サイバーリスク保険の需要拡大要因は、大きく2つあるという。1つは、中小企業においてサイバー攻撃対策が十分でないと、大手企業との取引がしづらくなる状況があることだ。大手企業がサイバー攻撃リスクを回避するため、中小企業に対してサイバー攻撃対策を取引条件にするという格好だが、中小企業としてはこの条件を飲まざるをえない。そして2つ目は、来たる20年東京五輪で開催地の日本がサイバー攻撃の標的になる恐れがあり、そのリスク管理が保険活用への呼び水になっていることだ。経済産業省の独立行政法人、情報処理推進機構の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 1.0」でも、サイバーセキュリティ対策としてサイバー保険活用が示されており、行政のお墨付きまで加わった感がある。