1: かわる ★ 2020/06/27(土) 07:36:29.02 ID:6kIC73+V9
生産緑地放出で都内の不動産価格は下がる
もうひとつの環境変化が、都区内に多く眠る農地だ。今でも世田谷区や練馬区を歩くと多くの都市農地を見ることができる。これらの農地は生産緑地制度に登録した土地が多く、固定資産税が宅地並み課税とはならずに農地並みの課税として取り扱われている。
この生産緑地制度に登録するには、農業を30年間継続することが条件となっているが、東京都内では約3300haが登録されている。都区部では練馬区は177ha、世田谷区でも84haもの土地が生産緑地となっている。
この営農30年の期限が最初に到来するのが2023年だが、現在登録されている生産緑地のおよそ8割が2023年に期限切れを迎えるとされている。期限満了と同時に売却や賃貸アパートなどとしてこれらの土地がマーケットに供給されると、東京の地価は供給圧力に押されて大幅に下落する可能性が囁(ささや)かれている。
生産緑地制度の期限延長や条件の緩和などがすでに打ち出されてはいるが、生産緑地所有者世帯の多くで高齢化が進み、円滑な事業承継が進んでいないのが実態だ。また期限切れの生産緑地を借り上げて農業を営(いとな)む法人個人がどれだけ出現するかも、不透明だ。
新たなブランド街が出現する?
都内での住宅選びの自由度が高まるということは、都内における住宅選びの審美眼が上がることを意味する。今まではとにかく交通利便性だけを重視して会社にアクセスしやすい住宅を選んできた人々が、落ち着いて都内に「住む」ということをさまざまな角度から「考える」ようになるだろう。
中古住宅や土地が大量にマーケットに出てくれば、これまで新築マンション広告を、目を皿のようにして眺めていた顧客が、立地の良い暮らしやすい街を選択するようになるだろう。これまでは「会社ファースト」で住宅選びを行なってきたのが、テレワークが主流となり、必ずしも毎日朝9時から夕方5時まで会社にいなくてもよくなれば、通勤という概念から離れ、一日のうち長い時間を過ごす、自分が住む街の魅力度を精査するようになるだろう。
こうした動きは、これまでの鉄道一本やりだった交通手段に対する考え方をおおいに変える可能性を秘めている。駅から徒歩何分という選択肢ではなく、自分たちの住む街の環境や機能にも目を向けるきっかけになるのである。
都内でも、駅からは遠くとも意外と緑などの自然環境が豊かな住宅地はたくさんある。とても都内とは思えないような静かな住宅地もある。必ずしも湾岸タワーマンションに住んで無理に着飾った生活を送らずとも、都内にはすでに良い街がたくさんあるのだ。
デベロッパーが謳う新築マンションのポエムのような宣伝文句だけに惑わされずに、じっくり街選び、住宅選びができるようになるのがこれからの東京だ。
こうした住宅選びの環境の変化は、なんでも「東京はいいね」といった、これまでのステレオタイプな価値観にも大きな変化が生じるだろう。人々が住宅選び以上に、街を選ぶようになるからだ。同じ行政区にあっても、街の質を選ぶ時代になるのだ。
つまり、夫婦が街の中にある保育所に子供を預け、街の中にあるコワーキング施設で夫婦は会社は違っても、一緒に働き、先に終わったほうが子供を迎えに行き、買い物をする。街で遊び、街を楽しみ、街で寛ぐ。通勤がなくなるということは、自分たちが住む「街」という生活ステージの選択が重要となるのだ。
世田谷区だから「勝ち組」だとか、足立区だから「微妙」とかいう価値観は希薄化し、街のブランドも変わってくるだろう。つまり現代人が必要とする機能を備えた街が、新たなブランド街としての頭角を現わす時代になるのだ。
都内にあっても街間競争に敗れた街は、空き家が増え、地価は大幅に下がるだろう。駅前というアドバンテージだけでは人を集められなくなる街も出現することだろう。そしてこうした時代の到来は、人々の住宅環境に対する意識を高め、街の環境をよくするためのコミュニティーの醸成に尽力する地域社会を作り出すことにつながるはずだ。ここに未来の東京の顔が見えてくる。
そうした意味では、これからの住宅を選ぶことになる若い東京人は幸せだ。これまで人生で稼ぐカネの多くを家という「ねぐら」に注ぎ込まざるをえなかったものが、自分を磨く別のものにも使えるようになるのだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/18475873/
もうひとつの環境変化が、都区内に多く眠る農地だ。今でも世田谷区や練馬区を歩くと多くの都市農地を見ることができる。これらの農地は生産緑地制度に登録した土地が多く、固定資産税が宅地並み課税とはならずに農地並みの課税として取り扱われている。
この生産緑地制度に登録するには、農業を30年間継続することが条件となっているが、東京都内では約3300haが登録されている。都区部では練馬区は177ha、世田谷区でも84haもの土地が生産緑地となっている。
この営農30年の期限が最初に到来するのが2023年だが、現在登録されている生産緑地のおよそ8割が2023年に期限切れを迎えるとされている。期限満了と同時に売却や賃貸アパートなどとしてこれらの土地がマーケットに供給されると、東京の地価は供給圧力に押されて大幅に下落する可能性が囁(ささや)かれている。
生産緑地制度の期限延長や条件の緩和などがすでに打ち出されてはいるが、生産緑地所有者世帯の多くで高齢化が進み、円滑な事業承継が進んでいないのが実態だ。また期限切れの生産緑地を借り上げて農業を営(いとな)む法人個人がどれだけ出現するかも、不透明だ。
新たなブランド街が出現する?
