2015年の日経平均はどうなるのか。アナリストなど84人に聞いた。その結果とは?
■強気派はこう見る!日本企業は過去最高益を達成し日経平均は15年ぶりの2万円台へ!
2014年は年初から株価が軟調な展開が続いたが、10月末に日銀の黒田総裁が追加の金融緩和を決定したことで株価は急騰。12月8日に日経平均は一時1万8000円を突破して年初来高値を更新。
図はプロ84人への2015年の日本株予測アンケートの結果を表したものだ。

その結果、日経平均の高値予測の平均は2万420円と2万円を上回った。こうした強気相場を予測するプロに共通する株価上昇の大きな理由が、企業業績の好調と円安効果だ。
大和証券の木野内栄治さんは「業績向上と現状の為替レートを反映しただけでも、2万円までの上昇は説明できる」と強気だ。実際、東証1部に上場する企業の合計の業績は、中間期決算時点の売上高と営業利益、純利益が過去最高を更新している。

また、今後も企業業績の好調が続くとの予測が多い理由は、米国景気の回復と欧州や中国景気の底入れが見込めるからだ。
第一生命経済研究所の嶌峰義清さんは「米国を中心とした世界経済の回復が明確になり、円安進展と輸出回復が株価上昇の牽引役となる」
と見ている。さらに、業績を押し上げる要因として、「原油価格下落や消費増税のマイナス効果剥落、政府の追加景気対策などで国内景気が回復に転じる」(楽天証券の窪田真之さん)という点も見逃せない。
加えて、日本や欧州の追加の金融緩和など、株が買われやすい環境になりつつある。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎さんは「日銀のETF購入やGPIFの日本株組み入れ比率の引き上げで15年末に高値2万6000円」と最も強気。さらに、懸念の個人消費も「春闘の賃上げで消費も低迷から脱出し、NISAを中心に個人投資家の買いも増加する」(金融ストラテジスト春山昇華さん)可能性もある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の嶋中雄二さんは「2017年までは高度成長期の岩戸景気と同じフェイズ。今後3年間での予測高値は2万8000円で、16年末から17年初に達成する」と超強気の予測もある。
■弱気派はこう見る!アベノミクス第三の矢は不発で1万6000円割れまでの下落へ!
多くのプロが2015年は強気相場と予測しているものの、安値予測の平均はと言えば、1万6000円と12月8日時点の1万8000円と比較すると約10%のだ。さらに、1万6000円を下回ると予測する人は24人となった。
最も大きな株価の下落要因となりそうなのが、米国の利上げだ。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康さんが「米国の利上げ直前に日米の株価が調整局面に入り、一時的に1万6500円まで反落する」と予測するなど、米国の利上げ前後が2015年の安値という予測が多く、その時期は、5~8月頃の可能性が高いと言われている。
一方で、マネックス証券の広木隆さんは「利上げは米国の景気回復の証明で、円安が進行することによって、外需株を中心に企業業績のさらなる向上など、株価にはプラスになる」と読む。
利上げ決定前後は下落リスクが高いが、その後は企業業績の動向がポイントとなる。
安値の時期として、最も予想が多かったのが10月。そもそも、11月はヘッジファンドの決算期ということもあり、秋口は株価が下落しやすいという傾向にある。
さらに、マンハッタン・グローバル・フィナンシャルの森崇さんは「年央に米国の利上げが始れば、企業業績への影響が懸念される10月頃に1万5500円付近まで下落する」と予測している。
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>>2以降に続く)