1: みつを ★ 2017/11/16(木) 02:22:26.51 ID:CAP_USER9
https://jp.reuters.com/article/column-redesigned-tpp-idJPKBN1DF09S
2017年11月15日 / 03:58 / 9時間前更新
Quentin Webb
[香港 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 新たな環太平洋連携協定(TPP)は、たとえ米国が参加しなくても、大きな合意だ。ドナルド・トランプ氏は、米大統領就任時から不参加を表明。世界最大の経済国である米国の不参加は、同協定全体としてのインパクトを著しく低下させる。
だが、今回大筋合意に至った日本やオーストラリア、カナダなど参加11カ国にとっては、有益な協定であることに変わりはなく、同協定は将来的に拡大する可能性も秘めている。
新TPPについて、これまでの経緯と今後の展望を以下にまとめた。
●TPPが今も続いているのはなぜか
政治、経済の両面で理由が存在する。グローバリゼーションの伝統的支持国が考えを大きく転換するなか、同協定は参加国が自由貿易に対するコミットメントを再確認するのに役立つ。
また、主に対米貿易黒字を削減する目的で2国間協定を推進するトランプ米政権に対して、TPP参加11カ国が、交渉上の立場を強める効果がある。
米国が抜けたことで、そのメリットは明らかに減るだろうが、それでも重要なことに変わりはない。参加各国はすでに、農業など強力なロビー団体と闘うなど国内改革の基盤を整えつつある。こうした改革による恩恵を得る可能性がある。最終的な合意にはまだ至っていないが、カナダや他の反対国を懐柔できれば、向こう数カ月以内に正式合意に至る可能性がある。
●どのように変わったか
それほどには変わっていない。だが新しい名称はさらにダサくなり、「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」となった。米国を除く新協定では、アジアからはブルネイ、日本、マレーシア、シンガポール、ベトナムが、オセアニアからはオーストラリアとニュージーランドが、アメリカ大陸からはカナダ、チリ、メキシコ、ペルーが参加し、世界国内総生産(GDP)の約14%を占めることになる。
一部の項目はカナダなどの反対を受け、凍結された。その多くは知的財産の分野に関連している。アジア貿易センターは、著作権の保護期間が50年から70年に延長されなくなると指摘。その一方で、関税削減と、労働や環境といった分野における基準強化という2つの中核的な前提は生かされている。
●経済的メリットは何か
かなりのものだが、当初よりは大幅に低下した。ピーターソン研究所が10月に発表した推計では、いわゆる「TPP11」は2030年までに世界の実質所得を0.1%押し上げる。これは2015年のドル換算で1470億ドル(約16.7兆円)に相当する。一方、米国が参加する予定だった当初は4920億ドルの増加が見込まれていた。輸出の伸びは0.8%で、当初の3.1%からこちらも低下している。 (>>2以降に続きあり)
2017年11月15日 / 03:58 / 9時間前更新
Quentin Webb
[香港 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 新たな環太平洋連携協定(TPP)は、たとえ米国が参加しなくても、大きな合意だ。ドナルド・トランプ氏は、米大統領就任時から不参加を表明。世界最大の経済国である米国の不参加は、同協定全体としてのインパクトを著しく低下させる。
だが、今回大筋合意に至った日本やオーストラリア、カナダなど参加11カ国にとっては、有益な協定であることに変わりはなく、同協定は将来的に拡大する可能性も秘めている。
新TPPについて、これまでの経緯と今後の展望を以下にまとめた。
●TPPが今も続いているのはなぜか
政治、経済の両面で理由が存在する。グローバリゼーションの伝統的支持国が考えを大きく転換するなか、同協定は参加国が自由貿易に対するコミットメントを再確認するのに役立つ。
また、主に対米貿易黒字を削減する目的で2国間協定を推進するトランプ米政権に対して、TPP参加11カ国が、交渉上の立場を強める効果がある。
米国が抜けたことで、そのメリットは明らかに減るだろうが、それでも重要なことに変わりはない。参加各国はすでに、農業など強力なロビー団体と闘うなど国内改革の基盤を整えつつある。こうした改革による恩恵を得る可能性がある。最終的な合意にはまだ至っていないが、カナダや他の反対国を懐柔できれば、向こう数カ月以内に正式合意に至る可能性がある。
●どのように変わったか
それほどには変わっていない。だが新しい名称はさらにダサくなり、「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」となった。米国を除く新協定では、アジアからはブルネイ、日本、マレーシア、シンガポール、ベトナムが、オセアニアからはオーストラリアとニュージーランドが、アメリカ大陸からはカナダ、チリ、メキシコ、ペルーが参加し、世界国内総生産(GDP)の約14%を占めることになる。
一部の項目はカナダなどの反対を受け、凍結された。その多くは知的財産の分野に関連している。アジア貿易センターは、著作権の保護期間が50年から70年に延長されなくなると指摘。その一方で、関税削減と、労働や環境といった分野における基準強化という2つの中核的な前提は生かされている。
●経済的メリットは何か
かなりのものだが、当初よりは大幅に低下した。ピーターソン研究所が10月に発表した推計では、いわゆる「TPP11」は2030年までに世界の実質所得を0.1%押し上げる。これは2015年のドル換算で1470億ドル(約16.7兆円)に相当する。一方、米国が参加する予定だった当初は4920億ドルの増加が見込まれていた。輸出の伸びは0.8%で、当初の3.1%からこちらも低下している。 (>>2以降に続きあり)