都内での住宅選びの自由度が高まるということは、都内における住宅選びの審美眼が上がることを意味する。今まではとにかく交通利便性だけを重視して会社にアクセスしやすい住宅を選んできた人々が、落ち着いて都内に「住む」ということをさまざまな角度から「考える」ようになるだろう。
中古住宅や土地が大量にマーケットに出てくれば、これまで新築マンション広告を、目を皿のようにして眺めていた顧客が、立地の良い暮らしやすい街を選択するようになるだろう。これまでは「会社ファースト」で住宅選びを行なってきたのが、テレワークが主流となり、必ずしも毎日朝9時から夕方5時まで会社にいなくてもよくなれば、通勤という概念から離れ、一日のうち長い時間を過ごす、自分が住む街の魅力度を精査するようになるだろう。
こうした動きは、これまでの鉄道一本やりだった交通手段に対する考え方をおおいに変える可能性を秘めている。駅から徒歩何分という選択肢ではなく、自分たちの住む街の環境や機能にも目を向けるきっかけになるのである。
都内でも、駅からは遠くとも意外と緑などの自然環境が豊かな住宅地はたくさんある。とても都内とは思えないような静かな住宅地もある。必ずしも湾岸タワーマンションに住んで無理に着飾った生活を送らずとも、都内にはすでに良い街がたくさんあるのだ。
デベロッパーが謳う新築マンションのポエムのような宣伝文句だけに惑わされずに、じっくり街選び、住宅選びができるようになるのがこれからの東京だ。
こうした住宅選びの環境の変化は、なんでも「東京はいいね」といった、これまでのステレオタイプな価値観にも大きな変化が生じるだろう。人々が住宅選び以上に、街を選ぶようになるからだ。同じ行政区にあっても、街の質を選ぶ時代になるのだ。
つまり、夫婦が街の中にある保育所に子供を預け、街の中にあるコワーキング施設で夫婦は会社は違っても、一緒に働き、先に終わったほうが子供を迎えに行き、買い物をする。街で遊び、街を楽しみ、街で寛ぐ。通勤がなくなるということは、自分たちが住む「街」という生活ステージの選択が重要となるのだ。
世田谷区だから「勝ち組」だとか、足立区だから「微妙」とかいう価値観は希薄化し、街のブランドも変わってくるだろう。つまり現代人が必要とする機能を備えた街が、新たなブランド街としての頭角を現わす時代になるのだ。
都内にあっても街間競争に敗れた街は、空き家が増え、地価は大幅に下がるだろう。駅前というアドバンテージだけでは人を集められなくなる街も出現することだろう。そしてこうした時代の到来は、人々の住宅環境に対する意識を高め、街の環境をよくするためのコミュニティーの醸成に尽力する地域社会を作り出すことにつながるはずだ。ここに未来の東京の顔が見えてくる。
そうした意味では、これからの住宅を選ぶことになる若い東京人は幸せだ。これまで人生で稼ぐカネの多くを家という「ねぐら」に注ぎ込まざるをえなかったものが、自分を磨く別のものにも使えるようになるのだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/18475873/