1: 海江田三郎 ★ 2016/05/22(日) 16:37:51.08 ID:CAP_USER
http://toyokeizai.net/articles/-/119082
「外国人投資家から無視された日本株と安倍政権」――。ひとことで今のマーケットを言い表せばこんな感じだろうか。 5月18日、19日と安倍政権は相次いで政策を発表したが、市場は悲しいほどに「ほぼ無反応」だったからだ。時価総額の大きい東証1部の大型株はあまり動かず、新興企業が多いマザーズ市場が乱高下しているのが今の日本のマーケットだが、この動きが何を意味するか。「海外投資家が日本株に関心を失っている」と筆者は考える。
安倍政権の政策発表後、日本株の取引は盛り上がらず詳しく見て行こう。安倍政権は18日、「1億総活躍国民会議」を開催し、今後10年の施策をまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」の具体案を示した。「GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ」達成に向けて、「働き方改革」を最重要視。注目度の高い「同一労働同一賃金」などの実現に向け関連法を一括改正する方針を明記したほか、低い賃金が問題視されていた保育士や介護士の待遇改善策なども盛り込んだ。翌19日には産業競争力会議を開催。成長戦略である「日本再興戦略2016」をまとめている。ITやAIを使って生産性を高める「第4次産業革命」の推進など、重点10分野を示した。では、市場は、これらの政策の発表後に、どう動いたか。1900社以上が名を連ねる東証1部の売買代金は、19日は1.9兆円、20日は1.8兆円と、2営業日連続で「市場参加者がまずまずの状況と判断する」2兆円の節目を割り込んだ。18日が2.3兆円だったことから見るとわかるように、政策発表後、売買は減少したわけだ。日経平均株価は19日に1万6841円まで上昇したが、5月のSQ値1万6845円(SQとは特別清算指数のこと)をクリアすることができず失速してしまった。
詳しくは5月14日に筆者が書いた「『日経平均は(幻のSQ値)1万6845円を超えない』は本当か」を読んでいただければ幸いだが、前回に書いた予測通り、13日の「幻のSQ値=1万6845円」が意識された格好になった。SQに絡んだ株式の売買代金は僅か1700億円ほどのため、需給面では目立ったしこりになる(それらの取引が重しになる形で相場に影響を与える)という状況ではないものの、一定の上値抵抗ラインとなっていることは面白い。今回も「幻のSQ値」という不可思議な効力が発揮された事例となった。 一方、為替市場では、米国の6月利上げの機運が高まっていることから、4月28日以来となる1ドル110円台を回復した。それでも、2017年3月期の想定為替レートが105円のトヨタ自動車やファナックなど、主力大型株や日経平均の上値は重いままだった。
再び「売りの姿勢」を強める?海外投資家では目立っていた市場はどこかというと、値動きの激しいマザーズ市場だった。マザーズ市場は個人投資家中心の売買と言われる。 つまり、足元で活発に商いを膨らませているのは個人投資家であって、海外投資家は売買を手控えている状況と言える。だが、マザーズにしても、実は20日金曜日の売買代金は1700億円と、18日の3000億円をピークに減少気味だ。?? 東京証券取引所によると、5月第2週の「投資主体別売買動向」では、海外投資家は現物株を567億円買い越している。 一方、先物市場では3722億円売り越しだ。つまり、差引きでは日本株を3000億円ほど売り越している計算だ。今年に入って海外投資家は1月から3月まで全て日本株売りで進め、4月に入ってから若干買い越す場面が見られた。ただ、ここにきて再び海外投資家は日本株売りのポジションを取りつつある。市場では、「海外投資家は日本株に見切りをつけたのではないか」との声が聞かれる。昨年、日経平均は一時2万円台を回復したが、これは海外投資家に支えられたと言っても、過言ではないだろう。
実質的に2012年末から始まったアベノミクス相場において、最大の日本株買いの要因は金融政策による円安推移だった。1ドル80円前後から125円まで円安ドル高が加速したことで、輸出関連銘柄は猛烈な追い風を受けて業績を伸ばしてきた。
