
とくに阿鼻叫喚の様相を呈したのが、外国為替証拠金取引(FX)の投資家たちだ。口座数は約660万と10年間で6倍に増えているが、 為替が大幅に乱高下した24日は、数百万円、ひどい場合は数千万円以上の大損を被るケースが続出したという。ある男性投資家(42)が語る。
「リーマン・ショック時は1時間で1円の円高というスピードでしたが、24日は午前11時半すぎからの30分間で一気に3円超も急伸しました FX会社には投資家に想定外の損失が及ばないようにする“強制ロスカット”の義務が課されているため、あらかじめ口座に入れた 証拠金よりも損することはめったにありません。ただ、為替が急伸・急落して売買の取引が成立しないと、元金がマイナスになることがあります。 24日は“あり得ない事態”が起きました」
FXは「レバレッジ」という“てこの原理”を働かせる仕組みで証拠金の最大25倍までの金額が取引できる。 もっとも、海外には最大888倍の超ハイリスク・ハイリターンの取引を提供するFX業者もあり、利用している国内投資家もいる。
「単純な為替のアップダウンに賭けるFXは投資ではなく、丁半バクチに近い。そんなものに高リスクのレバレッジをかけるなんて狂気の沙汰です。 この危険な市場に個人投資家が群がっているのは、過大なリスクを取っても大きなリターンを狙おうとする心理が働いているからでしょう。 日銀のマイナス金利政策と、投資をあおろうとする安倍政権の弊害です」(IMSアセットマネジメントの清水秀和代表)
24日の市場パニックで痛手を負い、リバウンドで起きるだろう円急落に賭けて挽回を狙っている投資家は死と隣り合わせだと覚悟した方がいい。