1: 田杉山脈 ★ 2019/03/06(水) 00:24:35.61 ID:CAP_USER
半導体産業は、費用対効果をできるだけ大きくすることを目的に、できるだけ大口径のウェハを用いてデバイスを製造することを目指してきた。このため、生産能力が低い工場(ファブ)、いわゆる200mmウェハ以下のファブは、現在の量産適用可能な最大サイズである300mmウェハに対応したファブに比べて閉鎖されやすいという状況となっている。
米IC Insightsは、最近発表した調査レポート「Global Wafer Capacity 2019-2023(世界のウェハ生産能力 2019~2023)」において、「過去10年間(2009年~2018年)に、世界中の半導体メーカーは合計97のウェハファブ(前工程)を閉鎖または他目的に転用した」との調査結果を発表した。
2010年代半ばに半導体企業の合併と買収が急増しファブが余剰になったうえに、20nm以下の微細プロセス技術でICを製造する企業が増えたため、そうした微細プロセスに対応できず、かつ生産効率の悪い小口径ウェハファブは企業活動におけるコスト削減対象になっている。
2009~2018年の10年間に閉鎖あるいは他目的に転用されたウェハファブ数をウェハサイズ別で見ると、もっとも多いのが150mmウェハで42ファブ、ついで200mmmの24ファブとなっており、最大口径の300mmは10ファブの閉鎖に留まっている。IC Insgihtsによれば、300mmファブを最初に閉鎖に踏み切ったのは、Infineon Technologiesから分離独立し、2009年に廃業したDRAMメーカーのQimondaであったという。
また、直近の2018年には、3つの150mmウェハファブが閉鎖または他目的に転用されたが、そのうち2つはルネサス エレクトロニクスの製造担当子会社であるルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリングの高知工場(元は1986年創設の三菱電機 高知工場)と、滋賀工場で、高知工場はアナログIC、ロジックIC、ディスクリート半導体などの製造を担当していたが全面閉鎖となり、異業種の丸三産業に売却。丸三産業では、コットン・オーガニックコットンを用いた製品の製造工場になる模様である。また、滋賀工場は生産ラインの集約が行われ、現在は光学デバイスのラインのみとなっているようだ。
2018年に閉鎖された3つ目の150mmファブは、米国ミネソタ州ブルーミントンにあるPolar Semiconductor(現 サンケン電気)のFab 1である。このファブはアナログ半導体やディスクリート半導体の製造を担当するほか、一部ではファウンドリサービスも提供していたという。
新たなウェハファブの建設コストや製造装置コストの高騰ならびに、そして多くの半導体企業のファブライトやファブレスへの移行が進んでいることから、IC Insightsでは今後数年間のうちに、さらに多くのファブが閉鎖されると予測している。
すでに5つのファブの閉鎖や目的変更が発表されている。1つ目は、Samsung Electronicsの300mmメモリファブ(Line 13)で、2019年中にイメージセンサを生産するファブに生まれ変わることになっている。2つ目は、スコットランドのグリノックにあるTexas Instruments(TI)の200mmアナログICファブ「GFAB」で2019年6月までに閉鎖される見込みである。3つ目および4つ目は、ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリングの2つの150mmファブ(志賀工場のシリコンラインと山口工場)で、2020年から2021年にかけて閉鎖される予定となっている。いずれも元はNEC系列の主力工場であった。そして5つ目が、Analog Devices(ADI)の米国カリフォルニア州ミルピタスにある150mmファブで、2021年2月までに閉鎖することが計画されている。同工場はもともと、ADIが買収したLinear Technologyが所有していた古いファブである。
なお、2009~2018年に閉鎖あるいは他目的に転用されたウェハファブ数の地域・国別内訳を見ると、日本の半導体サプライヤが、ほかのどの国/地域よりも多い36ファブの閉鎖を行っている。この間、北米では31ファブが、欧州では18ファブが、そして日本を除くアジア太平洋地域では12ファブがそれぞれ閉鎖されているが、この間、日本だけ、新たなファブがほとんど立ち上がっていないことから、IC Insightsでは、日本が全世界の半導体設備投資の5%ほどしか占められていないことは、不思議ではないと指摘している。 https://news.mynavi.jp/article/20190305-783350/
