1: ダース・シコリアン卿 ★ 2016/11/22(火) 20:46:47.40 ID:CAP_USER9
トランプ次期米大統領が21日、就任初日にTPP離脱を通告すると明言したことで、世界国内総生産(GDP)の4割を占める巨大経済圏の誕生は事実上、困難になった。米国を席巻する保護主義の壁は、世界の安定を守るため進められてきた自由貿易をせき止めようとし、世界経済を萎縮させかねない。
「中国や日本からの輸入増で米国の雇用が奪われている」。トランプ氏はこれまで、「自国第一」を全面に掲げ、ヒトやモノの自由な移動について批判的な発言を展開してきた。
自由貿易は世界中で勝者と敗者を生み、貧富の差を拡大させた-という論理だ。英国が欧州連合(EU)離脱を決めたのも、東欧から流入する労働移民への不満が背景にある。
しかし、保護主義には大きな副作用がある。1929年の世界大恐慌では、各国が輸入品に高い関税をかけて自国産業を保護した。その結果、貿易量の減少と恐慌の深刻化を招き、先の大戦の一因となった。
自由貿易は国境の垣根を低くして貿易や経済規模の拡大に寄与した。日本が農産品の市場開放など痛みに耐えて自由貿易の取り組みを進めたのも、かつての過ちの教訓があるからだ。 ただ、発効条件を変更しても米国抜きのTPP成立は難しい。参加国は域内GDPの6割を占める米国市場の開放を目当てに高レベルの関税撤廃率や貿易・投資ルールの自由化を受け入れており、国内の理解を得られない。日本がトランプ次期政権と自由貿易協定(FTA)交渉に臨めば、かつての日米貿易摩擦のような事態になりかねない。保護主義に対抗するには、巨大自由貿易協定(メガFTA)の機運を維持することだ。残る希望は交渉が大詰めを迎えたEUとの経済連携協定(EPA)。日本は合意を急ぎ、世界に向け反撃ののろしを上げる必要がある。
産経
http://www.sankei.com/world/news/161122/wor1611220045-n1.html