えるのが自然だ。 このままいくと、銀行はひたすらリストラによる規模の縮小と、新規参入組への防戦に追われる可能性が高い。
ガリバー野村が直面した課題
従来の歯車が逆回転しているのは証券業界も同じである。 野村ホールディングスは昨年、国内店舗を大幅に削減し、リテール事業をスリム化する方針を固めた。 全国に156カ所ある野村證券の店舗について統廃合を行い、約2割を削減するという。 店舗のスリム化と同時に営業担当者の配置転換も実施する。 証券業界はあらゆる業界の中で、もっとも体育会的とされるが、野村證券のカルチャーはその中でも突出している。 野村の圧倒的な業績と半ば強引な営業手法は、社員に過酷なノルマを課し、業績未達を絶対に許さない苛烈な社風から生まれてきたといっても過言ではない。 (中略) 駅前の目立つところにあった野村證券の店舗は、近い将来、その多くが姿を消しているかもしれない。
ネット証券は手数料無料化の「体力勝負」へ
一方、証券業界で唯一、好調な業績を維持してきたのがネット証券だったが、この業界にも大きな逆風が吹き始めた。 ネット証券は手数料の安さを武器に、リアルな証券会社から顧客を奪う形で口座を増やしてきたが、そのビジネスモデルが限界を見せ始めている。 昨年10月、ネット証券業界最大手のSBI証券が、今後3年ですべての手数料を無料にする方針を打ち出したことで業界には衝撃が走った。 (中略) これまでネット証券は、短期間に何度も売買を繰り返す積極的な投資家がもたらす手数料を主な収益源としてきた。 だが近年は、AI(人工知能)を使った超高速取引などが導入され、個人投資家が短期売買でプロの投資家に勝つことが難しくなっており、引退を決断する個人投資家も増えている。 しかも日本の場合、経済の貧困化から資金に余裕のない人が多くなり、投資家層は拡大していない。 各社はキャンペーンで口座数を増やしてはいるが、収益には貢献していないというのが現実だ。
(中略)複数のネット証券会社が顧客獲得合戦を繰り広げるという光景は消滅し、最終的には1~2社に集約されてしまう可能性すらあるだろう。 ヤフーやLINEとの経営統合によって、両社はAIを駆使した金融サービスの提供を目論んでいる。 新しい時代における金融サービスの勝者は、膨大な数の顧客から資産を預かり、そこから得られるごくわずかな手数料を積み上げることで巨額の収益を形成する可能性が高い。 昭和の時代から続いてきた従来型金融機関のビジネスモデルは、いよいよ完全終焉することになるだろう。
(全文) https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69656