米IC Insightsは、最近発表した調査レポート「Global Wafer Capacity 2019-2023(世界のウェハ生産能力 2019~2023)」において、「過去10年間(2009年~2018年)に、世界中の半導体メーカーは合計97のウェハファブ(前工程)を閉鎖または他目的に転用した」との調査結果を発表した。
2010年代半ばに半導体企業の合併と買収が急増しファブが余剰になったうえに、20nm以下の微細プロセス技術でICを製造する企業が増えたため、そうした微細プロセスに対応できず、かつ生産効率の悪い小口径ウェハファブは企業活動におけるコスト削減対象になっている。
2009~2018年の10年間に閉鎖あるいは他目的に転用されたウェハファブ数をウェハサイズ別で見ると、もっとも多いのが150mmウェハで42ファブ、ついで200mmmの24ファブとなっており、最大口径の300mmは10ファブの閉鎖に留まっている。IC Insgihtsによれば、300mmファブを最初に閉鎖に踏み切ったのは、Infineon Technologiesから分離独立し、2009年に廃業したDRAMメーカーのQimondaであったという。
また、直近の2018年には、3つの150mmウェハファブが閉鎖または他目的に転用されたが、そのうち2つはルネサス エレクトロニクスの製造担当子会社であるルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリングの高知工場(元は1986年創設の三菱電機 高知工場)と、滋賀工場で、高知工場はアナログIC、ロジックIC、ディスクリート半導体などの製造を担当していたが全面閉鎖となり、異業種の丸三産業に売却。丸三産業では、コットン・オーガニックコットンを用いた製品の製造工場になる模様である。また、滋賀工場は生産ラインの集約が行われ、現在は光学デバイスのラインのみとなっているようだ。
2018年に閉鎖された3つ目の150mmファブは、米国ミネソタ州ブルーミントンにあるPolar Semiconductor(現 サンケン電気)のFab 1である。このファブはアナログ半導体やディスクリート半導体の製造を担当するほか、一部ではファウンドリサービスも提供していたという。
新たなウェハファブの建設コストや製造装置コストの高騰ならびに、そして多くの半導体企業のファブライトやファブレスへの移行が進んでいることから、IC Insightsでは今後数年間のうちに、さらに多くのファブが閉鎖されると予測している。
すでに5つのファブの閉鎖や目的変更が発表されている。1つ目は、Samsung Electronicsの300mmメモリファブ(Line 13)で、2019年中にイメージセンサを生産するファブに生まれ変わることになっている。2つ目は、スコットランドのグリノックにあるTexas Instruments(TI)の200mmアナログICファブ「GFAB」で2019年6月までに閉鎖される見込みである。3つ目および4つ目は、ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリングの2つの150mmファブ(志賀工場のシリコンラインと山口工場)で、2020年から2021年にかけて閉鎖される予定となっている。いずれも元はNEC系列の主力工場であった。そして5つ目が、Analog Devices(ADI)の米国カリフォルニア州ミルピタスにある150mmファブで、2021年2月までに閉鎖することが計画されている。同工場はもともと、ADIが買収したLinear Technologyが所有していた古いファブである。
なお、2009~2018年に閉鎖あるいは他目的に転用されたウェハファブ数の地域・国別内訳を見ると、日本の半導体サプライヤが、ほかのどの国/地域よりも多い36ファブの閉鎖を行っている。この間、北米では31ファブが、欧州では18ファブが、そして日本を除くアジア太平洋地域では12ファブがそれぞれ閉鎖されているが、この間、日本だけ、新たなファブがほとんど立ち上がっていないことから、IC Insightsでは、日本が全世界の半導体設備投資の5%ほどしか占められていないことは、不思議ではないと指摘している。 https://news.mynavi.jp/article/20190305-783350/