
各自治体によって家庭ゴミまでもが管理され、「ゴミは朝の8時半までに出してください」と言われれば、寝坊して9時前に出すのさえも躊躇する。
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ニューヨークには、日本のような「ゴミ収集所」が存在しない。ゴミの日に自分のアパートやオフィスの前にゴミ袋を置いておくと、それを収集車が1つひとつ回収しに来るのだ。それゆえゴミの日には、歩道に黒い塊が長い列をなし、歩行者は、狭くなった歩道を圧迫感をもって歩くことになるのだが、驚くべきことは、その歩道に積まれる黒いゴミの山の隣に、家具がドンと捨てられていることだ。
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こうしてニューヨーク市内から出される1日のゴミの量は約4万トン。1週間余りで、エンパイアステートビルと同じ質量のゴミが出されている計算になる。しかし市は、自身のゴミ処理場を持っておらず、ほぼすべての一般ゴミを、トレーラーや鉄道、船を使って市外、州外、時には国外へ運び、埋め立てている。このゴミ輸送時にも、温室効果ガスを排出することを忘れてはならない。
そんなニューヨーク市のゴミ収集マンの年収は想像以上に高く、中には年収が1,000万円を超える人もいる。また、年金や医療保障なども充実しているため、当然求人募集には応募が殺到するのだが、テストや運転技術などといった多くの適性検査に合格し、雇用されるのはほんのわずかである。2015年のデータによると、9万人ものエントリーに対し、採用されたのはわずか500人。倍率は1%にも満たない。ハーバード大学への合格倍率が6%と考ると、彼らがどれだけの「エリート」なのかが分かるだろう。
ゴミを出すことで、「人もうらやむ雇用」が生み出されているとは、なんとも皮肉なことだ。
ゴミ収集人の年収は1000万円!パリ協定離脱したアメリカからゴミが減らない理由とは
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20170612/Harbor_business_142664.html