
主力取引銀行である、みずほ銀行と三菱UFJ銀行がそれぞれ約500億円ずつを保有する「A種種類株式」を21日に自己資金で取得し、消却する。シャープは1月にも合計約850億円分の優先株を自己資金で買い取った。今回、さらに970億円分を買い戻すことで主力2行が持つ優先株はすべて無くなる。
シャープは主力の液晶パネル事業の不振で13年3月期までの2年間や15年3月期に巨額の最終赤字を計上。財務体質の悪化をうけ、主力2行は15年6月に支援策の一環として、債務を優先株に振り替える「デット・エクイティ・スワップ」という手法を用いてシャープの資本を増強した。
ただ2行が保有する優先株は普通株と比べ高い配当が必要なことに加え、今年7月以降には銀行側が普通株への転換を請求できる権利も発生する予定だった。意図しないタイミングで株数が大きく増える懸念もあり、優先株の処理はシャープが鴻海傘下で再建を進める上でも課題の一つとなっていた。
2019/6/11 12:30 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45935490R10C19A6000000/