1:Charlotte ★ 2015/10/02(金) 14:35:16.64 ID:???*.net
消えぬ「黒田バズーカ」への恐怖が投資家によるリスク回避の円買いを抑制している。中国発の新興国経済不安が続く中でも円高は進まず、円相場の膠着は長引いている。
9月以降の高値は1ドル=118円60銭、安値は121円38銭で、取引は3円以内の小幅なレンジにすっぽりと収まる。
くすぶる日銀の追加金融緩和への思惑が揺れ動き、投資家が積極的に円を買いにくい。その状況は9月の全国企業短期経済観測調査(短観)の発表を受けても大きくは変わっていない。短観では注目が集まる大企業製造業の業況判断指数(DI)が3期ぶりに悪化した。一方で、大企業非製造業の業況判断DIは1991年11月以来の好況感となった。
市場では「総じて企業マインドは底堅く、現時点で日銀の物価上昇シナリオは崩れていない」との見方が大勢を占め、「ひとまず日銀が7日の金融政策決定会合において追加緩和に踏み切る可能性は低くなった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏)との指摘がある。
ただ、30日に予定されているその次の会合での追加緩和を予想する声はくすぶる。短観調査に含まれ、2日に公表された企業の物価見通しでは回答企業1万1千社の平均(全規模全産業)で1年後、3年後、5年後の物価の前年比上昇率見通しが軒並み下方修正された。企業のインフレ期待がじわりと鈍っていることを示し、日銀が「前向きな循環メカニズム」の要素として挙げる賃上げにも響いてくる可能性がある。
市場では企業の事業計画の前提となっている想定為替レート(大企業製造業)が円安に振れていることを警戒する向きがある。短観9月調査では2015年度が117円39銭となり、6月調査の115円62銭から下がった。119円90銭前後で取引されている実勢に接近してきた。想定レートを上回る円高が進めば、製造業の業績の下方修正につながりかねない。
「企業マインドを支えているのは好業績」(JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏)。日銀が許容できる円高余地は限られてきており、予防的な追加緩和に動いてもおかしくないとの見方がある。
1年が経過したものの、市場関係者にとって昨年10月末のサプライズ追加緩和の記憶は、その衝撃度と相まっていまだに鮮明だ。当時、直前まで緩和のそぶりを見せなかった黒田東彦総裁の発言を中心に、日銀が発するメッセージに対して市場は神経質になっている。
「当面は緩和観測などに関して積極的にポジションをとる動きは限られる」(植野氏)。米利上げ観測に伴うドルの動向によるところもあるが、円相場の膠着状態はしばらく続きそうだ。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO92366600S5A001C1000000/
9月以降の高値は1ドル=118円60銭、安値は121円38銭で、取引は3円以内の小幅なレンジにすっぽりと収まる。
くすぶる日銀の追加金融緩和への思惑が揺れ動き、投資家が積極的に円を買いにくい。その状況は9月の全国企業短期経済観測調査(短観)の発表を受けても大きくは変わっていない。短観では注目が集まる大企業製造業の業況判断指数(DI)が3期ぶりに悪化した。一方で、大企業非製造業の業況判断DIは1991年11月以来の好況感となった。
市場では「総じて企業マインドは底堅く、現時点で日銀の物価上昇シナリオは崩れていない」との見方が大勢を占め、「ひとまず日銀が7日の金融政策決定会合において追加緩和に踏み切る可能性は低くなった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏)との指摘がある。
ただ、30日に予定されているその次の会合での追加緩和を予想する声はくすぶる。短観調査に含まれ、2日に公表された企業の物価見通しでは回答企業1万1千社の平均(全規模全産業)で1年後、3年後、5年後の物価の前年比上昇率見通しが軒並み下方修正された。企業のインフレ期待がじわりと鈍っていることを示し、日銀が「前向きな循環メカニズム」の要素として挙げる賃上げにも響いてくる可能性がある。
市場では企業の事業計画の前提となっている想定為替レート(大企業製造業)が円安に振れていることを警戒する向きがある。短観9月調査では2015年度が117円39銭となり、6月調査の115円62銭から下がった。119円90銭前後で取引されている実勢に接近してきた。想定レートを上回る円高が進めば、製造業の業績の下方修正につながりかねない。
「企業マインドを支えているのは好業績」(JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏)。日銀が許容できる円高余地は限られてきており、予防的な追加緩和に動いてもおかしくないとの見方がある。
1年が経過したものの、市場関係者にとって昨年10月末のサプライズ追加緩和の記憶は、その衝撃度と相まっていまだに鮮明だ。当時、直前まで緩和のそぶりを見せなかった黒田東彦総裁の発言を中心に、日銀が発するメッセージに対して市場は神経質になっている。
「当面は緩和観測などに関して積極的にポジションをとる動きは限られる」(植野氏)。米利上げ観測に伴うドルの動向によるところもあるが、円相場の膠着状態はしばらく続きそうだ。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO92366600S5A001C1000000/