1: ノチラ ★ 2018/04/25(水) 23:05:31.88 ID:CAP_USER
一度は読んでおきたい投資や経済にまつわるマネーの名著を、お金のプロがポイントを絞って解説する連載企画。 今回取り上げるのは、1998年の初版発行以来、投資の教科書として全世界で100万人以上に愛読されている『敗者のゲーム』。辛口経済評論家として活躍する浜矩子さんにわかりやすく解説してもらいました。投資を始めようと思っている方は必見!
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今回まとめてくれたのは、オシャレな辛口経済評論家でおなじみの浜矩子先生。
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プロであっても市場に勝ち続けることはできない この本の中で繰り返し強調しているのは、市場平均を上回る投資成果を得ることはほぼ不可能である、ということです。現在、投資家のほとんどは、生命保険や年金、投資信託など、他人から委託された資金を運用している機関投資家ですが、一般的には優秀な機関投資家たちが皆、市場平均を上回る成果を上げていると考えられています。しかし、著者エリスは人々が抱くこのようなイメージに対してこう指摘しています。
──「機関投資家そのものが市場なのだから、機関投資家全体としては、自分自身に打ち勝つことはできない」。
つまり、投資家のほとんどが機関投資家なのだとすれば、市場は機関投資家にとって、自分と同じくらい優秀な投資家たちがしのぎを削る世界だということになります。しかも、投資には手数料などのコストがかかるので、例えば市場収益率の平均が9%で、コストが3.25%かかるとすると、投資家は12.25%以上の利益を上げなければなりません。 これを裏返して言うと、個人投資家が市場平均を上回る成果を上げるためには、知識も経験も豊かな機関投資家たちを出し抜き、さらに高い(例えば12.25%以上の)収益率を常にマークしなければならないということです。 この主張は、投資の世界ではごくごく当たり前のことであり、プロであれば誰もが運用するにあたって踏まえています。市場に勝ち続けることのむずかしさを知らず、投資の世界に入ってくる個人投資家へ警鐘を鳴らしているのです。
マーケットに勝たなくとも、投資に成功することはできる 現在の市場はもはや、1960年代のように多くの人が高い利益を競い合う「勝者のゲーム」の場ではなくなっています。今や、ミスを避けられるか否かで勝敗が決まる「敗者のゲーム」の場と化しており、投資家たちは自分のミスを最小限に抑え、周囲のミスに乗じることでしか利益を上げられないのです。 エリスは株式市場で投資をしていくうえで、「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」の2タイプがいることを教えています。 ミスター・マーケットは短期的な儲けを求めて、市場の値動きに翻弄されます。一方、ミスター・バリューは短期の市場の値動きには目もくれず、期待リターンを実現すべく長期に株式を保有するのです。ミスター・マーケットに騙されないよう、投資と資本市場をきちんと理解しなければならないのです。 個人投資家が投資で「勝つ」ということは、「マーケットに勝つこと=機関投資家に勝つこと」ではないとエリスは強調しています。投資の成功とはあくまで自分の目的に合った成果を上げることであって、マーケットに勝つことではないからです。 この本では、ある投資セミナーで「あなたのように金持ちになる秘訣は何か」という質問に対して、講師が「損を出さないことだ」と答えるエピソードを紹介しています。これこそが、敗者にならないためのまさに“答え”なのです。
“負けない"戦いを長く続けていく
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