
日本は152時間だが、インドでは3,330時間!
サイトの名称は「The real cost of an iPhone(iPhoneにかかる本当のコスト)」。iPhone SEからiPhone Xに至るまで、今市場に出回っているiPhoneを手に入れるには、それぞれ総計で何時間の労働を最低賃金で要求するのか、律儀に8時間労働を行った場合、入手までに何日かかるのかを教えてくれます(価格はドル建て)。
例えば日本の場合、iPhone Xを手に入れるのに必要な労働時間は152時間です。1時間あたりの最低賃金が約6.57ドル(約723円)で計算されていることが分かります。8時間労働を遵守した場合は、入手までに19日を要します。

これがアメリカになると、iPhone Xを入手するまでにかかる時間は137時間、8時間労働下で17.2日と、日本よりも少ない労働時間で済みます。

一方で、新興国はどうでしょう。
中国をみてみると、必要な労働時間は1,148時間にまで跳ね上がります(8時間労働で143.5日)。実に日本で必要な約7.6倍の時間を、iPhone Xに捧げる羽目になります。

ただし、中国は恵まれている方かも知れません。
これがインドになると、必要な時間は3,330時間。8時間労働で416.3日と、休みなく1年以上身を粉にして働かなければ入手できません。ちなみにiPhone SEであれば、必要な日数は8時間労働ベースで145.4日まで減少します。これなら、まだ手の届く「現実的」な価格でしょう。iPhone SEがインドで組み立てられ、iOS製品の主力端末として同国で売られているのも頷けるというものです。

これらの計算はアメリカでの価格が基準なので、現地でのiPhone Xの価格が日本やアメリカよりもずっと高い中国(約14万円)やインド(約15万円)は、実際には入手までにもっと労働日数が必要となります。しかし、iPhoneを目安として、各国の購買力を実感してみるというのも、ビッグマックよりもiPhone購入の列が長い時代にあっては、悪くはないでしょう。
https://iphone-mania.jp/news-183729/