「外国人投資家から無視された日本株と安倍政権」――。ひとことで今のマーケットを言い表せばこんな感じだろうか。 5月18日、19日と安倍政権は相次いで政策を発表したが、市場は悲しいほどに「ほぼ無反応」だったからだ。時価総額の大きい東証1部の大型株はあまり動かず、新興企業が多いマザーズ市場が乱高下しているのが今の日本のマーケットだが、この動きが何を意味するか。「海外投資家が日本株に関心を失っている」と筆者は考える。
安倍政権の政策発表後、日本株の取引は盛り上がらず詳しく見て行こう。安倍政権は18日、「1億総活躍国民会議」を開催し、今後10年の施策をまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」の具体案を示した。「GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ」達成に向けて、「働き方改革」を最重要視。注目度の高い「同一労働同一賃金」などの実現に向け関連法を一括改正する方針を明記したほか、低い賃金が問題視されていた保育士や介護士の待遇改善策なども盛り込んだ。翌19日には産業競争力会議を開催。成長戦略である「日本再興戦略2016」をまとめている。ITやAIを使って生産性を高める「第4次産業革命」の推進など、重点10分野を示した。では、市場は、これらの政策の発表後に、どう動いたか。1900社以上が名を連ねる東証1部の売買代金は、19日は1.9兆円、20日は1.8兆円と、2営業日連続で「市場参加者がまずまずの状況と判断する」2兆円の節目を割り込んだ。18日が2.3兆円だったことから見るとわかるように、政策発表後、売買は減少したわけだ。日経平均株価は19日に1万6841円まで上昇したが、5月のSQ値1万6845円(SQとは特別清算指数のこと)をクリアすることができず失速してしまった。
詳しくは5月14日に筆者が書いた「『日経平均は(幻のSQ値)1万6845円を超えない』は本当か」を読んでいただければ幸いだが、前回に書いた予測通り、13日の「幻のSQ値=1万6845円」が意識された格好になった。SQに絡んだ株式の売買代金は僅か1700億円ほどのため、需給面では目立ったしこりになる(それらの取引が重しになる形で相場に影響を与える)という状況ではないものの、一定の上値抵抗ラインとなっていることは面白い。今回も「幻のSQ値」という不可思議な効力が発揮された事例となった。 一方、為替市場では、米国の6月利上げの機運が高まっていることから、4月28日以来となる1ドル110円台を回復した。それでも、2017年3月期の想定為替レートが105円のトヨタ自動車やファナックなど、主力大型株や日経平均の上値は重いままだった。
再び「売りの姿勢」を強める?海外投資家では目立っていた市場はどこかというと、値動きの激しいマザーズ市場だった。マザーズ市場は個人投資家中心の売買と言われる。 つまり、足元で活発に商いを膨らませているのは個人投資家であって、海外投資家は売買を手控えている状況と言える。だが、マザーズにしても、実は20日金曜日の売買代金は1700億円と、18日の3000億円をピークに減少気味だ。?? 東京証券取引所によると、5月第2週の「投資主体別売買動向」では、海外投資家は現物株を567億円買い越している。 一方、先物市場では3722億円売り越しだ。つまり、差引きでは日本株を3000億円ほど売り越している計算だ。今年に入って海外投資家は1月から3月まで全て日本株売りで進め、4月に入ってから若干買い越す場面が見られた。ただ、ここにきて再び海外投資家は日本株売りのポジションを取りつつある。市場では、「海外投資家は日本株に見切りをつけたのではないか」との声が聞かれる。昨年、日経平均は一時2万円台を回復したが、これは海外投資家に支えられたと言っても、過言ではないだろう。
実質的に2012年末から始まったアベノミクス相場において、最大の日本株買いの要因は金融政策による円安推移だった。1ドル80円前後から125円まで円安ドル高が加速したことで、輸出関連銘柄は猛烈な追い風を受けて業績を伸ばしてきた。