1: みつを ★ 2018/08/16(木) 11:00:21.41 ID:CAP_USER9
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-kengo-suzuki-idJPKBN1L00I7
2018年8月15日 / 08:32 / 3時間前更新
トルコ・ショックは世界金融危機の火種となるか=鈴木健吾氏
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 15日] – トルコリラは10日、対ドルで20%前後の急落をみせた。翌週13日にかけてはリスク回避傾向が加速し、世界中の株価指数が下落。為替市場では新興国通貨が軒並み下落する反面、安全通貨とされる円やドル、スイスフランが上昇する動きとなった。
にわかにトルコを巡る懸念が米中貿易戦争懸念に並び、グローバル経済のリスク要因として浮上した。
もともとトルコリラは年初より下落基調にあった。経常赤字の大きさやインフレ率の高さなどがファンダメンタルズ面で材料視され、政治的にはエルドアン大統領の強権的な政治姿勢が嫌気されていた。
これに加えて10日にはトルコで軟禁中の米国人牧師を巡り米国との対立が先鋭化したことや、欧州の銀行が抱えるトルコ向け債権の大きさを欧州中銀(ECB)が懸念しているといった報道などがきっかけとなり、トルコリラの急落につながった。
この結果、トルコ同様に高インフレや経常赤字を抱えるアルゼンチンペソも急落し、同国中銀は13日、通貨防衛のための緊急利上げに追い込まれている。また、トルコ向け債権が大きいとして名指しで報道されたイタリアやスペインの銀行の株価も13日にかけて7―8%もの急落を演じた。
今回のトルコリラ急落が、1997年のアジア通貨危機のような新興国通貨の連鎖的な急落や、欧州銀行の破綻など金融危機の火種となり、グローバル経済を大幅に悪化させるとの懸念が台頭したのである。
<局地的な悪材料か>
だがその後、株式市場が多少の反発をみせるなど、事態の悪化に一定の歯止めがかかっている。結論から述べると、今回のトルコリラ急落が世界経済を揺るがす危機にまで拡大する可能性は低いと考えている。
インフレ率や経常赤字は新興国の中でもトルコとアルゼンチンが頭ひとつ抜けている。国際通貨基金(IMF)によれば、アルゼンチン、トルコに次いで高インフレなのはメキシコだが、その水準はトルコの半分程度であり、経常赤字も対GDP(国内総生産)比でみれば数分の1に過ぎない。他の新興国通貨も「同類」とするにはやや無理がある。
また、国際決済銀行(BIS)によれば、トルコ向け貸出に占める欧州銀行の割合は74.8%と極めて高いが、欧州銀行からみたトルコ向けの貸出は全体の1%強にすぎない。この一定程度が不良債権化するとしても、金融システム不安につながるとの懸念は悲観的過ぎる。
グローバルなリスク回避の連鎖につながらなければ、あくまで局地的な悪材料の1つということになる。名目GDPで世界21位のアルゼンチンが今年5月にIMFに金融支援を要請した際にも世界の金融市場の動揺は限定的にとどまった。トルコの名目GDPはアルゼンチンよりも3割ほど大きく世界17位だが、世界の金融市場への影響は限定的とみられる。
(リンク先に続きあり)
2018年8月15日 / 08:32 / 3時間前更新
トルコ・ショックは世界金融危機の火種となるか=鈴木健吾氏
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 15日] – トルコリラは10日、対ドルで20%前後の急落をみせた。翌週13日にかけてはリスク回避傾向が加速し、世界中の株価指数が下落。為替市場では新興国通貨が軒並み下落する反面、安全通貨とされる円やドル、スイスフランが上昇する動きとなった。
にわかにトルコを巡る懸念が米中貿易戦争懸念に並び、グローバル経済のリスク要因として浮上した。
もともとトルコリラは年初より下落基調にあった。経常赤字の大きさやインフレ率の高さなどがファンダメンタルズ面で材料視され、政治的にはエルドアン大統領の強権的な政治姿勢が嫌気されていた。
これに加えて10日にはトルコで軟禁中の米国人牧師を巡り米国との対立が先鋭化したことや、欧州の銀行が抱えるトルコ向け債権の大きさを欧州中銀(ECB)が懸念しているといった報道などがきっかけとなり、トルコリラの急落につながった。
この結果、トルコ同様に高インフレや経常赤字を抱えるアルゼンチンペソも急落し、同国中銀は13日、通貨防衛のための緊急利上げに追い込まれている。また、トルコ向け債権が大きいとして名指しで報道されたイタリアやスペインの銀行の株価も13日にかけて7―8%もの急落を演じた。
今回のトルコリラ急落が、1997年のアジア通貨危機のような新興国通貨の連鎖的な急落や、欧州銀行の破綻など金融危機の火種となり、グローバル経済を大幅に悪化させるとの懸念が台頭したのである。
<局地的な悪材料か>
だがその後、株式市場が多少の反発をみせるなど、事態の悪化に一定の歯止めがかかっている。結論から述べると、今回のトルコリラ急落が世界経済を揺るがす危機にまで拡大する可能性は低いと考えている。
インフレ率や経常赤字は新興国の中でもトルコとアルゼンチンが頭ひとつ抜けている。国際通貨基金(IMF)によれば、アルゼンチン、トルコに次いで高インフレなのはメキシコだが、その水準はトルコの半分程度であり、経常赤字も対GDP(国内総生産)比でみれば数分の1に過ぎない。他の新興国通貨も「同類」とするにはやや無理がある。
また、国際決済銀行(BIS)によれば、トルコ向け貸出に占める欧州銀行の割合は74.8%と極めて高いが、欧州銀行からみたトルコ向けの貸出は全体の1%強にすぎない。この一定程度が不良債権化するとしても、金融システム不安につながるとの懸念は悲観的過ぎる。
グローバルなリスク回避の連鎖につながらなければ、あくまで局地的な悪材料の1つということになる。名目GDPで世界21位のアルゼンチンが今年5月にIMFに金融支援を要請した際にも世界の金融市場の動揺は限定的にとどまった。トルコの名目GDPはアルゼンチンよりも3割ほど大きく世界17位だが、世界の金融市場への影響は限定的とみられる。
(リンク先に続きあり)