
同紙によると、IEAは2015年の世界全体の原油生産量は需要よりも1日あたり190万バレル多かったと推定。この余った190万バレルのうち77万バレルは備蓄に回され、30万バレルはタンカーなどによる輸送の最中にあるが、残る約80万バレルは所在がつかめないという。
原油が需要を1日190万バレルも上回って生産されているとするIEAの統計は原油の供給過剰を示す根拠とされ、原油価格を押し下げてきた。しかし専門家からは「行方不明とされる80万バレルの多くはもともと存在しなかったのではないか」との指摘もあり、これが真実ならば市場の供給過剰感は現実よりも過大に見積もられてきたことになる。
ただし同紙は、IEAの原油備蓄量に関するデータは経済協力開発機構(OECD)加盟国だけのもので、中国などのデータは含まれていないとも指摘。このため80万バレルの中にはエネルギー調達を進めてきた中国に蓄えられている分も含まれている可能性もあり、原油が行方不明となっている理由は藪の中だ。
http://www.sankei.com/world/news/160318/wor1603180055-n1.html