様相を呈することになれば、綱渡りの中国経済がバランスを失い、利益を圧迫するデフレの波が欧米諸国を襲う。
そうなれば投資家はパニック状態に陥らざるを得ない。
まるでマウストラップ(ねずみ捕り)ゲームのようだ。
これは仏ソシエテ・ジェネラルのアナリストで、筋金入りのペシミスト(悲観論者)で
あるアルバート・エドワーズ氏(ロンドン在勤)の見解だ。同氏が属するチームは、
トムソン・ロイター・エクステルのグローバルストラテジー番付で2007年から
毎年首位を維持しているが、人が耳を傾けたくない不愉快な分析を行うことで知られている。
エドワーズ氏は先週の電話インタビューで、「私の役割は市場で形成されている
過度の熱狂から距離を置くことであり、『この状況は誤りであり恐ろしく間違った方向に進んでいる』
と発言することだ」と述べた。
同氏はインタビューで、1997年のアジア通貨危機は円安が誘因だったとの見方を示し、
円の対ドル相場が6年ぶりの安値となる1ドル=110円台に今週下落したことに関連し、
円安があらゆる人々の利益に反する連鎖反応を引き起こす最初のドミノに再びなる恐れがあると語った。
同氏は、世界経済の次の大きなトラブルスポットになる可能性が高く、
今年は1990年以来の低成長が予想される中国で何が起こるか知りたければ、
日本にその手掛かりを求めるべきだと指摘。円の下落につれて
他のアジア通貨の為替レートが下がれば、中国は輸出競争力を維持するために
人民元の変動幅調整やマネーサプライの拡大といった手段で元相場押し下げに動かざるを得ず、
金融危機から完全に立ち直っていない先進国経済が圧迫されると予想した。
1ドル=150円も
エドワーズ氏は「円相場は長年の下値支持線である120円を目指しており、
この水準を抜ければ140円、そして150円に向かう可能性がある。あっという間の速い動きになるだろう」と発言した。
しかし、円の動きを予測するアナリストの一般的な見解は、エドワーズ氏とは異なる。
ブルームバーグのアナリスト調査の予想中央値によれば、円相場は来年6月末時点でも
110円から大きく動くことはなさそうだ。
最も弱気なイーバリー・パートナーズの見通しでさえ120円の円安水準にとどまっている。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCUB1M6K50Y301.html
円の際限ない下落は最初のドミノか-ソシエテの悲観的シナリオ